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卒業子 日の暮るるまで語りけり

 卒業式の日は晴れて穏やかな日でした。夫と一緒に娘の学校へ向かうと、保護者席はもうほとんど満席でした。夫婦で来ている人も多く、着物を着ている人もいて、どこの家でも今日が大切な区切りの日であることを感じました。

 「卒業生入場」の合図で、桜で作られたコサージュを胸につけて卒業生が入場してきました。娘の同級生たちは、卒業アルバムよりもずっと凛々しく引き締まった表情をしていました。つつがなく式が終わり、下級生の歌声に送られて退場し、各クラスへ。クラス内は机を外に出して保護者が入りやすいようにしてありましたが、それでも入れなくて廊下から見守りました。

 一人ずつ担任の先生から卒業証書が手渡され、一言ずつクラスメートへの思いや今後の抱負を語ります。言葉の内容はほとんど聞き取れなかったものの、語る眼差しにそれぞれのクラスに対する思いが感じられました。娘もニコニコしながら卒業証書を受け取り、なにがしかを語りました。先生方からの話があり、終わってすぐ教室を後にしました。娘はアルバムの寄せ書きやらで遅くなるから自分で帰ると言っていたので、置いて帰ったのですが、結局帰ってきたのは19時前でした。いくら別れを惜しむとしても長すぎじゃないのと言うと、近くの公園でずっとおしゃべりをしていたそうです。卒業したらなかなか会えなくなるから、離れがたかったのでしょうね。前期試験の結果が出て、皆の進路が決まったら、また集まるそうです。

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