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人生はじめての登山が富士山でした(前編)

今から約8年前。私は当時24歳の誕生日を迎えて間もない頃、ふと思ったことがあった。

「富士山の山頂からの御来光を眺めてみたい」


突然の思い付きからはじまり、富士山に登ろうと決めた。と言っても、知識がまったくないため、色々ネットで調べてみると、富士山を登るには閉山が9月上旬頃と決まっているらしい。

富士山に登ろうと決意したのは、私の誕生日が8月下旬ということもあり、閉山までの時間が迫っていた。私は焦りはじめた。そして、一緒に富士山に登ってくれる人を探しはじめた。周りの友人などに何人か声を掛けてみるものの、返ってくる答えは当然ながらなかなか難しいものだった。

友人A「富士山はちょっと難しいけど、高尾山や筑波山とかなら行こうよ!」
友人B「過去富士山に登ったことがあるから一度経験するのはオススメだけど、さすがに二度目はちょっとなぁ・・・」
友人C「過去登ったけど、8合目から高山病でゲロゲロだったから」

などなど。

気軽に登山を楽しめる高尾山や筑波山というワードはよく出てくるが、やはり富士山となると訳が違う。また、経験者も高山病など含め相当なしんどさが伝わってくる。確かに、その時のコンディションにも左右されることもあり、無理なお願いはしたくないし、行けない理由も納得するし、それはそれで仕方がないことだと思った。

でも、どうしてもこのタイミングで登りたいと思っていた。私は一人で行動するのは好きな方だから最終的には一人でツアーに参加してみるという選択肢もあったのだが、さすがに富士山となると心細かった。さて、どうしようか。

そんなことを職場でぼんやり考えながら、お手洗いに行った際に、たまたま手を洗っている女性社員iさんとばったり会った。その女性社員iさんとは仕事内容も違えばたまに開催される職場の飲み会などで席が近い時にお話するくらいの仲だった。

だけど、私は直感的にiさんだったら関心を持ってくれるかもしれないと思った。私は彼女に声をかけることにした。

私「お疲れ様です。iさんって山とかに興味ありますか?」(いきなり)
iさん「あっ、山良いですね。好きですよ〜。
私「そうなんですね!ちなみに・・・富士山とかって興味ありますか?」(恐る恐る聞いてみるものの、緊張気味)
iさん「ああっ!富士山、人生で一度は挑戦してみたいなぁとは思いますね〜」
私「ええっ!私これから富士山に登ろうとしているんですが、よかったら一緒に登ってくれませんか?」(かなり緊張気味)
iさん「ええ!良いですよー!」(即答だった)
私「えっ、本当ですか!じゃぁ、すぐに富士登山のツアー手配しますね!」(心踊りながら
iさん「楽しみにしています!」

当時の記憶を辿りながらだが、このような会話だったと思う。彼女の即答っぷりにはちょっと驚いたのだが、やはり彼女に声をかけて正解だった。私はそう確信した瞬間だった。

私は心踊りながら、「専任ガイド付き吉田ルートの富士登山ツアー」をすぐに申し込んだ。富士山に登る日は、2011年9月11日〜12日となった。
※当時は世界遺産登録前で、2016年からは9月10日閉山に統一された様子

つづく

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