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【五・一五事件から88年】

 1932年5月15日の五一五事件から昨日で88年でした。三上卓海軍中尉ら若手将校メンバーが昭和維新を目指して犬養毅首相らを襲撃し暗殺した事件。現代的に言えば要人暗殺テロリズムです。五一五事件、二二六事件など軍部によるクーデター未遂についても拙著、福田充『メディアとテロリズム』(新潮新書)で考察しました。
 この事件で「話せばわかる」と諭した犬養毅首相に対して三上卓中尉らは「問答無用!」と叫び銃殺。言論を封殺する問答無用の政治的暴力こそ現代的に言えばテロリズムです。三上卓中尉の作詞した『昭和維新の歌』にはその大義名分とヒロイズムが表現されています。当時の政界や財界の腐敗に対する怒り、正義感が込められています。現在の政治経済状況にも通じるものがあります。

三上卓作詞『昭和維新の歌』
「(二番)権門上に倣れども国を憂うる誠なし。財閥富を誇れども社稷を念う心なし。
 (四番)昭和維新の春の空。正義に結ぶ益良雄が胸裡百万兵足りて散るや万朶の桜花。
 (六番)天の怒りか地の声か。そも只ならぬ響あり。民永劫の眠より醒めよ日本の朝ぼらけ。」


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