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『かりん』2023年10月号掲載作品

大きめの消しゴムがよく消してゆく書き込みされた本の傷跡

差し出してお気持ちだけでとかわされる宴会芸のような瞬間

使えないちから此処では持て余しやっぱり咲ける場所を求める

世の中に多くの色があるなかでいっときだけでも光らせたい色

映し合う二重の虹の大きくて淡いひかりは夢の広さで

パシャパシャと顔に浴びせる雪肌精ほのかに甘く夏がはじまる

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