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【体験談】病院薬剤師の夜勤・当直業務:業務内容から給料までの全てを解説

 こんにちは😄
 皆さんは薬剤師にも夜勤(当直)業務があることをご存じでしょうか?
 「薬剤師が夜勤して何してるんだろう?」
 「忙しいの?」
 「手当はどのくらいなの?」
 などこれから薬剤師を目指す方にも気になる内容かと思います。
 特に学生さんが病院を考える時、夜勤業務はしたくないというかたもいるでしょう。お金がもらえるなら・・・と思う人もいると思います。
 今回は僕の経験を含めて病院薬剤師の夜勤業務についてお伝えしていきます。

1.病院薬剤師の夜勤業務とは(当直との違い)
2.実際の業務内容
3.忙しさ、実際の状況
4.お金・手当内容
5.体験談・事例紹介・質問等


1.病院薬剤師の夜勤業務とは(当直との違い)

 まず病院には夜勤業務当直業務がありその違いからお話していきます。
 実は僕の病院では数年前まで当直業務でしたが、夜勤業務へと変わりました。
 大きな違いは勤務時間の長さです。
 当直業務は、病院に泊まり込む形で、基本的には休みであり、仕事があればそれに対応することを指します。なので朝から日中は通常業務をこなし、通常業務後はそのまま業務を継続します。当直勤務の労働時間は法定労働時間に含まれず、その代わりに当直手当が支給されます

 夜勤業務は、日中と同じ内容の業務を夜間にも継続して行うことを指します。ただし業務自体は通常業務を行っていた人と変わる形で行うため、夜からの仕事になります。夜勤は労働時間が法定労働時間に含まれ、深夜割増で25%の時間給アップがあります。

 もっとわかりやすくお伝えすると勤務時間は当直は朝から翌日の朝まで約24時間、夜勤は夜からの勤務から朝までで約16時間。
 ただし勤務内容は当直は有事の対応、夜勤は通常業務という形です。

一方、。具体的な業務内容としては、入院患者への薬の調剤、監査、疑義照会、病棟への払い出し、外来患者の調剤、監査、疑義照会、服薬指導、吸入指導、医師からの薬の相談、緊急時薬剤調達、急変、急患患者への対応などがあります。


2.業務内容

 つづいて業務内容についてお話しします。
 病院薬剤師の夜勤・当直業務は、主に以下の5つです。
・入院患者の緊急時の処方の調剤
・入院患者の点滴調剤
・緊急時の出庫対応
・看護師や医師からの相談対応(一部時間外の院外薬局からの相談対応)
・救急外来の処方対応

 夜間の入院患者への処方は緊急なものが多いです。例えば眠れない患者への眠剤や、便が出ない方への下剤、脈を下げる薬剤などなど多岐にわたりますが、薬剤が多い処方を調剤するのは少ないです。
 ただしたまに大量の処方や軟膏のミックスなどが来ると、不運だなーと思います。
 当然ですが、夜勤業務は1人なので基本的にシングルチェックとなります。急ぎでないものは翌日朝勤務に来た人がチェックします。
 シングルチェックが不安で夜勤業務をしたくない人も一定数いますね。

 点滴は内服とは異なり大量に出ることもあります。これは夜間に重症で入院した患者には輸液類で対応が基本となるためです。緊急度が高くこちらの方が急ぎで使用したいと連絡が来ることが多いかと思います。

 緊急時の出庫対応は、夜間医師は全員対応できるわけではないので、指示を残しています。例えば不眠の場合眠剤(具体的な薬剤名)1錠使用といった形で指示を出しています。それに沿って看護師が薬を取りに来た時の対応をします。

 続いて相談対応ですが、これは基本的に看護師・医師が多いです。相談内容として看護師は、点滴の配合変化、薬剤の詳細についてなどがあります。医師からは持参薬切り替え時の薬剤の選択や、抗菌薬選択に対する相談などがあります。その他処方が入力できないなどトラブル対応も多々あります。
 また時間外の院外薬局からの問い合わせなども対応しています。

 最後に救急外来の処方対応ですが、救急外来で来た患者で軽い症状の方は帰宅します。その時に出た処方は院内で調剤して払い出します。直接患者とお話しするので患者・患者家族からの相談対応もあります。
 僕の病院は対応していますが、遅くまで院外薬局が営業している場合や院外薬局が持ち回りで夜間対応している場合はやっていない病院もあります。


3.忙しさ、実際の状況

 これから病院薬剤師をしようという方は、忙しさなどは気になるところかと思います。大前提として病院ごとに違いはあることは了承してほしいですが、僕の病院は忙しいです。もちろん時間帯にもよりますが・・・
 
 まず当直業務だったころの話をしますと、最初にお話しした通り本来当直業務は有事対応。(本当かは知りませんが)聞いた話だと業務時間の2割の業務でいい、電話対応だけでいいというのが当直らしいのですが、そんなことはありません。
 夜勤に数年前からなりましたが、業務量はほとんど変わってないです。というより業務量が当直業務の量に合わないから夜勤化したという方がただしいでしょうか。
 
