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数字が出てくる慣用句や成句 第3回「九死に一生」

Ⅰ「九死に一生」という表現の成立過程・意味・用法について

「九死に一生」は、日本語のことわざの一つであり、非常に危険な状況や困難な状況から、ほんの少しの幸運や偶然のおかげで生き延びることができた場合を表現しています。このことわざは、人々が死線をくぐり抜け、ぎりぎりの状況でなんとか生き残ることを表す言葉です。

「九死に一生」の成立過程ははっきりとはわかっていませんが、古代の中国の故事や文献に由来する可能性があります。中国の文化圏では、数の象徴的な意味合いが強く、9は極限や限界を示す数字として扱われることが多いです。一方で、1は単一の存在や生命の象徴として捉えられることがあります。このため、「九死に一生」という表現が、極めて危険な状況からわずかな生命の糸を引き抜いて生き残ることを強調するために使われるようになった可能性があります。

このことわざは、人々に対して困難な状況においても希望を捨てず、努力や運がある程度の成功をもたらす可能性があることを示唆しています。また、危険な状況を乗り越えて生き残る経験を持つ人々の勇気や強さを称える言葉としても使用されます。

要するに、「九死に一生」は、厳しい状況や困難な状態からわずかなチャンスを活かし、生き残ることができたことを形容するための表現であり、その象徴的な意味から多くの人々に愛されています。

Ⅱ「九死に一生」という表現を使った例文について

以下に「九死に一生」ということばを使った例文をいくつか挙げます。

  1. 山岳遭難から奇跡的に生還した彼は、本当に「九死に一生」の経験をした人だと言えます。

  2. その大事故の際、彼は車が激しい衝突を受けながらも「九死に一生」の逃れ方を見せました。

  3. 戦場での彼の体験は、「九死に一生」の状況が続いた結果、生き残ることができたその強さを物語っています。

  4. 病気の治療に苦しむ中で、医師の努力と運の良さによって彼はついに「九死に一生」の劇的な回復を遂げた。

  5. その航海は嵐に見舞われ、「九死に一生」の大ピンチを何度も乗り越えなければならなかった。

これらの例文は、様々な状況や経験で「九死に一生」が使用される様子を示しています。

Ⅲ「九死に一生」という表現に類似した表現について

下に「九死に一生」と意味が似ている表現をいくつか挙げます。

  1. 一命を取り留める(いちめいをとりとめる):命を落とさずに生き延びること。危険な状況から生還することを強調します。

  2. 一縷の望み(いちるののぞみ):極めて希望が薄い状況でも、ほんのわずかな望みや可能性を指します。

  3. 一髪の差(いっぱつのさ):非常に僅かな差で、ある事態が成功するか失敗するかが分かれる状況を表現します。

  4. 千載一遇(せんざいいちぐう):極めてまれな機会やチャンスを指し、一生に一度しかめぐり合えないような状況を表現します。

  5. 千切れるほどの糸(ちぎれるほどのいと):非常に脆弱で弱い状態を指し、わずかな力や影響で断たれてしまう可能性を表現します。

  6. 薄氷を踏む(うすごおりをふむ):非常に危険な状況に身を置くことで、わずかな誤りや運の悪さで事態が悪化する可能性を示します。

これらの表現も、「九死に一生」と同様に、限りなく危険な状況から生き残ることや、極めてわずかな幸運やチャンスによって難局を切り抜けることを表現しています。

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