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デザインの視点が人材育成のメンターにどう生きるか

社会人向け次世代リーダー育成プログラムのメンターに
お声がけいただいた。

メンターはあまり経験がなく、自分にできることは何かと
業務開始までしばらく考えていた。

結局結論は出ず、いつも通りの私で参加しよう
プログラム受講者の方々に合わせて何が必要なのか
一緒に考えていこう、と決めて参加した。
私はプロのメンターではないから、いちデザイナーとして
できることをやっていこうと思えたら気持ちが楽になった。


声を聞く


私が唯一心がけた行動のひとつ。
私がクライアントにしている行動と同じように
受講者の皆さんに接していた。
先入観がなく、客観的に事象を捉える壁打ちが新鮮だったという
意見を受けたことがあった。


同僚でもなく上司でもない存在


私がついていたチームには年齢が近い方も多かった。
そのためか、チームの皆さんにとっては
日常接することのない新しい存在になっていった感じがする。
なんでも話せる関係性を目指したが、どこまで近づけたのかはわからない。
いつかチームの皆さんに聞いてみたい。

私も会社員時代を思い出して
苦しかったことや、組織上うまくいかないことなど
自分のことのように受け止めて話を聞いていたと思う。
こういうキャリアの選択肢も現実にあったわけだし
自分のキャリア選択に後悔は全くないけど
会社ってやっぱりいいな、組織ってあったかい関係性だなと
改めて思えた。


見守ることのむずかしさ


先回りをして、必要なことをどんどん提示していっていた前半だった。
チームの考える機会、悩み成長する機会を潰してしまっているのではと気づいた。
プログラムの後半では、とにかく見守り
相談を受けたり、要望が発生するまでじっと我慢する時間にした。

頭の中ではいろいろとイメージが膨らむが
手を出さず、とにかく見守った。
「これで良いのか?」という問いには「1歩だけ踏み出してみよう」と答え
「正解は何ですか?」という問いには「あなたはどう思いますか?」と
答えるようにした。

簡単に答えを出すことをやめ、チームの感じる現在地や
チームがイメージしている現在の正解を尊重した。
手探りだったけど、私自身が成長させてもらった時間だった。

個性を生かして苦手を補うチームに


チーム形成について、私ができることは無い。
受講者の皆さんのやりたいことを実現できるよう
交通整理をしたり、問題提起をして一緒に考えることしかできない。

デザインの仕事も同じ。
デザイナーは具現化はするけれど、主体性を発揮すべきは私たちではない。
小さくとも、実現したい想いがなければ
何もコトを前に進めることはできない。
だから、実現したいことに伴走することしか私たちにはできない。

受講者さんそれぞれの好きなこと、得意なことを理解しつつ
苦手そうなことをチームで補い合える流れを
少しずつ作っていった。

プログラム終了後


その後の業務にこのプログラムでの経験がどう生かされているか
チームの皆さんに聞いてみた。
企画の実現はなかなか厳しいながらも
日常業務には、何らかの形で経験が生かされているとのことだった。

リーダーシップの考え方はもちろん、業務への主体性や
後輩への接し方、クライアントや上長との議論に生かされていると知り
とても嬉しかった。

私も、人材育成という領域の楽しさや喜びを味わうことができた。
改めて、お声がけいただいたTEX事務局の皆さんと
受講者の皆さんにお礼を言いたい。

私も、視野が広がりクライアントワークやデザイン制作に
とてもいい影響が生まれていると思う。

デザイナーとして人材育成に関わる機会をいただけるなんて
全く予想していなかった。
ありがとうございました。


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