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スペキュラティブデザインの可能性についての考察【編集長の視点No.2】

※トップ写真は、先日行ってきた現代美術館の「シナジー、創造と生成のあいだ」の建物外にあった展示物です。面白かった、アート・創造

この間、こちらのnote記事が私のSNSに流れてきました。ナカジさんという方が書かれた記事で「そうそう!」「なるほどー」と非常に共感しました。

私も弊社の新規事業部門のサポートをしているのですが、課題ドリブンで何か新しい事業を立ち上げるのってかなり難しくなってきているのかなと感じています。とくに少し前からはSDGsSDGs(なんか日本だけなのかも、SDGsが流行ってるのって)言ってそれ関連の事業を探しています。

が、市場規模が大きそうな課題はほぼほぼどこもかしこも取り組んでいますし、例えば「環境」とか「サーキュラーエコノミー」なんてのは既存のビジネスをより効率化するだけでも大分達成できるのかと思います(※当然、サーキュラーな仕組みは別途必要ですが)。

以前から「未来の教育を考える」というマガジンでも書いてますが、私的には日本人の自己効力感の低さと、学校教育とのつながりに目をつけてそこをなんとかビジネスで!と息巻いておりました。

だがしかし、だがしかしだ…

教育って全然お金にならない、、、


という壁に突き当たりまして。学校からお金をもらうというのは難しいし、家庭からお金もらうのであれば偏差値がちゃんと上がるような教育でないと難しい。私は、そもそも偏差値に寄った教育がよろしくないと思っているので、教育ビジネスとは相性が悪かったのかなと実感しています。

次いで「地方の交通弱者だ!自動運転だ!」なんて思っていましたが、こちらも少し考えたのですが

交通ってそもそも金額そんなに取れないし、地方の高齢者相手(東京のリッチ高齢者とは違う)だし、お金にならないのでは、、、

という考えに至り、、、

難しさを感じています。

大きな社会課題で、かつ事業規模が大きくなりそうなものを見つけるのは非常に困難かなって感じていました。


そこで、上記ナカジさんの記事を読んで「そうだ!スペキュラティブデザインがあった!」と思い出しました。

下記イベントで、RCAのアンソニー・ダン教授のお話しを聞き、スペキュラティブに未来像を作ったことがあります。
(※というテイにしておきます…まぁ色々関わってもいたのですが)

2019年当時はまだ「シンギュラリティ」という言葉が流行ってて、2046年くらいにはAGI(汎用人工知能)が来ると想像されていました。

そのスピード感でAIが進化したことを想定し、ありうる世界をスペキュラティブデザインしてみました。アンソニー・ダン教授の方式を真似ています。

1.まず、2軸を切って4つの世界観を作ります

テクノロジーが進化したとき、それを人の幸せに使えるかどうかは「人の意志」に関わっていくことでしょう。当時も、上記で挙げたようにSDGsが流行っていました。加え、Gゼロの時代、トランプ大統領が生まれてから世界は混沌の方向に向かっていたと覚えています。なので、多くの時間をかけてディスカッションし、「持続可能性か?経済成長か?」と「社会・人は分散するか(Gゼロ的な)?世界が協働するか?」の人の意志に関する2軸を切ることに決めました。

2.次に、それぞれの象限における未来像・社会、人の生活を事細かに描きます

どこの社会を描くのか?も重要です。我々は日本人なのでひとまず日本を想定するのですが、AIなどテクノロジーは現時点ではどう考えても日本のものではなくGoogleやAmazon、MicrosoftやAppleなどが先導していくと想像できます。ここでは、デザイナーの方にも入ってもらいました。

3.最後に、会社としての方向性・ビジョンを描きます

AI・テクノロジーはどのように使われるべきか?そこで会社はどんな役割を果たすか?どのような事業が必要となるのか?を構想するという順番で作りました。


当時作ったものとは違うでしょうが、こんなイメージです


ちなみに・・・
4象限というと「シナリオプランニング」を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。シナリオプランニングは、現状を見て状況を揺るがす2軸を取り、4象限の未来社会を描き、そこでのビジネスプランを練ることで未来に備えるというやり方。


図にすると、こういう違いかと


今は、どこもかしこもAI、生成AI

現時点では誰も取り組んでいない大きな社会課題はもうあまりないのですが、生成AIが社会に及ぼしうる影響というものは、大きな課題(悪い意味だけではない)かも知れません。大きく、社会のWell-beingを向上させる可能性大です。

そこに焦点を当てつつ、再びスペキュラティブに社会像を描いていくのも手かなと再び感じた次第です。

引き続き、新規事業サポート頑張っていこうと思います!

今日はここまでです。
もしこのジャンルでご興味ある方がいらっしゃいましたらぜひコメントくださいませ!

ではでは。
合掌!!

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