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『蜘蛛女』

M字開脚したり、しょっちゅうパンツを見せるハスキーボイスの野太い声が強烈なロシア美女で殺し屋のモナ(レナ・オリン)に、「女好きのロミオ(色男)」の異名を持つダメ男で汚職刑事のジャックが、破滅を感じながらも強烈な色香を放つ危険な美女モナに翻弄されていく様子が見どころです。「女好きのロミオ」がモナに関わって「血塗れのロミオ」になることから原題の映画タイトルは「Romeo Is Bleeding」ということなんですね。セクシー&バイオレンスが詰まった映画で90年代一押しのフィルムノワールです。(1994年日本公開)

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 物語は、小さなダイナーの店主を勤める主人公ジャック・グリマルディ(ゲイリー・オールドマン)ことジムが誰かを待ち続けながら、5年前を回想するかたちで物語は始まります。5年前、年収4万ドル程度のニューヨク市警の万年巡査部長だった働き盛りのジム(撮影時35歳)は、マフィアに内通し情報を売って得た大金を家の裏庭の地中に隠し持つ汚職刑事でした。

 ジャックはFBIが証人として保護していたマフィアの大物ニック・ガザーラの居場所をマフィアに密告して報酬を得ましたが、内通しているマフィアと敵対するロシアの殺し屋モナがニック・ガザーラを殺害してしまいます。逮捕されたモナをジャックはFBIに護送する途中、ついでにセックスしようとするけど未遂に終わります。
 モナの居場所もマフィアに売ってさらに大金を手にしたジャックですがモナは居場所を変えてしまい、怒ったマフィアのドン・ファルコーネに呼び出されて妻や愛人を殺されたくなければモナを殺すように言われます。しかしジャックはモナからマフィアの提示した金額の5倍を払う代わりにモナの死を偽装する工作を引き受けてしまうのでした。

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マフィアとロシア美女の殺し屋モナと二重取引してしまったわけですね、美女と金にめっぽう弱いジャックです。


 愛する美しい妻ナタリー(アナベラ・シオラ)がありながら金髪巻毛の若い愛人シェリー(ジュリエット・ルイス当時20歳)を囲っていて、大金が気を大きくさせるのか愛欲に塗れた生活を送ってるジャックです。圧倒的な美女モナの色香にあがらえなかったのは常に女性をお色気ありきの可愛い生き物のように見くびっていた部分があったんじゃないかと思います。実のところ常にモナとやれる機会を狙っているジャックに対して、モナは美貌以上に残虐で戦闘能力が高く好戦的で男の言いなりになるような女ではなかったたわけで、マフィアに密告していた件でジャックをFBIに売るしたたかさも持ち合わせており、ジャックは金も女も失っていくわけです。

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モナ・デマルコフ(レナ・オリン)
 圧倒的な美貌を見せつけることで狙った獲物(主人公)を惹きつけ、狩ろうとする殺し屋。
 武器になるほどのプロポーションで常にセクシーなランジェリーを身に纏い視線を誘いますが、運転中のジャックの首を後ろから足で締め上げるなどやることも過激。露出が多めながらお色気目当ての視聴者狙いの際物感がないのは、結果的に丸見えになるほどの鬼気迫る身体を張った死闘をシリアスに演じているからかもしれない。

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ジャック・グリマルディ(ゲイリー・オールドマン)
 観覧車が出てきたシーンの場所が「女と男の観覧車」(2017年ウッデイ・アレン監督作品)のアメリカ最古の遊園地ニューヨークのコニーアイランドそっくり。ジャックがニューヨーク市警なので、コニーアイランドかも。
凶悪なド美女モナのおかげでダイナーの店主になっても幻覚といったあるはずのないものが現れる陽性症状が表れちゃう。

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愛人シェリー(ジュリエット・ルイス)
マリリン・モンローを模したチープな偽物のような、若くてまだあまり物事を知らなさそうな女の子。自覚なく男の庇護欲を誘う、ある意味得してるタイプ。今まで気が付かなかったけど、ものすごいスタイルが良かったんですね。下着姿でダンスを踊ってくれます。

出典:IMDB

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