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横浜の傷害事件自作自演に思うこと

先日のKアリーナ横浜のイベント会場で誰かに刺されたという事件は自作自演だと報道で知り、ある体験を思い出しました。約10年前かと思います。

私は自分達で管理している賃貸物件があり、ある学生の入居者さんの親御さんから「息子が近所でナイフで刺されたらしいから部屋に行って様子を見てきてほしい」と電話がありました。

慌てて出先から戻りお部屋に行ってみると、どれだけ怖かったか、医大付属病院で応急処置してもらったこと、警察が来て現場は大騒ぎだったこと、犯人の服装と背格好などを声を震わせて話してくれました。私は親御さんに様子を伝えて大事な息子さんに恐ろしい思いをさせたことを謝罪しました。

次の日、管理者として事件の詳細を知りたいと思い、管轄の警察署に電話をかけて問い合わせました。すると「そのような記録はありません」という返答。そんな筈はないと食い下がりましたがどうやら本当に通報も被害届も捜査も記録がないことが判明。

すぐに警察がやってきて本人の部屋で話を聞き、管理人室へ下りてきて「脇腹の絆創膏やナイフで裂けたトレーナーを見ましたが位置もずれているし話があやふやだ」との事。嘘をついた事を管理人さんに謝るようにたしなめて部屋を出てきたそうです。

しかし既に事は大きくなっていました。当日に彼はTwitterで町名や位置がわかる固有名詞を出してまるで現実のように実況していました。そのつぶやきは数時間に渡って数十回投稿されており、衝撃的な事件の被害報告としてリツイートやコメントはどんどん膨れ上がっていました。

私達の物件に住む入居者様やそのご父兄に留まらず、別の賃貸物件のオーナー、近隣の学校、たくさんの方から私達のところに連絡が来ました。近所のスーパーのパートさんは犯人が捕まっていないなら仕事に行くのが怖いと店長さんに相談したとか。

私達は各方面に菓子折りを持って謝罪に出向き、数日後は騒動も落ち着いてきました。しかしまだ終わっていなかった。管理人と警察が結託して事件をもみ消しているとツイート。親御さんも本人を信じ私達にまくし立てる始末。病院の診察記録も誰がか意図的に消したと主張し、警察と相談して偽計業務妨害で被害届を出そうという話にもなりましたが、本人の将来もあるので学校と相談してこれ以上嘘のツイートをしない事、即刻退去する事、メンタルクリニックに通う事などを条件に被害届を出しませんでした。もちろんこちら側は彼の嘘によって多大な金銭的損害や精神的苦痛を被ったのですが民事訴訟も起こしませんでした。

今回の女性も悩みがあったと言っているようですが、巻き込まれる周囲の人間や関係者は気が狂うような思いをすること想像できなかったのでしょうか?何が普通の人間にこのような行動を取らせてしまうのか。到底理解できません。


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