日本最大の観光ガイドエージェンシー『Japan Guide Agency』を運営する、JGA株式会社 代表の藤原です。JGAでは「あらゆる体験をすべての人に」をパーパス（目的・存在意義）に掲げ、全国で訪日外国人向けプライベートガイドツアーを催行しています。

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世界の観光基準はフロリダ・オーランド発

年末にはじめてフロリダ・オーランドに行ってきました。
ディズニーワールドをはじめ20以上のテーマパークが立地し、年間7,500万人の観光客が訪れる世界一の観光都市をこのタイミングで一度見ておくべきと思ったからです。7泊8日の日程でふたつのディズニーパーク（マジック・キングダムとアニマル・キングダム）とディズニークルーズを体験してきました。フロリダ・ディズニーワールドの敷地面積は山手線内側の1.6倍。全然まわりきれませんでしたが、とても勉強になりました。

世界一の観光都市であるということは、このまちが世界中の観光まちづくりにおけるデファクトスタンダード（基準）になるということです。それを好む好まざるにかかわらず、観光業に関わる人、まちづくりに携わる人は、世界中の人々にとって何が基準となっているのかを見ておいて損はないと思います。

今回オーランドへ行ってみて、世界中で下記３つの観光トレンドはこれから一層加速すると感じました。

これから一層加速する３つの観光トレンド

①テーマパーク化

ディズニーワールドをはじめとするすべてのテーマパークに共通するのは磨き上げられたテーマ設定です。マクドナルド化した均一世界で人々は今、標準化されたサービス・まち並みを嫌気し、より高い娯楽性＝テーマ性を求めて観光という名の移動をつづけています。

ディズニーワールドをはじめ20以上のテーマパークが立地するフロリダ・オーランドは、どこよりもテーマ性に敏感な都市です。どのパークも常にテーマを先鋭化・差別化しながら、より多くのゲストを呼び込もうと切磋琢磨しています。人を呼び込むには特色となる娯楽性＝テーマが不可欠です。ホテルもレストランもカフェも売店も、すべてがテーマ化しています。

あなたのまちはどんなまち？
ゲストは常にこの質問を投げかけてきます。観光都市として人を呼び込むのであれば、明確にまちのテーマを磨き上げる必要があります。ガイドツアーも同様です。よりテーマを明確にしたツアー設計が今後求められるでしょう。

②モール化

ある場所での消費額は滞在時間に比例することがわかっています。どのテーマパークもゲストの滞在時間を伸ばしてより活発に消費活動をしてもらおうと、敷地内にホテルやレストラン、カフェ、売店を整備しています。

敷地内での消費活動はゲストにとっても大きな楽しみです。私たちも2日間でマジックキングダムとアニマルキングダムをまわりましたが、とてもまわりきれませんでした。ぐるぐるとパーク内をまわっている間に、多くのカフェ・売店・レストランに立ち寄り、まんまと消費活動に勤しみました。

観光まちづくりにおいても同様に、すべての機能（ホテル・レストラン・カフェ・売店）が配置されたエリア内をゲストに回遊してもらう必要があります。

このとき重要なのはまちの回遊性です。モールの特徴はぐるぐるとそのパサージュ（＝歩道）がループしている構造にあります。いつまでも回遊をつづけたいゲストのためには町のパサージュはループ構造＝出口が消失している状態、であることが望ましい。ゲストは終わりのない回遊を期待しており、消費活動を楽しみにしています。

③バリアフリー化

バリアフリーのデファクトスタンダードはオーランドから世界中に輸出されてる感があります。歩道ギャップの解消、ベビーカーや電動車いすのレンタル、公共交通における車椅子乗降のスムーズさ。世界中からさまざまな人が訪れる世界一の観光都市ではデザインもモビリティもすべてがユニバーサル化されています。

オーランドのバリアフリー基準は観光客を通じて各国にコピーされ、世界中でデファクトスタンダード化します。オーランドの当たり前は、世界の当たり前になっていくのです。

この世界の当たり前を基準としたときに、残念ながら日本の現状は世界中からやってくるゲストにとって満足いくものでないのが現状です。

以上、これから一層加速すると思われる３つの観光トレンド（①テーマパーク化 ②モール化③バリアフリー化）でした。

すべてのまちがテーマパークになる必要はありません。でも、もしもあなたの町に観光客を呼びこむのであれば、このトレンドから目を背けることはできません。

参考書籍：

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社名：JGA株式会社
静岡県知事登録旅行業 第2-706号
本社：静岡県静岡市清水区江尻東2-67-3
設立：2013年
​資本金：1,000万円
代表取締役：藤原 一成