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孤独癖

会社に勤めるようになってからもうかれこれ4年以上になるが、
日増しに自分が阿呆でつまらない人間になっているような気がして、
仕事も特に面白いということもなく、本当に困っている。

私は小さい頃から図書館とか静かで人がいない空間が好きで、自然と一人でいることが多い子だった。
幼稚園・小学校・中学高校と、特に他者との交流みたいなものが生きていく上で必須な状況になることもなく大学に入り、大学は幸いにも自分の周りは真っ当で人間的に成熟した優しい人ばかりだったから、そこで必要な会話や議論で特に自分ではどうしようもないような状況に出くわすこともなく社会に出てしまった。

そうして致し方なく社会に出てみると、本当に理解しづらい状況があまりに多いことに心から驚いていて、本当に困っている。
そして、最近は、この自分が抱える困難さが一生続くものであることを心得始めて、どうにも取り返しのつかない人生の道の歩み方をしてきてしまったように思えて、苦しさが増すばかりだ。

会社には、長く勤続する中でどういうわけか大きな利権を手に入れた、仕事のプロセスにやたらと意味もなく登場し特に意味のある影響を齎さず邪魔だけをする偉い人がたくさんいる。
そういう人たちの面子を立てながら、裏で根回しして、なんとか合意やGOを取り付け、結果として良かった点は偉い人に献上し、悪かった点は自分が責任を負うという献身性が偉い人から求められたりしていて、
そういう事態を客観的に認知してしまっているから、全く非効率で無意味なプロセスだと分かっているにも関わらず、現状その構造を今すぐ変えられる訳ではない従順な奴隷ポジションの自分は、そうしなければ仕事が進まないと理解しているので、なんでこんなことに無駄に時間をかけて、不条理に謝ったり感謝の念を述べたりしながら過ごしているのだろうと思いながら、不必要な打ち合わせをしたりして1〜2週間が経過していくと、絶望的な気分になる。
もし私に養うべき命があればそんなふうには感じないのだろうか。

一人で解決できない問題では、ゴールに最短距離で行けないという難儀な事実はなんとか理解できるようになってきたものの、やはり、理解できない言葉を話し、理解できない行動をとるたくさんの宇宙人たちと一緒に働いていると、得体の知れないしんどさがずっと体に取り憑いて、地面にめり込んでいきそうな毎日に感じられてくる。
彼ら宇宙人からしたらこちらが宇宙人なのだろうから、私は私の星に行くべきなのだが、私の星はどこかに存在しうるだろうか。

病院では、いつも帰り際に先生が「死にたいとか思ってないね?大丈夫だね??」と念押ししてくるから「はいはい、大丈夫です。ありがとうございました。さようなら。」と言って診察室を出るが、この質問を聞くといつもモヤッとした気持ちになる。

臆病者なので死にたいとは思ったことがないが、「明日を生きるモチベーションや生きていく理由、死なない理由が欲しいけど、本当にそれが見つからなくて、こんなふうに頭も心も体も弱ってるのになんで今そんな聞き方で声をかけるの?」と答えたい気持ちに一瞬なるが、もう立ち上がっているし帰りたくて仕方ない気持ちが上回って本当の返事をかき消すからだ。


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