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愛ある映像化に脱帽【#アニメ感想文】

きっかけは、親知らずを抜いた後、痛み止めと抗生物質を処方してもらうために入った、薬局だったのだ。

張ってあった1枚のポスター。
電子処方箋普及のため、アニメとタイアップしたポスターだそう。

       画像は厚労省のHPからお借りしました

「これ、毒です」
って、薬局でヤバいでしょってのが第一印象。

ライトノベル小説、日向夏・著『薬屋のひとりごと

のアニメだというのは知っていた。
超人気作だしね。
Web小説で人気を博し、書籍となり、コミカライズ作品も2種類あるという。

知り合いの娘さんも、この作品きっかけで
「私も薬剤師になる!」
と息巻いているとか、いないとか。

そんな人気作がついにアニメとなり、友人にも
「薬屋さん、面白いよー」
と薦められていた。

親知らずを抜いて、地味に痛さが残る日々(いや、全然軽症なんですけどね)、なかなか本を読む気になれず、アニメを視聴した。

…結果、めっちゃ面白い!

中華風の架空王朝が、物語の舞台。
花街で育ち、薬屋を生業とする少女・猫猫(マオマオ)が、何の因果か後宮に売られ、数々の事件に巻き込まれるというお話。

まぁまぁヘビーな境遇だけど、主人公に悲壮感はない。
2年も立てば年季があけ、実家に戻れると知っている賢い娘だ。賢いというべきか、諦観というか…。
とにかく、それまでは"目立たずおとなしく"がモットーで、基本、無表情な彼女。
だがひとたび何かあると、誰かのために行動を起こす姿がカッコいい。

テンポのよい展開、主人公以外のキャラクターたちもくせもの揃いで、コミカルなやりとりあり、シリアスな事件ありで、先が気になるつくり。
1話1話があっという間に終わって、「え、ここで終わるの?」と毎回、次週が気になる見事な引き。
うまいなぁと、毎度唸らされた。

アニメの「え、これどういうこと?」を補完したくて、原作小説を読んだり、考察動画見たり。
ネットで自分以外の方の感想を読んで、共感したり。
アニメを視聴する以上の楽しみがあった。

何かにハマるなんて、いつ以来だろう。

自分の子どもの頃って、好きな作品にハマっても身近な人がその作品に興味がなかったら、もう共有する手立てがなくて、孤独だった気がする。
作品が終了した後、「ホントに終わっちゃったの!?」って、しばらく衝撃から抜け出せなかった。
今でいう○○ロスってやつだと思う。

でも今は知らない誰かと、ネット上で「面白かった!」を共有できたり、「2期待ってます」とか期待感を保てたり、いい時代だなーって思う。

アニメの制作者側のインタビューで、「ターゲットは老若男女」って書いてあって、まんまとやられたなーと感じた。

制作するスタッフさんやキャストさんが、作品を愛しているのが、すごくわかる。
原作をリスペクトし、0から1を生み出すことの難しさを知っている。
映像の美しさも、目が疲れないようにって高齢の視聴者をもターゲットにした配慮なんだって。


少し前、マンガがドラマ化されたことを巡って、悲しい事件が起こってしまった。
周囲でも評判がよくて、楽しみにしてたドラマだった。
おそらく「視聴率がー」とか「スポンサー受けするにはー」とか忖度が入って、ドラマに脚色が加えられたのだろうか。
映像化って、いろんな人の思惑が交錯して難しいとは思うのだけど。
でもでも。
メディアミックスする際に、原作と原作を愛する人にリスペクトがあったら、あんな悲しい結末にならなかったんじゃないかなぁ。と考えずにはいられない。
素晴らしい映像化を視聴したから、なおさらそう思う。

アニメ『薬屋のひとりごと』は、既に2期の放映が決定している。
何度も見たくなる仕掛け。
解決してない謎が、いくつもある。
とりあえず2期の放映までに、原作を先まで読むか、悩むところだ。

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