マガジンのカバー画像

旅する日本語 ORIGINAL

13
運営しているクリエイター

記事一覧

秋の「炎節のサイクリング」

朝起きたら、だんなはすでにいなかった。昨日寝る前に「朝から自転車いじりするんだ」と遠足前…

FUKASAWA屋
5年前
9

「旅する日本語」に参加できてなかった件。

noteで開催中の「旅する日本語」コンテストに参加しているつもりだった。テーマとなっている11…

FUKASAWA屋
5年前
3

旅する日本語 第1語 「炎節のサイクリング」

「今日もめっちゃ溶けた。」 帰宅すると彼は、毎日そう言いながら嬉しそうに背中を見せてく…

FUKASAWA屋
5年前
8

旅する日本語 第2語 「差添いの祈り」

「縁切り神社に行きたい」 その当時、妻は疲れ切っていた。もはや神にすがるしかないほど、…

FUKASAWA屋
5年前
8

旅する日本語 第3語 「寸景の神楽坂」

もんぺが欲しいーー。 最近「パンと日用品の店わざわざ」という長野の山の上にあるパン屋と…

FUKASAWA屋
5年前
16

旅する日本語 第4語 「昧爽の覚醒」

正直、自分が一番驚いていた。 僕は昔から他人に対する警戒心が強い人間だった。だから一生…

FUKASAWA屋
5年前
4

旅する日本語 第5語 「幸先の悪い1111」

「おめでとうございます」 まさか、この言葉を聞けずに終わることになるとは思っていなかった。 その日は朝から冷えていた。雨はなんとか降っていないことに安堵する。けれど早朝からスタジオに向かう途中、乗り換え駅の渋谷で彼と2人してトイレに駆け込むような事態に、不安しかなかった。幸先が悪すぎる。 なんとか時間までにスタジオ入りし、準備を始める。ドレスを着て、ヘアスタイリング、メイクをしてもらう。 目立つことが苦手な2人が、それでも記念に残ることをしたい、と選ん

旅する日本語 第6語 「涼飈の原宿」

原宿には異空間への入口がある。 騒がしい人混みから一歩入ると、そこにはまるで避暑地の高…

FUKASAWA屋
5年前
9

旅する日本語 第7語 「礼遇の音色」

もう一度訪れたい場所が、京都にある。 「妙徳山 華厳寺(みょうとくざん けごんじ)」ーー…

FUKASAWA屋
5年前
11

旅する日本語 第8語 「標高634mの奇偉」

これというきっかけは特になかった。 なんとなく、宇都宮に餃子でも食べにいくか、日光に東照…

FUKASAWA屋
5年前
5

旅する日本語 第9語 「碧空のトライアル」

日常にない「発見」があれば、それは旅なのだと思う。 炎節が影をひそめたお盆明けの日曜日…

FUKASAWA屋
5年前
6

旅する日本語 第10語 「生ひ優る方向音痴」

私は方向音痴だ。 若い時から、方向音痴のエピソードには枚挙に暇がない。しかも、歳を重ねる…

FUKASAWA屋
5年前
9

旅する日本語 第11語「恋草のゲリラ豪雨」

確か、真夏に「ゲリラ豪雨」という風物詩が始まった頃のことだ。 最寄り駅からの帰り道、雨…

FUKASAWA屋
5年前
6