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私ともうひとつの性被害

この記事を読んで内容に
心当たりがあると思ったあなたへ。

私は別にあなたを責めたり、
決して恨んだりはしない。          でも許してる訳じゃない。

被害から約10年以上がたった今、
”よく勇気を持って被害を打ち明けたね”
という声が欲しい訳でもなく
”結愛ちゃんは何も悪くない”という声が欲しい訳でもない。

ただただ自分自身と向き合うために
この記事を書いた。
だから向き合うためという自分勝手な理由で
あなたを利用したことをどうか許してください。

(これより先は具体的な性被害の描写が出てくるので体調に気をつけながらご自身のペースで読んでください。)



1.もうひとつの性被害

私は22年間生きてきて大きく2回、性被害にあったことがある。1つ目は高校生の時の痴漢被害。下校の時に歩いていたら自転車に乗った人に胸を触られたこと。(詳しくは以下の記事から↓)

そしてもう一つ。

もう一つは親戚(これよりAさんと呼ぶ)からの性被害。これは講演会で1・2回ほどお話したことがあったはず。
詳しい内容に関して知っているのは
ほんの一部の人だけ(多分1・2人くらい)
ちなみに家族は誰も知らない。   
そこにも言えない明確な理由がある。

さあ、ここから具体的な被害のお話をしよう。

ちょっと一息…。

2.”遊び”の中の性被害

これは私が幼稚園の時から
小学校高学年に渡ってのお話。

私とAさんはとても仲が良く
私にとってAさんは家族のような存在だった。
私は完全に気を許していたし、信頼もしていたのでいつもお家や外で楽しく遊んでいた。

             『今日は何して遊ぼう』

ワクワクした思いでAさんのお家に行って、
いつものように一緒に遊んでいると
暗い部屋にいきなり閉じ込められて
こんな言葉をかけられた。

                『えっちなことしよう』


その言葉を聞いた私は
頭の中がハテナでいっぱいに。
いつもあんなに優しく遊んでくれて、
楽しい時間を過ごしていたのに、
急に腕を引っ張って言ってきたAさんの顔が
なんだか怖かったのを
10年以上たった今でも鮮明に覚えている。

もちろん『いやだ』と必死に言った。
本当に怖かった。

でもこれは一回限りではない。
幼稚園から小学校高学年にかけて
何回もされたこと。

・お医者さんごっこしよう
(私はごっこ遊びが好きだったから)
・かくれんぼしよう(たまに閉じ込められる)
・ゲームで遊びたいなら身体触らせて

などとたくさんの誘いを受けてきた。

断りきれなくて性器・胸・足を触られたり、
下着を見られる日も何度もあった。

その度に

   私は悪いことをしている、ダメな人間

という風に思っていた。

忘れようとしても何度も何度も思い返す。
自分がお風呂に入ろうとするとき
身体を見るたびに嫌な記憶が蘇って
自分の身体が嫌いになる。

思い返すたびに必死に自分の記憶に
蓋をしようと頑張っていた。
それを幼い頃からずっと繰り返してきた。

(性教育を学び始めてからこれを
フラッシュバックだったことを知る。)

3.頼れる''居場所''

『誰かに相談できなかったのか』

できる訳が無い。                           この被害を私がもし家族に打ち明けようもんなら親戚関係が総崩れする。

当然幼かった私は相談先も知らない。                 というか相談するという選択がまずない。

だって

・私は恥ずかしいことをしているダメな人間だと思い込んでいるから
・性被害だということに気がついていないから

だからこうやって講演会でお話したり
記事にして打ち明けるまでは
10年以上この嫌な記憶と闘ってきた


ずっと一人で。

今でもこの嫌な記憶のせいでフラッシュバックを起こして、パニックに陥る時がある。フラッシュバックはストレスだったり、病気の体調の変化だったり、天候だったり、性教育をやっている以上トリガーになるものがたくさんあるので何がどういう風に作用してなるかが自分でも全く読めない。そして、今でも親戚とのお付き合いは続いてるのでお盆などで集まる前日なども酷い。

そうそう、あとは夢にもよく出てくる。
この性被害経験。
私の悪夢はだいたいこれ。

そして                               『あなたは何も悪くない、100%加害者が悪い』

性暴力の講演でよく聞く言葉。                     実際に私も講演をさせて頂くときには
よくこの言葉を使う。

でも…。

自分のことになるとどうしてもそう思えない。

断ることができなかった                                          嫌だと言えなかった自分がいけない

今でもこうやって思っている。                     自分で自分をセカンドレイプ
これもフラッシュバックと同じくらい
本当に辛い。自分は汚れてる…。

4.未来のお話

さあ、ここまで
随分と息が詰まるようなお話だった。                    なんだか私の大嫌いなお涙頂戴物語になっていないか不安だが。(衝撃の方が強いか?)

では、ここからは過去の話ではなく
未来の話をしよう。

私は現在二週間に一回、心療内科に通って自分のうつ病や強迫行為、PMDD、PTSDの治療をしながら性被害のフラッシュバックの治療もはじめている。そこで主治医に言われた言葉

無理に向き合おうとしなくていい、
逃げてもいい、辛くなって話したくなったら
その時はまたいつでも言ってね。 

と。

被害から10年以上経った今、ようやく自分の被害について”辛い”と言える場所、被害から逃げてもいい場所、安心できる”私の居場所”ができた。

これから少しずつ、
少しずつ回復に向かっていけたらと思う。


ここから先は私からのメッセージだと思って読んでください。



5.あなたへ

私はこうやって自分の性被害経験を記事にするという選択をしたけれど、必ずしも打ち明けなければならないことなんて絶対にないと思います。

私は数ある選択肢からこれを選んだまでのことです。多くの人に打ち明けることが”強いことだ”、”勇気があることだ”なんて
私は全く思いません。

向き合わなくたっていいんです。
逃げたっていいと思うんです。

被害にあってから自分自身のことが大嫌いで何回も死にたくなったりしたけれど
今生きているだけで私は強い、、、、、

私自身にはそう言い聞かせています。
どうか自分のペースで焦らずにです。

そしてこの記事を最後まで読んで自分がAさんに当てはまってるなと思ったあなたへ

私はもう一度言います。あなたを責めるつもりは一ミリもありません。あなたも私も知らなかった、そしてあなたもきっと大変な人生を送ってきたんですよね。具体的なことは知らないけれど親戚だから一応大体のことは分かります。

でもそれでもやっていいことと悪いことがあると思うんです。

”みんなを性被害から守る”なんてそんなことは言えないし、どんな政策や取り組みをしたって全員を守るなんて難しい、それは綺麗事であり、一生叶わない理想。だからこそ、自分ができることは限られてくるけれど、それでもできることをコツコツやっていきたいと思っています。それが私の活動する意味です。

あなたと私のような人を
少しでも減らせるように。

そして色んなことを抱えながらも
今日まで生きてこられたのは
家族だったり、友達だったり
活動の仲間だったり、病院の先生たちだったり。
たくさんの方のおかげだと思っています。
今、『楽しいな』と思えるのは間違いなく
みんなのおかげです。

本当にありがとう。





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