 まず手術・カテ・内視鏡など日常業務が終わった医師の処方入力、早く帰りたい看護師が処方入力を医師へ依頼・できているかどうかの薬剤部への確認電話などなどが大量に来ます。この対応で開始時間は多忙です。この中で医師からの相談や、たまに院外薬局から問い合せが来ると本当にやばいです。これが大体8時から9時くらいまで続きます。
 
 そこから夕ご飯を食べ始めますが、大体食べてるか、食べる準備で電話で呼ばれます。アンサングシンデレラ(病院薬剤師の漫画)でもありますが、カップ麺は基本伸びます。僕はカップ麺食べるのやめました。というくらいなぜか食べ始めると電話で呼ばれます。
 
 10時~2時頃は救外対応が多いです。僕の病院は平均10件/日ですが、20件くらい来るとかなりきつい。こればかりは運ですね。僕の最高は30件/日ですが、先輩は80件/日というすごい日もあったとか(主にインフルエンザ)。あとは救急外来でもただの痛み止めだけの人もいれば、小児科で粉や液剤が大量に出たりすると大変です。あんまり遅いと催促の電話が来ることもあります。ひどいと薬もらわずに帰ってしまったなんてこともたまにあります。

 2時過ぎは仮眠を適当に取りますが、我々には決まった休憩時間がありません。例えば看護師は3~4人で夜勤を交代し、休憩しますが、薬剤師は基本1人なので電話が鳴ったら対応です。なので15分おきに起こされたりする日もあれば長く眠れる時もあります。

 朝方は片付けや、日報作成などを行い。朝同僚が出勤してきて朝礼で夜間の報告等が終わったら終了です。

 どうでしょうか、これを忙しいととらえるか、忙しくないととらえるかは人それぞれかと思いますが、人によっては空いた時間に別の業務や病棟担当者は病棟業務を行うこともあります。
 また友人の例でいうと数年前ですが、友人の勤める病院が当直業務を始めたそうです。その時の業務は電話が2~3本くるくらい、救外・処方ほとんどなしだったそうです。次に手当の話もしますがかなりうらやましい内容です。


4.給料・手当

 続いては手当ですが、当直と夜勤で異なります。当直は当直手当、夜勤は深夜割増料金25%分が夜勤手当としてもらえます。
 自分の病院は薬剤師への対応が非常に悪いため手当が法律上の最低ラインレベルらしいです。
 気になる実際のお値段ですが、当直の時は大体8000円。夜勤は7000円くらいです。当然ですが、年齢や基本給で上がります。
 これが月に2回程度ある様な感じです。これを多いと取るか少ないと取るかは人それぞれですが、個人的には少ないです。
 やはり夜間の仕事は生活リズムも崩れるし、特に女性は体調を崩す方も多いです。感覚的には寿命削ってるなーって感じです。
 それでこの手当だとやや少なく感じてしまいますね。
 ちなみに先ほどお話しした友人の病院は当直ですが手当のこの倍近くもらっていたという話を聞いて衝撃を受けましたね。
 当然ですが、地域や病院規模、薬剤師への処遇の良さなどで手当は大きく変わります。
 もしこれから病院へ勤めようという方は是非手当の額なども参考にしてください。

 

5.体験談・事例紹介・質問等

 最後に事例やよくありそうな質問等をお伝えします。
 僕が困った事例としては、新人の時に医師から抗生剤の選択や投与量を聞かれたときです。1人しかいないので相談もできないので焦りました。その時は先輩にLINEで相談しましたね。どうしようもない時は先輩を頼ります。
 
 次に機械トラブルです。これが薬剤師が恐れることですが、夜間帯の機器トラブルは本当に困る。僕が経験した中でも散剤分包機が動かないや、コピー機が動かず処方箋が出てこない。注射のラベルが出てこないなどなどありました。大体何とかしようと色々いじって治ればいいですが、どうしてもだめな時は業者に連絡して緊急で来てもらいます。

 あとは僕は経験していないですが、救急外来など対応している間に患者が薬剤部に入っていた。看護師の子供が薬学生だから試験問題の相談が来た、看護師が眠剤(おそらく自分で飲むよう)を取りに来た。などなどいろんなことがありました。
 後々聞くと面白いですが、自分がその場にいたら絶対に嫌だなってことがよくありますね。

 
Q.いいことはないんですか?
A.当直はないですが、夜勤は業務カウントなので、日中は休んだり遊びに行けるし、元気があれば夜勤終了後遊びに行けます。

Q.当直・夜勤は時間通りに終わりますか? 終わらない場合残業代はつきますか?
A.病棟担当者で退院患者がいる場合などは残ることもあります。ただし残るかどうかは担当者次第。割り切って帰る方もいます。
 残業代は当直は出ませんが、夜勤では出ます。

Q.シャワーは浴びれますか?
A.シャワーを浴びたい、シャワーを浴びれないのはいやだという方もいるかと思います。僕の病院はシャワー室があるので入れますが、浴びている間に電話が来るといやなので僕は浴びません。帰ってからお風呂に入ります。浴びるという方もいます。

Q.定年までやめられないんですか?
A.病院ごとに違いますが、僕の病院は45歳くらいまで(やりたい人は続けられる)。

Q.寝過ごしたりしないんですか?
A.あります。僕はないですが、ごくまれに朝人がきて目が覚める場合や、寝てて電話に気づかなかったこともあります。

以上になります。
良ければご参考頂ければ幸いです😌


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