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「ハードライフ」 フラン・オブライエン

大澤正佳 訳  文学の冒険  国書刊行会

辛い人生…


「ハードライフ」フラン・オブライエンの小説を読み始め。例の「ドーキー古文書」の作家。
「ユリシーズ」でも出てきたキューサックも再登場。語り手の兄は綱渡りで町の人を驚かせようと企むのだが…
(2008 02/04)

オブライエンの兄はやっぱりジョイスなのか?


昨日から読み始めた「ハードライフ」。弟の視点から語る。5才上の兄は綱渡り通信教育本を始めとして、次々となりすまし、でっちあげの本・パンフレット郵送商法で貯金を蓄え、ついにアイルランドを去りロンドンへと渡る。これってオブライエンの師?ジョイスへのオマージュなのか?、そういう読みは陳腐すぎるのかもしれないけど。
(2008 02/05)

弟もやっぱりジョイスなのか?


今朝通勤電車内で、「ハードライフ」を読み終えた。
解説読んで、霧がすーっと晴れました。なーるほど。語り手兄弟の育ての親、ミスタ・コロッピーの「企て」とは…(危ない、危ない…推理小説のネタ晴らしになるところだった。この小説読んでいる中で、それがわかったらたいしたもんだ。って自分が鈍いだけかもしれないけど…)
オブライエンも2冊目。あと「スウィム・トゥ・バーズにて」と「第三の警官」だな。長編は。同じ大澤正佳訳で翻訳されているらしいから、捜してみようっと。師、ジョイスの作品と一緒に… 
(2008 02/06)

補足:訳者大澤氏の著作「ジョイスのための長い通夜」から。

 一瞬の言葉のやりとりに、パン、パロディをはじめとする言語遊戯の秘術をつくす彼らの意気込みは、張り渡した綱の上で道化を演ずる名人芸の危険な、はりつめたおかしさを思わせる。そして道化の面の背後には、もはや歩行者の自然な足取りでは歩けなくなってしまった奇形の気むずかしい顰め面がある。
(p228)


「歩行者の自然な足取り」というのは英国の英語話者のような単一言語話者を言う。それに対しアイルランドでは二重言語化が主に19世紀に起こる。そいえば、オブライエンの「ハードライフ」は綱渡りの通信教育?が出てきて、カバーが綱渡りだったな。
(2021 01/12)

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