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映画「ビューティフル・ボーイ」

チケット18枚目 シネマカリテ 4/12鑑賞
今年は新宿武蔵野館系列の鑑賞が多い気がする。

去年「君の名前で僕を呼んで」を鑑賞してからティモシー・シャラメファンな深読みみ。
芝居が上手いうえに顔が良い。目が美しすぎて怖い。くっきりとした二重に長い睫毛。緑がかって透き通った瞳。最高…。

さて、ビューティフル・ボーイを見た感想。
ティモシー・シャラメが出ていなかったら、見ていなかったであろうこの作品。

スティーヴカレル演じる父親役デヴィットと、ティモシー・シャラメ演じる息子ニックがハグをする写真がどーん!煽り文には「すべてをこえて愛してる」「堕ちていく息子を信じ続けた8年間」
チラシは100パーセントデヴィット目線で作られているのだなぁと思いました。

前情報を全く入れずに鑑賞したのですが、チラシのイメージと映画の内容が、あまりにもかけ離れていてびっくり。

私は映画「ジュリアン」と同じ構図で「毒親はどんな薬物よりも恐ろしい話」だと受け取りました。

薬物依存から脱出し、現在は脚本家として活躍するニック・シェフと、彼を支え続けた家族の実話を元にした物語。
ニックは、父親と父親が再婚した義理の母と、父親と義理の母のあいだに生まれた腹違いの弟たちに対して、良き息子、良き兄を演じることに対する疲弊と、逃避行動から薬物を使用してしまう。何度更生施設に入っても、RENTでおなじみのライフサポートに参加して依存症脱出の兆しが見えても、父親の家庭と接すると、ニックは情緒不安定になってしまい薬物を摂取してしまう。一種のパブロフの犬状態に陥ってしまったことが薬物依存の原因ではないかと考えられる。

劇中に出てくるクリスタルメスは医療用に正しく利用すると、うつ病・精神病などの治療に有効とのこと。ニックにとって本当に必要な医療薬だったのではないか?(乱用してしまっては元も子もないけれど)

私は物語を摂取するときに、とりあえずどうにかして物語を自分に落とし込めないか考えながら、物語にすり寄るようにしています。ニックの(超あやふや)「クソみたいな現実から逃げるために薬をやる」という台詞を聞いた時に、あぁもしかしたら、私にとっての観劇や映画鑑賞が、ニックにとって薬物摂取だったのかも。と思ってからはスッと物語の中に入り込めました。

禁止されると余計やりたくなっちゃうやつ(カリギュラ効果)
観劇の回数も、減らそう減らそうと思うと、余計に行きたくなっちゃうやつ。

劇中、何度更生施設に入っても依存から脱出できなかったキャラクターが何人か出てきますが、正直この映画を見ていて、隔離施設に意味があるのか疑問に思いました。ニックも8年間で7箇所の施設に入れられたとのこと。
「年に一回、旬の季節になったら絶対に食べたくなる食べ物」とか「ここに来たら絶対に〇〇を食べたくなる」みたいなのあるじゃないですか。新幹線の車内販売のスゴクカタイアイスとか...
最後に食べてからいくら時間を置こうと、引き金を引かれたら最後だと思うんですよね...パブロフ怖い...
死の淵をさまようレベルのトラウマを植えつけられるか、薬物に代替えできる何かを見つけて、それで埋め合わせるしかないんだろうなあ。

そしてティモシーシャラメの薬物摂取シーンがemo emo の emo でこの映画きっかけで興味持っちゃう人居ない?大丈夫??ってちょっと思いました。退廃的で美しいものってどうしてこんなに心惹かれちゃうんでしょうね〜

とにかく

ティモシー・シャラメが美しかった!!




ありがとうございます( ´ v ` )