クリエイターはちゃんとお腹を空かせてるか?
あんまりお腹減ってないんだよな。だけどもうこんな時間だし、なにか食べるか…。とくに食べたいものないんだけどな。
そんな感じで食べたときは、たいてい重たい満腹感はあっても「満足感」はあまりない。
きっとそういうときって、ほんとはべつに食べなくても大丈夫なときだ。身体的にも栄養的にも。
だけど、なんとなく「食べなくては」の軽い呪いのようなものに脅かされるようにして食べる。で、ちっとも満たされた感じがしない。
思うのだけど、これは単に食欲の問題だけではないんじゃないか。
「旅する土鍋」の陶芸家 @tamapisan さんが、工房でつぶやかれていたのを読ませていただいて「ああ」と思ったのだ。
https://twitter.com/tamapisan/status/1092096650569347072
なんか、しょっちゅう「ああ」と思ってる気がするけど、もう口ぐせみたいなものなのでそっとご査収いただければ幸いです。
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そうなのだ。どんなクリエイティブであれ、ちゃんとしたものをつくるには、ちゃんとお腹が空いてることって大事だと思う。
食べることでもそうだけど、どうかすると「そんなにお腹空いてない」のに、食べなきゃとか、みんな食べてるからで適当に何か口にしてしまうことがある。すごくそれが食べたかったわけでもないものを。
そうすると、「ほんとにこれ食べたかったんだっけな」という謎の後悔と嘘っぽさと胃袋の違和感が混ざった気持ちを味わうことになる。ちっともおいしゅうございましたじゃない。
ものかきの世界だって同じだ。
ちゃんとお腹が空いてないのに、無理無理、詰め込むようにして書いた文章はどこか重たい。いい意味の重たさじゃなく、うまく呑み込めない、味のよくわからない重たさだ。
だけど、それでも書かなくちゃいけないときもある。綺麗ごとなんて通用しない現実的なあれこれが覆いかぶさってくる。
さっき考えてたことがまだうまく消化しきれてもいないし、Robert Glasperとか聴きながら公園でも走ってくれば、いい感じの空腹感になるのにってわかっていてもそれができずに、詰め込むように文章を書く。
そんな食べ方というかもののつくり方、文章の書き方を続けていると「空腹」がすごく恋しくなる。
そう。クリエイターにとって「空腹」ってたいせつ。空腹のときに五感で感じたすべてが、つくる気持ちに火をつけてくれる。
「空腹こそ最上のソースである(Hunger is the best sauce.)」という都市伝説のような古代哲学者の名言は何周か回っていまもテーブルの上に置かれているのだ。