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デジタル・ケイブ事始め。(19) まだ、本当に面白い本に出会えてないだけ

もうすぐ母の日なので、少し早いですが紫陽花の鉢を買ってきました。
ここ数年、毎年、紫陽花にしておりまして。。。
万華鏡、銀河、卑弥呼などと、品種が豊富になりましたね! 今年の花は、ダンスパーティー・ハッピーという品種だそうです。
ネーミングも多様で好き。

さて、今日は、私がなぜ会社を起こして、イベントスペースをつくろうとしているのかを、もう少し突っ込んで書いてみます。

「読まなきゃ!」のタイトルに込めたこと

神戸で6年、「読まなきゃ!」という読書イベントを開催していることは、すでに書いたのですが。
なぜ「読まなきゃ!」なのか、ということですね。
もちろん、出版不況といわれる世の中で、書店さんを応援したいという意味もありますが、それ以上に、「読む」という行為を、今よりもっと大事にしなくちゃいけないんじゃないかと思うからです。
もっとはっきり言えば、現代社会では「読む」が意外とおろそかにされていませんか?

インターネットができてから、むしろ大量の文字に接するようになった。
それは私も認めます。私自身もそう感じています。

量は増えましたよね。だけど、その質はいかがでしょう?
あるいは、ネットの文章を読むときの「読み方」はいかがでしょう?
紙で文字に接する時よりも、さらっと読み流していないでしょうか。

私は職業柄、ときどき読者さんたちからこんな言葉をかけられます。

「こんなに文章を書けるなんて、すごいですね。私はまったく文章が書けないんです。書こうとしても、言葉が出てこなくて」

いやいや、そんなはずはありません。
なぜなら、そう言う人に限って、喋るほうはめちゃくちゃ達者だから!
話すことはできるのに、書く段になると手が止まるのはなぜなんでしょう?
話せるなら書けるはず……って思いません?

もちろん、書けない理由はいろいろ考えられます。

・書くこと(内容)がない。
・文章を書こうとすると、「カッコよく書こう」と身構えてしまう。
・単に、書き慣れてない。etc...

ですが、私はもっと大きな理由があると思うんです。それは、

・充分な量の文章を読んでないから。

いやいや、もうかなり読んできたよと言われるかもしれませんが、それなら「書くにはまだ足りない」のかもしれません。
あるいは、たいせつな本をじっくり読み込んでないだけかも。

よく言いますでしょう。
インプットなしにアウトプットできるのは、天才だけだって。
文章だってそうなんですよ。
外国語で考えてみると納得しやすいのですが、英語でもフランス語でも中国語でもギリシア語でも韓国語でも何でも、ある程度の量の文章を読まずに書けるでしょうか?
たくさんサンプルを読んで、こんな構文で、こんな決まり文句があって、と文例を頭に叩き込んでから書きませんか。
外国語だとそうなのに、どうして母国語だけは読まずに書けるわけがあるでしょう。

読むことで、書けるようになる。
書けるということは、インターネットの世の中で、たいへん大きなパワー(発信力)を持てる可能性があるということです。

だから、「読む」という行為を、もっともっと意識的にしませんか、という意味をこめて、イベントのタイトルを「読まなきゃ!」としたのでした。

昨年のベストセラーになったこちらの本、お読みになりましたでしょうか。

「実は、AIどころか、人間も意外と『読めてなかった』」
というこの研究。そうなんですよ、意外と私たち、「読めてない」可能性があるんですよ。

そして、「だって、本なんか面白くないんだもん」という方には、この言葉を贈りたい。
あなたはまだ、本当に面白い本に出会えてないだけ。
あなたの心をとらえる、あなたにぴったりの、あなたに必要な本に出会えていないだけなんです。

デジタル・ケイブで、ぜひそういう本に出会っていただきたいと、心から願っております。