見出し画像

復刊ドットコム 25年間の歩み —温め、繋いだ、本のバトン—

復刊ドットコムという会社を知っていますか?
その名に「復刊」という言葉を冠す通り、世の中の復刊を望む声を集め、書籍の復刊を実現させる会社です。これまでに6000タイトル以上の書籍が再び世に送り出されてきました。

そもそも復刊とは、品切れ・絶版となり手に入らなくなった本を、何らかの形でもう一度読めるようにすることです。元の出版社から数年ぶり、何十年ぶりに重版という形で復刊する本もあれば、同じ内容で別の出版社から復刊される本もあります。また、オンデマンド出版といって、需要に応じて小部数ずつ刷って販売する形や、電子書籍化することも復刊と呼ぶことができます。他にも、漫画などが単行本化する際に収録されなかったエピソードを初めて単行本化することも、読めなくなっていたものを読めるようにする、という点から復刊に含むことができ、復刊と一口に言ってもさまざまな形が存在するのです。

一度は本の形になっていたものですから、いずれの形で復刊するにしても、新刊を編集するよりは少ない労力で再度本の形にできるように思われるかもしれません。ですが、実は復刊を実現するには、復刊という形だからこそ発生する種々の困難が存在します。この困難を乗り越えてこそ復刊が実現しますが、そのためのサイト上の仕組みを持っているのは、実は国内では復刊ドットコムだけなのです。

そんな復刊ドットコムの創業は1999年。まもなく25周年を迎えます。
創業当時、復刊に関する知識も経験も全く無かった5人の社員がトライアンドエラーを繰り返しながら確立してきた「復刊」というビジネスの形。創業から四半世紀たった今、復刊ドットコムが復刊してきた書籍や、関わってきた多くの人々とのエピソードを振り返ることで、復刊ドットコムのこれまでとこれからを繋いでいきます。

■はじめに

もう一度本に息吹を「復刊ドットコム」誕生前夜
飽くなき挑戦のはじまり—「復刊ドットコム」の礎ができるまで—

■復刊ドットコムが復刊してきた本

<忘れ去られていた本>
『ビビを見た!』
『かくれちゃったのだぁれだ』
『雪の断章』
『世界妖怪図鑑(ジャガーバックスシリーズ)』

<世代を超えて受け継がれる本>
『METHODS ~押井守「パトレイバー2」演出ノート』
『親切な物理』
『藤子不二雄Ⓐランド』
『Time goes by… 永井博作品集』

<ユーザーの声が特に大きかった本>
『ダルタニャン物語』全11巻
『新装版 ルナティック雑技団』
『Leslie レスリー・チャンのすべて』
『電脳コイル ビジュアルコレクション』

<時代の潮流を示す本>
『八月の砲声』
『いいタッチわるいタッチ』
『サリエーリ』
『チャージマン研!』

<人気キャラクターの本>
『十二の真珠 -ふしぎな絵本-』
  ロックマンシリーズ
『スヌーピー全集』
『火の鳥オリジナル復刻大全集』

■復刊ドットコムが関わってきた人びと

Coming soon…

復刊ドットコムが活動を始めてから、およそ四半世紀、社会の様相は大きく変わりました。
インターネットの普及やIT技術の進化により、出版業界を取り巻く環境も日々変化しています。ですが、復刊を望む声はこれまでと変わらず、今この瞬間も復刊ドットコムには多くの復刊リクエストが寄せられています。

復刊ドットコムは、リクエストを寄せてくださるユーザーの皆さまをはじめ、書籍の復刊に共感し、ご協力いただける多くの関係者の存在無くしては成り立ちません。そして、創業から現在まで、数えきれないほどの復刊交渉を行ってきた中で、少しずつ研ぎ澄まされてきた復刊活動の感覚は、各スタッフの中に経験値として徐々に蓄積され、今では明確な指針となってスタッフの中で受け継がれています。

ユーザーから寄せられた復刊リクエストや関連情報を元に、著作権者の理解や許諾を得て、復刊へ向けた話し合いや、情報提供、スタッフによる調査活動を行うこと。

会社という垣根を越えて、読者が待ち焦がれる本を再び世に送り出すこと。

実現不可能だと言われても、粘り強く交渉していくこと。

一冊でも多くの本を復刊させるために大切にしていることです。

復刊ドットコムはこれからも、復刊の実現を何年も待ってくださっている方々に支えられていることに感謝し、その想いに応えていけるよう、温故知新の歩みを続けていきます。


■取材・文
Akari Miyama

元復刊ドットコム社員で、現在はフリーランスとして、社会の〈奥行き〉を〈奥ゆかしく〉伝えることをミッションとし、執筆・企画の両面から活動しています。いつか自分の言葉を本に乗せ、誰かの一生に寄り添う本を次の世代に送り出すことが夢。
https://okuyuki.info/

この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?