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熱中症には気をつけろ! 〜マスクの夏は想像以上にキケン〜

数日前に実家の母に手紙と誕生日プレゼントを送り、熱中症にはくれぐれも気をつけて、などと伝えた矢先、まさか当の自分がそれになるとは思ってもみなかった。

8月9日、日曜日。夏休み第二弾。2回目の四連休の3日目。私はだんなと、JRの駅スタンプラリーに参加することにした。当初、だんなは一人でスタンプラリーをしていて、あと残すは2駅、高輪ゲートウェイ駅と千駄ヶ谷駅のみ、という状態で、一緒に行く?と誘われたのがきっかけだった。最初は特に興味なく、ふーん、そんなのあるんだーぐらいだったのだが、スタンプラリーの台紙を見て、そのスタンプの可愛さに、好奇心の火がついてしまった。この駅のスタンプなら集めたい、というのがいくつかあった。

そうして、軽い気持ちで一緒に出かけることにした。帽子をかぶり、水を持ち、ちゃんとスニーカーを履き、リュックを背負い、準備万端にした。スタート駅に行くまでは、適当なノートを買い、欲しいスタンプだけ押してみよう、と思っていたのだが、あいにく無地の手頃なノートを調達できず、じゃあスタンプラリーの台紙でいいや、と思ったのが、運命の分かれ道だった。

結局、最初に調子に乗って無駄に一駅歩いてみたり、一万歩超えて足が痛くなってきても、スタンプラリーの台紙の空欄を埋めたいが為に「無理」をし始めていた自分に気づけなくなっていった。いや、無理に気づいてはいたのに、なんとかなるかと根拠なく、自分を過信してしまっていたのだ。そして、マスクをしているがゆえ、渇かない喉に騙されて、汗を相当かいていたのに、出た分を補うだけの水分・塩分補給をしていなかった。

思い返してみたら、朝から夕方まで持ち歩いて飲んだのは水1本、ポカリ1本。お昼の爽健美茶一杯ぐらい。途中で駅のフルーツジューススタンドでバナナジュースと白桃ジュースをだんなとシェアして飲んだり、休憩で入ったファミレスでドリンクバーでコーラと紅茶を飲んだりをしていたが、それ以上に汗をかいていた。どのくらいかいたかというと帰宅して服を脱いだら黒いタンクトップに汗が塩になり、白い線を残していたほどだ。そんなことは人生の中で初めてぐらいのことだった。

スタンプラリーをやるために1日乗車券を買っていたことも一因だろう。今日中に、コンプリートしないともったいない、そんな気持ちになっていた。

様々な要因が重なり、異変はスタンプラリーが終了し、最後に記念グッズを買い、花札をもらう段になり、欲しいグッズが売り切れていた後、グッズを探しにさらに別の駅に移動した後、訪れた。

朝の10 時から出かけて、すでに夕方6時を過ぎていた。別駅に移動するも、目的のアイテムはなく、空振り。このまま何駅かあたるしかないか、なんて考えていた矢先、ふいに頭痛がした。一駅電車に乗り、一旦起点駅に戻る車中、椅子に座ると、不調が身体を駆けめぐった。

ちょうど直前にお茶を買っていただんなにお茶をもらうが、体調はどんどん悪化していく。なんだか気持ち悪い。頭がぐわんぐわんし動悸がし始めた。起点駅につき、ホームに降りて改札に向かう手前で、これはマズいとアラートが鳴る。座りたいとだんなに告げ、ちょうど見つけた椅子に座ると完全にもう動けなくなった。状況をだんなに伝えると、私にお茶をたくし、ポカリを買いに行ってくれた。

お茶をちびちび飲みながら、気持ち悪さと戦いながら、必死に祈った。どうかおさまって。1日を台無しにしたくない。だんなが戻り、ポカリを飲む。500mlはあっという間になくなった。しかしまだしんどい。最初のお茶500mlも飲み切り、それでも椅子から立ち上がれない。だんなからタクシーで家まで帰宅の提案が上がった。

そうこうしているうちに、今度は一気にとりすぎた水分を身体が排出したくなり、なんとか荷物をだんなに預けて、トイレに駆け込んだ。ようやく少し落ち着いて、危機を脱し、塩分が足りないのだろう、とうどん屋に入り、うどんをつゆまで飲み干して、一息ついた。

その帰り道、またすぐにトイレに行きたくなり、近くにトイレが見つからず、有料トイレに駆け込んだ。そう、不調の第二波は、この時既に始まっていたのだ。

最寄駅につき、歩いて家に向かう途中、またトイレに行きたくなる。明らかにトイレが近い。帰宅してトイレに駆け込む。汗だくの服を脱ぎ捨てシャワーを浴びて、シャワー後またすぐにトイレへ。おそらくまた水分が足りなくなったのだろう。半沢直樹を見終わる頃に、第二波がやってきた。

また気持ち悪さと頭が重くなる感じに襲われる。苦しい。だんなが入院中一人でいた時に念のためを思って買って枕元に置いていた経口補水液を飲んだ。半分くらい飲み、ようやく少し落ち着いてきた。しかしまた、トイレに行きたくなる。入れては出して、また気持ち悪くなって、飲んで出してを小一時間繰り返して、ようやく落ち着いてきたので、なんとか眠りについた。

このときの小水は、まるで水のように透明だった。

枕元に経口補水液と水を置き、喉が渇いたらすぐに飲むようにし、アイスノンで首元、頭、脇の下を冷やし、いつもはおなかにかけるブランケットをかけず、熱をさますようにした。第二波到来時は37度の発熱。本当に焦った。

このまま体調が悪化したら、病院に行った方がいい、とだんなに言われ、申し訳ない気持ちと自己管理の出来なさにふがいない気持ちでいっぱいになった。

熱中症になってしまった原因を考えると、まず、これまでなら、おそらく一万歩も歩けば先に足が痛くなり、中断して撤退していたはずだったが、このところウォーキングをしていて、以前より歩ける距離が増えていたこと、さらに最近、歩数計を身につけるようになっていたことで、増えていく歩数に快感を覚えて、どこまで行けるかみたいな無駄なチャレンジ精神が高まっていたことも、無理を看過する要因になっていた。

もう無理はしない、と決めていたのだが、それは嫌いなこと苦手なことはやらない、という意味の無理はしない、で、好きなことやりたいことに対しては、意識が甘かった。身体の無理は急にくる。そうなる前に、もっと早くギブアップするべきだった。反省しかない。

とにかく二度と同じ目に合わないよう、無駄なコンプリート欲求は持たないこと、外出時はこまめに水分補給すること(ポカリを持ち歩くこと)、しんどくなる前に勇気を持って外出を途中で切り上げること、そして、自宅には経口補水液を常備しておくこと、を徹底していきたい。

マスクをしながらの夏の1日外出は想像以上に危険であると身を持って体感した42歳の記録。皆さんもどうぞお気をつけて。

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