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ほろ酔い、ゆったりした気分で過ごす読書時間

最近、読書にハマっている。
以前から趣味の1つに読書を掲げてはいるが、読まないときは半年以上読まないし、その時の感情や気になるものに自分の読むものが左右されやすいので、「どんな本が好きか」という質問にうまく答えることもできず、あまり人前では読書好きを公言していない。

そんな私が、改めて読書にはまったのは、自分自身の「読書の何が好きか」について腑に落ちる回答を見つけることができたからだろう。
それを見つけることで、読書を今まで以上に楽しむことができ、読書の時間が愛おしくなったのだ。

元々、私は人と関わるのが少々苦手な体質である。
これを言うと周囲からは懐疑的に思われる。
周りの人にとって私は、
「人と話すのが好きで友達が多そうな、どこに行ってもうまくやっていける人」
であり、実際、誰とでもそれなりにやってはいけるのだが、「それなりにやっていく」ために、実は相当なパワーを使っているようだ。専門家いわく、尋常じゃない緊張の糸を、ずっと張り続けているらしい。

そんな私なので、読書の時間というのは、一人の時間を作ることができる、貴重なリラックスたいむである。
よく「寝る前に本を読むと目がさえる」という人がいるが、私の場合、本を読まないと寝られない。

また、本の世界に没入することで、作者や主人公たちの経験や思考、知識を疑似体験することができる。
本を読むことで、誰かが作った世界を受け身的に妄想することができ、それによって得られた知識を自分の財産にすることができる。
以前、仕事で16進数の話があり、みんなが「?」となっていた中、文系の私が普通に話を聞くことができたのは、間違いなく森博嗣さんの『すべてがFになる』のおかげだ。

かといってすべての本が自分の知識になるわけでもなく、タイトルを聞いても内容が思い出せないどころか、読んだかどうかさえも思い出せない本もたくさんあるが…。

本を読む場所などにも少々こだわっている。
図書館などの静かな場所は苦手。電車やカフェなど、多少ざわついている空間のほうが集中できる。
家にいるときも、音楽か動画サイトなどで、何か音を出し続けている。

テーマパークの年間パスを持ってた頃は、読書のためにパークに行っていたし、ハワイのビーチで、日本人作家の推理小説を読んでいることもあった。

その中でも一番好きなのは、一人お酒を飲んでほろ酔い状態で読む時間だ。
いつもより大胆に没入できる。
それに、文庫本片手にお酒を飲む自分が、なんだかかっこよく思える(笑)
ちょっと知的な女性、とか…。

社会派エンターテイメント小説を読むときは、ビールが合う。
少し苦目で、現代日本への疑問を投げかける作者の辛口な意見が入った小説には、同じく少々苦目の生が良い。

軽いタッチのエッセイには缶チューハイがいい。
ふわっと甘みのあるテイストが、作者のウィットに飛んだ語彙を際立たせてくれる。

安野モヨコさんの新作エッセイ with 氷結

ビジネス書にはウィスキーソーダ割りが似合うだろう。
ジョッキではなくクリスタルガラスのタンブラーが、よりできるビジネスパーソンを演出できる。

飲むお酒によって読む本をチョイスする、そんな粋な『上級読書好き』のようで、なんだかカッコいい。

自分にとって読書とは、日々人との関わりに緊張の糸を張り続ける自分の、数少ない自己陶酔の時間なのかもしれない。

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