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長野県辰野町のトビチ商店街・美術館へ。10年後のワクワクする商店街とは

地方でよく耳にする空き家問題。私が移住した須坂市でも、空き家が増えており、空き家の利活用に悩んでいる。そんなとき、空き家やアップサイクルの取り組みをしている方から、「辰野町で面白い取り組みをしているから見に行こう!」というお誘いが。

なんだかおもしろそうだから行ってみよ!

ということで、今回はトビチ商店街やトビチ美術館を訪問した際の感想レポートをお届けします。

『トビチ商店街』
空き家も含めた商店街の中に様々な店舗が集まり、その全てをひっくるめて一つの商店街として地域を盛り上げようという取り組み。2021年からは『トビチ美術館』も開催されている。これは商店街の中で空き家になっている店舗に日本や海外のアーティストが自分の美術作品を展示するもの。


長野県辰野町とは

引用:コトバンク

辰野町(たつのまち)は、長野県の中心部に位置する人口2万人ほどの町。松本・塩尻より少し南にあり、車を走らせてみるとのんびりと田園風景が続く。雪はそこまで多くないそうだが、標高は1,200mほど&山々に囲まれているので、冬はかなり冷え込むらしい。

辰野町では町おこしの取り組みが盛んで、移住した方々やUターンした方々を中心に、2019年からトビチ商店街という取り組みが始まった。

トビチ商店街とは

引用:トビチ商店街HP

2019年から始まった町おこしの取り組み。

飛び飛びの商店をつなぐ、トビチ商店街というまちの再編集
老舗も新店舗も閉じたままの店舗もひっくるめて、地域としての「楽しい」をつくろう。

https://tobichi.jp/about/

古くから残っている建物や商店をそのままに、飛び飛びのお店も含めて、「商店街」というコミュニティや場を再編成していこう、というものだ。

辰野町の中央にはメインストリートがあり、古くからのお店も多く残っている。同時に空き家になってしまっている店舗もあり、少しさびれた印象も伺える。

この空き店舗に、移住者の方々や地元の方々が出店をはじめ、少しずつにぎわいを取り戻してきた。2021年からは、空き家にアーティストの作品を展示するトビチ美術館も開催。
歩いて15分ほどでぐるっと回れる距離感で、辰野町の街の雰囲気も感じられる。

見学したお店「十月十日」

ヨーロッパの古着がメイン

私たちが最初に向かったのは、須坂市で知り合ったはらださんの娘さんが営んでいる古着屋『十月十日』。2023年10月10日オープンの新しいお店です。

十月十日は赤ちゃんが産まれるまでの日数。
そして漢字を組み立てると朝になる。
毎朝赤ちゃんが産まれるように、新鮮な気持ちで生きる。

https://instagram.com/too_moon_to_sun?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==

元々はバス会社の事務所だった場所を、みんなでDIYして古着屋にリフォーム。外側のガラス戸にはバス会社の名前が残っており、レトロな感じが面白い。

レトロ~

店内には、店主のあゆみさんが集めたヨーロッパの古着が並ぶ。

居心地のよい空間

あゆみさんはもともと、南信地方での移住場所を探していたそう。ゲストハウスでの手伝いをしているときに、辰野町のライブハウス&ゲストハウス『O to &(おとと)』を紹介してもらった。そこで手伝っているうちに、辰野町の人々や空気感に惚れ、移住を決意したんだとか。

今の辰野町は、昔のポートランドのような雰囲気を持っている。さまざまな個人商店が出ていて、みんなが自分たちの好きなように街を作っていく。

少しずつ認知されるようになってきたトビチの取り組み。それでも、まだまだこれから。ここで辞めずに長く続けていきたい、とあゆみさんは教えてくれた。

美術館のアート

引用:トビチ商店街HP
数字のところに展示があるよ!

トビチ美術館は、1箇所に作品が収められているのではなく、商店街の中にある空き家を巡って回る美術館。写真とともに街歩きの雰囲気をダイジェストでお届けします。

コクヨの建物

最初に訪れたのはコクヨの建物。地下・2階・3階にそれぞれアート作品が展示されている。

こんな風に普通に使っていた物件の中に美術館があるというのが、なんだかじわじわと面白い。

ブラザー

続いてはブラザーの3階へ。
ブラザーは、もともとミシン屋さんだった建物。

けっこう急…

絵本作家としても有名なハダタカヒトさんの作品が展示されていた。
佐野史郎さんが原作を手掛けた絵本『まどのそと』の原画も素敵だった。

旧安藤政麦

3分ほど歩くと、旧安藤政麦の倉庫と母屋が見えてくる。倉庫はかなり大きく、中をくぐると大量の古い新聞や海外の新聞が…。
昭和に使われていたであろうレコードや、カセットなどの機械を生かした展示で、みんな懐かしんでいた。

アイスキャンデー
自転車でまわるのがおすすめとのこと

O to &(おとと)

お昼を食べた後、私たちはあゆみさんの旦那さんが経営している『O to &(おとと)』へ向かった。『O to &』は、一言でこれ!というのが難しいのだが、店主の金井さんのやりたいことが詰まった場所

上が古着屋、下は土間。
ライブの時は観客スペースに

古民家を改装していて、古着屋やライブハウス、そしてゲストハウスも兼ね備えている(カフェ、ポールダンスなども…)。

本格的なライブができる
居間。縁側は日差したっぷり

私が今まで訪れてきた場所は、古着屋なら古着屋、宿なら宿と目的に沿って整理整頓されていたので、一つの空間に全てが詰め込まれているこの感覚が何とも言えない。

いくつもの小商いを積み重ねれば生きていける。
1つの小商いが1万円しか稼げなくても、それが10個あったら10万円になる。

「10万円あれば暮らせるし、自分は一生"遊んで"暮らしたいんだよね」という金井さんがかっこよかった。
こういう生き方したいなあ、、

“音”と共に十の小商いで生きていくことが出来た時、初めてO to &は音十となる

音と共に十の小商いで生きていく | へんあいじゃーにー (heni-journey.com)

「へんあいジャーニー」さんのインタビューが、めちゃめちゃよかったのでぜひ読んでほしい。


感じたこと

『トビチ商店街』の考え方は私の中にはないもので、空き店舗に作品を置いたり、いろんなお店が集まって一つの商店街を作ったり、街全体を商店街と捉えたり…。

散策するのに持ってこいの辰野町で、おもしろい取り組みが動いているんだなと思った。

いろんな話を聞いて思ったのは、結局は自分がやりたいことをやるのが一番。

こうしなきゃああしなきゃと考えることなく、自分のやりたいことを詰め込んだお店(なのか、居場所なのか)を作ってみたい。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます^^読んでいただけることへの感謝の気持ちを忘れずに、丁寧に言葉を綴っていきたいです。どこかでお会いしたらぜひお話を聞かせてください!