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【稲むらの火の館】訪問

 東北から西方に転じて週末は和歌山県広川町。毎年訪問する稲むらの火記念館を訪問しました。2018年に文化庁「日本遺産」に指定された広川町「百世の安堵」は、幕末の安政南海地震の津波が襲った広村で稲むらに火をつけ村人を避難させ命を救った濱口梧陵の言葉です。
 濱口梧陵は津波から村人の命を救い、その後私財を投げ打って村人と堤防を作り家を作り生活を再建させ村を復興させました。その時作られた写真の土の広村堤防は昭和南海地震の津波から村を守りました。この話は「稲むらの火」の名で昔教科書に載りまた最近復活し掲載されました。
 濱口梧陵はその後、耐久社という学校を作り子供たちの教育に力を入れました。経世済民、津波防災。秋には津浪祭りが開催され児童や大人たちが広村堤防に土を盛り、稲むらに火を付けます。津波防災文化を継続するリスクコミュニケーションです。11月5日は世界津波の日が制定されました。

 濱口梧陵が地震と津波の関係を知ったのは江戸の佐久間象山の象山塾での学びから。吉田松陰や小林寅三郎も学んだ洋学の象山塾で濱口梧陵は勝海舟と学び、福澤諭吉とも交流しました。知識と技術と教育で「百世の安堵を図れ」と訴え行動しました。防災教育、防災対策の元祖です。
 稲むらの火の館は濱口梧陵記念館と津波防災教育センターからなります。センターでは3Dシアターでのビデオ上映や津波シミュレーター、各種展示。片田先生出演の津波てんでんこドラマ、濱口梧陵物語のビデオ作品2篇は観て毎回涙。防災教育とリスクコミュニケーションの拠点です。

 この稲むらの火の館には、上皇陛下も天皇陛下の時代に、今上天皇も皇太子殿下時代に訪問されています。陛下の災害対策、防災教育へのご関心の高さが伝わってきます。


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