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上京して半年。



東京は夢と希望を持った若者と
夢に敗れた青年で形作られている
、と
あいみょんがテレビのインタビューで話しているのを見たことがある。
(*なんとなくこんな感じのセリフ)

あいみょんの歌詞を読むと
東京にいながらどこか第三者的な視点で
自分と東京を捉えているように感じる。

確かに、夢を持って東京に来る人が多い。
より売れたいバンドマン、
より有名になりたいお笑い芸人、
より稼ぎたい、成功したいと考える新卒。

実際、データを見てみると、
「2016年社会保障・人口問題基本調査第8回人口移動調査」では、東京生まれ東京育ちは、東京の人口の54.4%とのことだ。
つまり、半分は地方出身者であり、進学や就職を機に上京する人が多いのだろう。

それと同時に30代になり、夢をこじらせ、
何者かになろうと思ったが、何者にもなれなかった者たちもいる。

逆に、30代で地方にUターンする方も
今では特段珍しいものではない。
都会に疲れて地方に行く人もいるし、
充分なお金が入ったから瀬戸内海でのんびり暮らしいたいと考える人だっているだろう。

だからあいみょんが言った
東京は夢と現実が集まる場所という表現は
とても適切だなと思う。


そんな彼女もまた上京組であった。

そんな私も上京組である。
上京してきて、はや半年。

元々、『君の名は』のみつはのような「東京」への記号的な憧れは全然なかったし、そもそも人生で2回くらいしか来たことがなかった。しかも1回は修学旅行だ。

最近読んでいる、覆面作家の麻生競馬場の『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』に描かれている地方出身者の嫉妬や劣等感はなく、地方出身者であることをこじらせてるわけではなかった。

大学の友人に東京の出身者がいたが、その友人は、「東京は人が多いから、アイデンティティを失いやすい。自分がいてもいなくても変わらないという現実が辛い」と言っていた。

私には経験がなかったから、
関係の無い別の世界の話をしているのかと思った。人口5千人の町で生まれ育った私は「へー」と返す他なかった。



ただ、、実際、自分が東京に来て1番思うことは「人が多い」ということだ。とにかく多い。
どこに行っても満員、満席、
なかなか1人になれる場所がない。

そして、どこに行っても、
どこまで行っても競走社会だなとも思う。

より多く稼ぎ、より上に行く、より多くのお金を持ち、よりよい暮らしをすることが、幸せだと思っている人が多い気がする。

「東京」というゲームの中にいるみたいだ。

このゲームはいたってシンプルで、
有名大学を出て
一流企業に入ること。
ブランド物の服を着て、
東京タワーを望む港区のタワマンに住むこと。見た目の良い異性と交際すること。
それらを積み重ねた者がこのゲームに勝利し、勝者は他の参加者たちの羨望を得ることができる。

しかし、何をやっても、どこに行っても、
自分よりも上はいくらでもいることに気づく。どうしたって
いやでも人と比べられるし、比べてしまう。

東京出身の友人が言っていたことを実感する。

さて、私、本当にやっていけるのかしら。


その友人はトヨタに入り、けっこうな田舎勤務をしているのだが気に入っているみたいだ。「分からないけど、たぶんこっちにずっといると思う」と言っていた。



結局、何が幸せかどうかは人それぞれだ。

いうまでもなく、「東京」というゲームに参画しない方が幸せだ。
自分の人生を他人の目を気にして生きるほど辛いものは無い。

他人のモノサシに依存することなく、
自分の人生の中に愛や幸福を見出すことが
なにより幸せなことだろう。


p.s. 
ただ、東京には良いところはたくさんある。
東京は、銀座や渋谷みたいなところだけでなく、もっと色んな顔をもっている。

それに気づくことが出来た。

日比谷線、三ノ輪駅らへん
等々力渓谷


瀬戸内海や、淡路島とかでのんびり暮らすのもいいなぁと思う。
写真は、大学2年の時に訪れたしまなみ海道。

しまなみ海道


そして慣れした親しんだ地元。

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