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文喫…入場料制本屋?仕事場?カフェ?(本屋巡り21)

六本木駅徒歩1分。元青山ブックセンター六本木店。
日販系の運営らしい。平日1650円、休日1950円?(値段は訪問時のもの)払って、お茶とコーヒー飲み放題。本・雑誌読み放題。本は硬派な選書なのがミソ。2冊以上同じ本は並べない。全て購入可能。
昼食やカフェメニュー有り。この日はあいがけカレー1050円。

読んだ本
「群像」(講談社文芸雑誌)
「ブルースだってただの唄」藤本和子 ちくま文庫
「世界の書店を旅する」ホルヘ・カリオン 野中邦子訳 白水社
「パリの家」エリザベス・ボウエン 太田良子訳(新訳) 晶文社
「史跡・都市を巡るトルコの歴史  古代から20世紀までの文明を探る」野中恵子

「世界の書店を旅する」

 そのふたつの国はおたがいへの郷愁を告白しているかのようだった。その郷愁が理解できるのは、オランダの大西洋岸に住む人びとくらいだろう。そこではベルリンから始まって無限に広がるかのような平原が神秘的な魅力を放っている。遅かれ早かれ、そこからふたたびなにかが出現するにちがいない。そのなにかはいまこの時点では理解できないが、すべての予想を裏切って、ヨーロッパの歴史をもう一度転換させるに違いない。巨大な陸塊がこうして転回し、滑り、西側の末端へ崩れ落ちる。まさに一枚のシーツのように。
(p90-91 セース・ノーテボーム「死者の日」より)


「サンチアゴへの回り道」での最後の描写を思い出す。西の海に流れていく陸という情景はノーテボームの固定観念なのかも。
それはともかく、「世界の書店を旅する」は、アルゼンチン人ホルヘ・カリオンが綴る、世界の書店を巡るエッセイ(実在する(した)書店が数多く出てくるが、書店ガイドではない)。最初はグァテマラの書店。人権侵害行為を告発した司祭への拷問致死事件の直後に来た「エル・ペンサティーボ」(考える人の書店)。

「ブルースだってただの唄」

ブローティガンなどの翻訳者として知られる藤本和子は、また聞き取り文学の、耳を澄ますことの達人でもある。
黒人女性を対象にしたものとして「塩を食う女たち」(岩波現代文庫)とこの「ブルースだってただの唄」。それに「女たちの同時代 北米黒人女性作家選」(全7巻)がある。
ウィスコンシン州で臨床心理医のジュリエットとその周りの女性たちに焦点を当てた第一章は「たたかいなんて、始まってもいない」と題されている。

 われわれ黒人がアメリカの地において異族であるというのなら、このまま異族でありつづけよう
(トニ・モリスン)
 もっとも戦慄すべき側面は、わたしたちがこの社会の主流文化の側に移動したときに、ぽっかりと口を開けて待っている空隙を見ることだと思う。
(トニ・ケイド・バンバーラ)
(p14)


「パリの家」

パリのアパートで留学してきた少女達を世話してきた夫人、アパートに寄る少女達、そしてそんな一人の少女が成長して産んだ息子がこのアパートで母を待つ…とだいたいそういう話らしい。

「史跡・都市を巡るトルコの歴史」

今回は野中氏多し(笑)。ルーム・セルジュク朝は本当に東から来たトルコ系なのか。とか、コンヤのルーミー、メブラーナ(これもルームと同じくローマの意味)教開祖の異教徒受け入れの姿勢など。
(2021 08/30)

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