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シアトルでアウトドア -アイスフィッシング編-

シアトルで冬の釣りといえば(少なくともぼくにとっては)イカ釣りだ。ただ2月にもなると流石にイカも釣れなくなってくる。するといよいよ釣るものもなくなってくるので「春が来るまでは釣りは一休みするか」となる。こたつに入ってぬくぬくしながら冬を過ごそうじゃないか。そんな気分になるのだ。

…でもまだあった。冬に出来る釣りがまだあった。しかも「これぞ冬の釣り」と呼んでしまいたくなるような釣りが。ポップで刺激的なあの釣りが。


今回はアイスフィッシングについて書きたいと思います。アイスフィッシングとは凍った湖の上でドリルで穴を開けて釣りをするというもの。ターゲットはブルックトラウトと呼ばれる岩魚(イワナ)の一種。同じくシアトルに住んでらっしゃる料理人のおいかわとっしーのさんに連れて行っていただきました。こちらの記事に書いてある手順に沿って手取り足取り教えていただきながらの釣りでした。

釣りに訪れたのは3月某日。これがまあ刺激的な釣りとなりました。写真をふんだんに使いながらさらっとご紹介していきまっす〜。

釣り場所

アイスフィッシングをする場所はDog Lake (ドッグ湖)と呼ばれる湖。シアトルの中心部からは車で約3時間といったところ。"シアトル富士"とも呼ばれる大きな山 "マウントレイニア"の裏側まで車を走らせる。3時間って長いなと最初は思ったけど、シアトルでの暮らしについてあーでもないこーでもないと話しているうちにあっという間に着く。

Google Mapより。右下の「ドッグ湖」が今回の目的地

前日に釣り場所の近くで泊まって、翌朝早く起きて釣りをするというプラン。前夜祭をしよう!うまいビールでも飲もうじゃないか!ということになり近くのブルワリーで生ビールを買っていってロッジの中で飲むことにした。

ブルワリーの中はウッディーでフォーキーな感じ。「アメリカのブルワリー」と言えばこんな感じであってほしいという希望を見事に体現している。山の近くに来たらこういうところでビールを飲むたいものですよね。

おしゃれで可愛いビール屋さん
生演奏のフォークソングがこれまた染みる
メニューにはすべて地元で作られたクラフトビールが並ぶ

泊まる場所

ビールを買った後に宿泊先へと向かう。山の中に開けた場所が見えてきたと思ったら、そこには可愛いデザインのロッジがいくつも並んでいる。

荷物を解いて宴の準備に。今回一緒に行ったのが料理人の仲間だったこともあり、手持ちの料理がうなる美味さだった。買ってきたビールとの相性も抜群でゴクゴク飲んでしまう。みんなフラフラになるまで飲んでしまったのは今振り返ればやり過ぎだったけれど(笑)。

1家族1ロッジみたいな感じで泊まれる
部屋の中は小洒落ていて可愛い
前夜祭はロッジの中で楽しくおいしく

レッツ、アイスフィッシング!

いよいよ、肝心の釣りの話。翌朝6時に起きて日の出の7時半ぐらいには釣りを始められるように準備をする。

釣り場の湖まで移動する。周りはどう見ても雪山なので「あれ、スキーしに来たんだっけ?」と一瞬錯覚する。実際にこのあたりはスキーやスノボをする人も多いとのことだった。

周りは一面の雪

一行は釣りの道具を背負って釣り場所へと歩を進める。大きな山の前に広がる雪原。実はこれすべて湖なのだ。全部凍っていてその上に雪が積もっているのだ。なんだかにわかには信じられない光景。釣りをする前にここで「おーーー」と声を漏らしてしまう。

凍った氷に穴を開けるとなると「氷が割れて湖に落っこちたりしないかな…?」と心配していたけれど、湖は何メートルにも渡って凍っているらしい。「これはちょっとやそっとのことじゃ湖の中に落ちるということはなさそうだ」と安堵する。

