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季節を楽しもう 〈穀雨〉

今日は二十四節気のひとつ「穀雨」です。気温が上がり、雨が降って穀物を潤すこの時期は、種まきに良い季節とされています。

七十二候では、葭始生(あしはじめてしょうず)霜止出苗(しもやんでなえいづる)牡丹華(ぼたんはなさく)と表現されています。草が力強く芽を伸ばしている様子が目に浮かびます。

旬のものには、新ごぼう、新茶、アジ、サザエなどがあります。山吹や牡丹が見頃を迎え、ツツジも咲き始めます。

穀雨の頃は、ヨモギで草団子を作るのも楽しみのひとつです。ヨモギは「ハーブの女王」と呼ばれ、昔から世界各地で親しまれてきました。日本でも、お茶や薬草風呂、民間薬のみならず、葉や枝先は「艾葉(がいよう)」という生薬として、また葉の裏の細かい毛はお灸の「もぐさ」として利用されていています。ヨモギには身体を温めたり血を止める効果があります。クロロフィル、ビタミンK、食物繊維などの栄養分が豊富に含まれていて、デトックスや美容効果も期待できるそうです。古代から婦人科薬としても使われており、ヨモギ属の学名のArtemisia (アルテミシア)は、ギリシャ神話の月の女神アルテミスより名付けられています。

草だんごを作るとき、ヨモギは裏の白い柔らかな新芽を選んで摘み取ります。丁寧に洗ってから、茹でてアク抜きをします。春先はアクが比較的少ないので、塩をひとつまみ入れたお湯で湯がくだけでも大丈夫ですが、少し育ったヨモギを使う時や湯がくだけではアクが気になる方は、重曹で煮ても良いでしょう。茹で上がったら冷水にさらして水気を絞り、包丁でみじん切りにするか、すり鉢やフードプロセッサーで潰します。これをお餅に混ぜ込むと草もちに、白玉粉に混ぜると草団子になります。余ったヨモギは薄く伸ばしてラップなどで包み冷凍しておくと便利です。ヨモギ薫る草団子で春を楽しみましょう。

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