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シックスパック

私のこと筋肉・パート1

・まずは、行動してみること。その一歩が、人生を大きく変えていく


これはまずい!!

子供を2人出産し数年たった私は、全身を映し出す鏡の前に立っている。

それも裸同然で。変な趣味があってこんなことをしているのではない。
悲しい現実を直視するためだ。脇腹に手をやると、これが見事につまめてしまったのだ。その分厚さは、少年漫画雑誌ぐらいあるだろうか。

私が出産した頃の産婦人科医師は、妊婦に体重制限をしなかった。
医師だけではない。
誰に会っても妊娠したら「お腹の子供のために二人分食べなさい」と言われる時代だったのだ、最初の妊娠で20キロ太った。
出産して半年後には、2人目を妊娠していることが分かった。
2回目の出産後には子どもがお腹にいいないのに、体重はもとに戻らず、
顔は風船、お腹はスイカのままだった。
そして、2人の子育てに追われ、私の体はほったらかしにされた。

しばらく絶句し、途方に暮れた。

「このままでいたら、ただのおばさんになってしまう」

イヤダ。イヤダ。でも、何をしたらいい?どこにいけばいい?
学校を卒業して以来運動なんてしたことがない。
頭をフル回転させて何とか思いついたのは・・・・

「そうだ、家の近くにある厚生年金のジムへ行ってみよう!」

それまでスポーツとは無縁だった私が、一大決心をして、おそるおそるスポーツジムに行ってみた。そして、出会ったのがウェイトトレーニングだ。

近所の公共のジムには、
指導員はいない。
BGMもない。
ジムの1回の使用料は300円、一日中トレーニングしても300円。

初日とは張り切ってしまうものだ。まずは、トレーニングマシーンに張り付けてあるマシーンの使い方を読んでやってみた。
翌日、ひどい筋肉痛に襲われた。数日すると筋肉痛がやわらいだので、また行ってみた。筋肉痛にめげずしばらく続けた。
ある日トレーニング本を買って帰った。

それから、毎日、とりつかれたようにせっせとトレーニングをした。

カシャーンッ。カシャーンッ。
日に日に、増えていくマシーンの重りがぶつかり合って、金属音を発する。いつの間にか、最高のBGMになっていた。

3カ月続けると体が前と違う。面白くなった。
トレーニングのご褒美は、何よりも効果。筋肉は脂肪より重いので、筋肉質になった体は体重こそ減らないがサイズダウンして見た目が変わる。トレーニングする時に負荷の重さが増えていく。
「達成感オタク」の私は、ますますのめり込んでいった。1年後には、子どもを産む前よりもスリムな体になり、ライザップのコマーシャルに出てくる人のような体・・・・・・
腹筋が6つに割れた。

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