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映画『そばかす』

「愛こそすべて」「愛し愛され生きるのが人生の醍醐味」…そんな<恋愛至上主義>が当たり前でそれを疑わない社会。でも本当に「愛する人と出会い、結婚して、家族を作ること」だけが幸せと言えるのだろうか。
この物語は、<恋愛至上主義>が常識化した社会を生きるひとりの女性が、恋人を作ることや結婚を勧めてくる周囲と向き合い、自分と向き合い、更には将来にも向き合いながら、「自分は何者なのか?幸せの形とは何なのか?」を見つめていく、千差万別の幸せのカタチと希望に溢れた、多様性が叫ばれる今に相応しい新たなノットヒロインムービーズの最新作です。

https://usaginoie.jp/2022/07/11/post-769/

※ ネタバレ注意 ※



主人公の生きづらさが刺さる。

ひとりでいることが欠陥かのように
干渉してくる母親。
しまいには勝手にお見合いを設定してしまう。

親が婚活に干渉、主導権を握ることがあるなんて。
喫茶店で母親がちょっとあやしい親のための婚活サービスの話を聞いているシーンなんか、新興宗教みたいにカルトじみていて、馬鹿らしくて思わず笑ってしまった。

合コンのシーンとかキャンプでの
「好きなタイプは?」とか「好きな異性のしぐさは?」という質問。
「あー!進研ゼミで出たところだ!!」という感じ。
もう完全に話のネタとして市民権を得てるけど、
それは会話のドッジボールだよ。

そもそも「スキ」の種類も定義も、あるかないかもそれぞれなのに。

あんな「スキ」って200種類くらいあんねん。

アンミカさんに言ってほしい

友達だと思っていたのに恋愛感情・性欲を向けられるのも
すごくつらかった。
友達として接していたのにそう「勘違いされてしまう」
勘違いされてないかな?と考えすぎてしまう。
そんな経験がある。

チェロのシーンで泣いた。


私が葬式で流してほしい曲「オンブラマイフ」
前奏のピアノでこの曲は!!となって
つづいてチェロのパート始まると泣いてしまった。

「チェロは人間の声に近い」ってのがよくわかった。
佳澄にとっては最後の演奏というのがまた泣ける。

『宇宙戦争』のトムの走り


佳澄が好きだという映画『宇宙戦争』が気になって帰ってから早速見た。

かっこいい何かを追うトムの走りではなく。
一般市民の人間臭い走り。逃げる走り。

いつも逃げてきた主人公はその走りが好きだった。
そして最後、主人公は走り出す。

逃げてもいいんだ。という逃げる走り。
とはまた違った未来への走りともとれる。

脚本的によかった点


お見合い相手がいつものラーメン屋
会話の結末をけっこう切っている
海のシーン 誰にも邪魔されない避難場所
唯一まともに会話できていた父と娘のサブストーリー

「シンデレラ」

アセクシャルの言葉こそ出なかったけど、そういう気持ちの人はたくさんいて、言えなかったり、自分は変だと思い込んでる人もたくさんいる。

今日もどこかで同じ気持ちの人がいるって思えるだけでも、
すごく幸せなことだなと思った。

劇中の「シンデレラ」はそんなどこかにいる同じような気持ちの人に気づくきっかけになった。あの二人のように。

この映画が、まだどこかにいる同じような気持ちの人との「シンデレラ」になったらいいな。


おまけ


主人公のファッションいいなーとおもった。
クレジットにSOGI監修入ってましたね。
あと照明応援に泉谷しげるいたよね?

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