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『かりん』2023年12月号掲載作品

休養でそとの緑と風があり誰とも決めない待ち合わせをする

十階のグラスの中の自分軸どこかでゆれる私の望み

八月のまだ許される白い服まとって夜がすこし延びてる

琥珀には閉じ込められた虫の影そのまま凍るむかしの鼓動

秋風のベンチにかけて本を読むひとときだけの季節をめくる*

活字では通り過ぎてた数行の真実(ほんとう)に気づく木漏れ日の下


* : かりん2024年1月号「前月号作品鑑賞 Ⅲ欄」にて貝澤駿一氏のコメントをいただいた。

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