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セールスコピーライターを目指すあなたへ

セールスコピーライターを名乗るようになって14年。前職でのライティング歴も数えれば18年になります。気づけば、業界では古参の部類です。

振り返れば、幾人もの同業者が入っては消えていきました。最近では、Webライターから転身する人も増えています。しかし9割は撤退するでしょう。その訳は、この記事を読まれたらきっと分かると思います。

この記事は、セールスコピーライターという仕事のシビアな現実と醍醐味について書きました。もし、あなたが私と同じ道を歩むのでしたら、この記事はどこかで役に立つと思います。

数字だけがすべての世界

セールスコピー ライターは、Web・SNSの広告コピー、LPやDMのライティングが仕事です。クライアントは、高いクリック率や成約率を期待して仕事を依頼してきます。すべては数字で評価される世界です。期待通りの成果をあげられれば感謝され、そうでなければ無能という名の烙印を押されます。

クライアントが支払うコストは、ライティング費用だけではありません。
セールスレターなら印刷費と送料がかかります。LPのライティングなら、デザイン費やコーディング費、さらにはWebや SNSへの広告宣伝費がかかります。もし失敗に終われば、これらの費用は全て無駄に終わるのです。

セールスコピーライターにのしかかるプレッシャーがどれほどのものか、想像できますか。私は毎回祈る気持ちでいます。14年以上この仕事をしていますが、緊張感は今でも変わりません。

だからこそ、成功した時の喜びはひとしおです。「FAXDMの反応が1%以上ありました」「チラシからの売上が過去最高を更新しました」「メルマガからの反応が9倍になりました」と報告を受けたときの安堵感。同時に湧いてくる達成感と高揚感は格別です。その晩、勝利の美酒を存分に味わえます。

成果を上げるために

セールスコピーライターに必要な能力は何だと思いますか? ライティング力だと答えるようでは失敗します。必要なのは、マーケティング力とセールス力です。

仮に、クライアントから「Aターゲットに対してB媒体を使って、商品のC部分を強みにして売りたい」といった要望が来たとします。決して、伝えられた設定通りにセールスコピーを書いてはいけません。市場調査や競合調査をした結果、ターゲットを変えたほうがいい場合もあれば、広告媒体の変更や前に出す強みが変わってくることもあります。

クライアントが今まで上手く行かなかった原因が、表現レベル(コピー)ではなく、マーケティング戦略レベルにあることは珍しくありません。セールスコピーライターは、表面上のコピーを考えるだけではなく、戦略面からコピーを考えなくてはいけないのです。ある意味、マーケターの上位職とも言えます。

表現レベルでは、ライティング力よりもセールス力が重要になります。セールスライティングは読んで字の如し、文字越しにセールスをする活動ですから、セールス力はあるに越したことはありません。

ゲームソフト『ドラゴンクエスト』のシリーズでは、特定の2つの職業をマスターしないとなれない上位職がありますが、セールスコピーライターも同じです。マーケティングとセールスを習得しなければ、成果の出せるセールスコピーライターにはなれません。

また、行動経済学や行動心理学といった心理学、広告表記(景品表示法・薬機法)に関する法律といった知識も必須です。広告運用やデザインができれば重宝されます。

こうして見ると、セールスコピーライターには、販売活動において必要となるすべての知識やスキルが求められると言えます。「セールスコピーライター」という職業は、マーケティングにおける最高峰の肩書きと言っても過言ではありません。

険しき道を行く覚悟はあるか

先述したように、セールスコピーライターは覚えるべきことが山のようにあります。
ですが、ラクをしようと思えば、いくらでもラクができます。マーケティング戦略を考えなくても、市場や競合調査をしなくても、コピーは書けるからです。

セールスライティングの型に沿って書いていれば、一応形にはなりますし、何だったらChatGPTを使っても書かせてもいいでしょう。レンジでチンするが如く、マウスをポチッとクリックするだけでセールスコピーが出来上がります。仕事の目的も「成果を上げること」ではなく、「コピーを書くこと」と割り切れば、プレッシャーからも解放されます。

ですが、そんな姿勢では何の成長もありません。せっかく高みへ行ける仕事をしているのですから、その階段を登って欲しいです。それに、そんな簡単なライティングのやり方では、生き残ることは難しいでしょう。

私はコピーを納品するたびに「あのコピーの成果はどうなったのかな?」と気を揉みます。それでも続けているのは、こうした挑戦が自分を成長させてくれる、成果につながると信じているからです。実際、スキルも知識も向上していますし、成果にも繋がっています。

セールスコピーライターは、自分自身が商品です。アプリケーションがアップデートするように、セールスコピーライターもアップデートしていかなくてはいけません。

セールスコピーライターという仕事は、意識次第でどこまでも成長できる仕事です。自分で決めた上限が自分の限界になります。成長を望むのなら、目に見える確かな成果を求めるのなら、セールスコピーライターを目指してください。

筆者サイト『セールスライティング解体新書』では、セールスライティングの情報を発信しています。セールスコピーライターを志す人のお役に立つはずです。

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