見出し画像

受け継がれる『めんこい』精神

お義母さんから、おやつをご提供いただきましたー。命綱、大好物をありがとうございます♪

今日は、大好きな祖母との思い出シリーズ①です。

秋田に住む祖母は、いつでも私に会うと『めんこい』『めんこい』と目を細めて繰り返し、言う人でした。『めんこい』とは秋田や東北の(北海道も?)地域では『かわいい』という意味で使われます。赤ちゃんや小さい子に対して、使うことが多いようですが、祖母はどんな時でも『めんこい♡』と言葉にします。それも、何度も何度も、嬉しそうに口にするのです。他のいとこ達や姉には言っていなかったので、祖母が60歳の時に誕生した、末の孫娘である私に《赤ちゃん》時代のイメージを抱き続けていたのかもしれません。

祖母から『めんこい』と言われると、本当に自分は『かわいい子なんだぁ』と思えるから不思議なものです。言葉の魔法ですね。

私が高校生の頃、祖母が横浜に遊びに来ていた時のことです。冬の寒い朝、登校時間は迫っているけど、『あと少しー』とリビングに持ち込んだ毛布に包まり、動き出そうとしない私に、イライラした母は『早く、行きなさい!』と言います。そんなこと、怖い顔をして言わなくても、私だって分かっているんですよ。でも、家を一歩出たら、外はもっと寒いし、電車とバスを乗り継いでの通学は大変なのです。『あと少しー』と時計を見ながら、許されるギリギリの時間まで、粘っていました。すると、隣に座って、のんびりとお茶を飲んでいた祖母が『かわいそうだこと。寝なさい。少ししたら起こしてあげるから。』と言って、私の頭を軽くなでました。私はすっかり、気持ちが良くなって『そうだねー。5分したら、起こしてねー』とそのまま、ごろりと横になり目を瞑ったのです。もちろん、本当に寝ようとは思ってはいません。ただ、ほんの一時でも、私に向けられたその優しさに甘えたかったのです。『めんこいなぁー』と呟く優しい祖母の声が耳元をくすぐります。駄目だぁー。本当に眠くなってきたぁー。

とその時、『ほら!5分、経ったから、起きて!遅刻するよ!』とイライラMAXの母の声が響き渡りました。夢うつつ、心地の良い時間はここでおしまいです。いつもより軽い足取りで学校へと向かう途中、ふと『おばあちゃん、叱られなかったかな?』と心配になりました。そんな調子で、祖母は私が大学生になっても、結婚しても、会う度にずっと『めんこい』と言い続けてくれたのです。

時を経て、私は娘に『可愛いねー』とよく言うお母さんになりました。しょっちゅう言います。逃げられても言います・笑。『でもね、お家の人から、可愛いって言われたことないってお友達もいるよ』とある時、娘が教えてくれました。その子は『自分なんて、可愛くない』って時々、口にするそうです。そうなんだ…。

私は、本当に『可愛い』と思うから言葉にします。しかも、これでも、かなり抑えている方で、口に出すより、脳内で(可愛いー♪)と呟く回数の方が断然、多いです。教室のお子さん達も皆、『可愛い♪』もちろん、男の子は嬉しくないかもしれないので、『可愛い』を別の言葉に変えて伝えます。後から、お母様と『可愛いですね~』とお喋りが弾みます。そして、近頃では、『モアーー。可愛いねーー』『モアは何でそんなに可愛いの??』とついつい言葉にしている自分がいます・笑。だって、本当に可愛いんですよ。私を見つけると、ピロピロと小さなヒレを動かして、泳ぎ寄ってくる姿は、愛らしい以外の何ものでもありません♪

亡き祖母から受けた《めんこいシャワーの精神》はどうやら、私にも宿り、受け継がれたようです。今は私が、『可愛い♪』を連発する側になっています。私の子ども、ペット、生徒さんになった際には、例外なく、私からの溢れるほどの『可愛いね♪』が待っていますよ。私にとって『可愛いね♪』は、愛を伝える手段の一つです。これからも、《めんこい》精神で、可愛い、可愛いと、人や生き物を育てていきたいと思います。

髪を切っても染めても、メイクを変えても、新しい服を着てても、家族からは何も言われない私にも(おーい!見えてますか~?)いつも会うたび、『可愛い♪』と言ってくれる友だちとママ友がいます。きっと、彼女達も『可愛い♪』の使い手なのでしょう。私にとっては、国宝級に大変貴重な存在なので・笑。これからも仲良く、その友情を大事にしてきたいと思います。ラッタッタ♪

それでは、次回もどうぞお楽しみに。


この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

チョコレートジャンキーなtomo茶をおやつで応援♪板チョコ1枚分(100円)からのおやつサポーターを募集します!執筆の源。チョコで応援、よろしくお願いします♡