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カメムシとの戦いに終止符を打つために。

先週のことである。玄関をドアを開けるとカメムシの死骸が転がっていた。最初はかわいいものだった。毎年、なんだかんだ自宅マンションの廊下で1匹や2匹ほど死骸が転がっていて、秋の風物詩のようであった。日が経つにつれて廊下、特に自分の部屋の前だけ死骸が集まっているのであった。
「何かがおかしい……!」ふと、見上げてみると、鳥肌が立ち表情が硬くなる感覚を覚えた。それもそのはず、ちょうど蛍光灯が自分の部屋の真下にあり、いつ落ちてきてもおかしくないようなほどカメムシが集まっていたのだった。
朝からゾッとした月曜日のはじまりだ。
ちょうど、Xのタイムラインでもカメムシの大量発生したニュースが流れてきたのもあって、その出来事が自分に降りかかるとは思わなかった。
ここのところ、気合いを入れなきゃいけないのは、朝玄関から出るときと仕事に帰ってきて自宅マンションのエレベーターに乗ったときだ。視界にカメムシはいないか。目を張り巡らせる。「いないよな……」と、ホッと胸を撫でおろした。どうしてこんなにもカメムシ如きにビクビクしているのか。
冷静に考えると、何かがおかしい。また自分の部屋の前の廊下だけにやたらと集まるというので、なんでやねんとか思い、
「やらなければやられて、やられたからやって、それで平和になるのかよ。」とか某アニメのセリフのオマージュみたいなことになってしまっているのだが、今、対策をしなければ取り返しのつかないことになると考え、すぐさまAmazonを開き、「ハッカ油 スプレー」と光のような速さで入力をしていた。
リアルタイムに情報を収集する上でXの情報は鮮度抜群なのである。今年はカメムシに関してのことが大いにつぶやかれていて、みんなその対策に躍起になっていた。自分だけではない。戦っている友は数多く存在していた。

「それでも!守りたい世界があるんだ!」という意味だと自分は解釈した。

奴らが寄り付くであろう場所に原液で吹きかける。
小さい頃、サクラ式ドロップでハッカ味が出たときはスーっとする味で、どうしてこの味を混ぜたんやろうか。と子どもながら思い、今こうして助けを乞うているのか。人は変わる。そして自分も成長したのだ。あの頃の自分ではないと。

自宅がハッカのにおいで充満した。やはり原液はとんでもなく効いているように感じた。玄関が一気にハッカに包まれる。守護神である。ついでにベランダの網戸にも吹きつけた。思いのほか部屋に匂いが入ってくる。これもカメムシから身を守るためだと。戦いに勝つためには手段を選ばない。普段ツメの甘い自分がこんなにも本気になって自宅を守ろうとする自分が不思議な気分である。心なしが浴室まで匂いが漂っていた。

「え、そんなに原液って強いん……!」
ここで少しばかりの後悔。

現在、午後9時。

夜行性であるカメムシは自身の死のカウントダウンが近づいていることに気がついてないであろう。明日の朝、自宅から出るとき過ごしやすい朝だな。と思える未来を信じている。

「逃げるな!生きる方が、戦いだ!」と、毎日が戦いの連続である。

もし、近日中に僕と会うとき「なんかハッカみたいな匂いがするな」と思ったとき、カメムシと戦い続けているのだと温かい目で見守ってほしい。


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