凍った湖の上をてくてくと進む

釣り場所まで辿り着くと今度はテントの設営へと移る。といってもパッと開いてさっと設置できるようになっている。キャンプをしているような気分だ。

テントを設置したら今度はその中に釣りをするようの穴をいくつか開ける。電動のドリルでゴゴゴッと穴を開けると下から冷たい湖の水が噴き上がってくる。そこまで出来たらあとはイスを並べたりストーブを置いたり。見るからに寒そうな釣りだが、釣り人はスキーウェア一式を着ている、かつこの日は天気が良かったのでぜんぜん耐えられる寒さだった。

じゃーん。テントを張るだけでなんだかワクワク。
ドリルで氷をゴゴゴッ!
穴を開けてイスと釣具を用意したら準備完了

仕掛けはとてもシンプル。短い竿に小さいおもりをつける。エサは用意していたミミズを小さく切ってつける。そこまで出来たら穴の中に仕掛けを落とすだけ。

いよいよ釣り開始。さて釣れるかしら?

穴の奥に魚がいるかな?ワクワクが止まらない。

この日はなかなか魚の食いっぷりが良かった。釣りを初めて早々にあたりが来る。短い竿の先がコンコンと反応したら魚が突いている証拠。そのあたりに合わせて仲間の二人はどんどんイワナを釣り上げていく。ぼくは初心者ということもあってなかなか釣れない。簡単そうでいてこの釣りは魚をかけるのが結構難しいのだ。うまく合わせないとエサだけ取られてしまうという格好わるいことに。

しんぼう強くエサを穴に落とし続ける。すると竿先が一気にぐにゃんと曲がり、グググッという強烈な引きが!イワナってこんな重い魚なのかとびっくりしながら必死に引き上げる。すると勢いよく穴から魚がすぽんと飛び出した。感動の瞬間だ。

キラキラと光る魚を氷の上でじっと見つめる。

でも。あれ、イワナってこんな感じだっけ。

と思っていると「お、ニジマス釣れたね」と隣から一声が。

アイスフィッシングの記念すべき1匹目はニジマス!

そうです、なかなかのサイズのニジマスが釣れたのでした。これがとても美しい。シアトルの湖には確かに至る所にニジマスがいるので、釣れたのもなんだか納得した。

その後釣りを続けているとあたりはどんどん来た。横で釣っている仲間はどんどん釣り上げていく。ぼくはいつも魚を逃してしまいその度にガックリくる。

釣りを始めてから2時間ほど経った頃。ようやくぼくもコツを掴んできていた。ググッと来たところを早めに合わせてみる。すると確かに魚がかかった手応えが。スピーディーに巻き上げると3秒もしないうちに美しい魚が穴からぽんっと出てきた。

イワナだ。

待ってたぞーーー。わざわざシアトルから3時間かけて前日から乗り込んできたのはこのお魚に会うためだ。感動もひとしおである。

体には美しい斑点模様があり、太陽の光に反射してキラキラと光っている。ニジマスがゴージャスで煌びやかな美しさだとしたら、こちらはおしゃれで品のいい美しさといったところか。どちらも生きる宝石のようだ。こんな美しい魚を見れるだけでもここまで来た甲斐があるというものだ。ほんとにキレイなのだ。

とてもキレイなイワナ

その日は14時まで釣りを続けて結果的には3人で合計27匹。イワナが25匹でニジマスが2匹という内訳だ。釣れるときは40-50匹とか行くそうなので、今回はまずまずの結果だったみたい。でも数はそんなに気になることもなく、何よりもこの大自然の中での釣りが出来ただけで大満足だった。湖に開けた穴から魚が飛び出してくる様を見ているだけでなんだか笑ってしまうようなポップでハッピーな釣りだった。

雪の上に並べてみる…それだけでなんだか嬉しい(笑)。

イワナもニジマスも家に持って帰って美味しくいただいた。塩焼きにしたり天ぷらにしたり。湖の水がとてもキレイなこともあって魚の味も新鮮で格別。

イワナは捌いて塩ふってシンプルに焼いてみました。ナチュラルな味で大満足。

なかなかエネルギーを使う釣りだったので帰りの車でぼくは爆睡。準備から釣り終わるまで色々と工程の多い釣りではあるけれど、そんなことも気にならないぐらい思い出になる釣りでしたとさ。

今日はそんなところですね。

それではどうも。お疲れたまねぎでした!

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