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1年間見続けた「やすらぎの刻 道」。

 4クールの大作「やすらぎの刻 道」がついに終わってしまった。
 私は決して優良視聴者ではなく、撮り溜めて土日に一気に消化したりしていたが、それも1回20分という短い番組だからできたこと。
 「やすらぎの郷」は2017年に2クール放送され、その続編が2019年の「やすらぎの刻 道」になった。
 舞台はテレビに功績のあった者だけが入居できる老人ホーム「やすらぎの郷」。中心にいるのは脚本家の菊村栄(石坂浩二)。菊村は水沼六郎(橋爪功)に聞いた原風景に刺激を受け、再び脚本を書き始める。それが劇中劇の「道」となる。
 「やすらぎの郷」パートと「道」パートはだいたい半分ずつくらいだった。私は「道」パートが好きだった。貧しい農家の戦争体験といったドラマはいま企画を出しても通らないだろう。それを劇中劇という形で実現してしまった倉本聰の手腕に惚れる。
 「道」は戦中戦後篇と平成篇に分かれる。原風景である道は戦後に舗装され、人々がどんどん離散していく。ユーモラスでありながら根本のところは厳しい話だった。

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