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両親がセルフ・ネグレクトになった原因

前回の記事で「セルフ・ネグレクト」についてご紹介しました。

私の両親はセルフ・ネグレクトにより健康を損なってしまい、ある日2人そろって倒れました。
幸いなことになんとか一命をとりとめ、今はそれなりに元気に生活していますが、まだまだ油断はできません。

今日は自戒の念も込めて、両親がセルフ・ネグレクトになった原因をご紹介します。


原因1 極度のめんどくさがりな性格


両親のセルフ・ネグレクトの根本的な原因は「極度のめんどくさがりな性格」にありました。

うちの親は昔からめんどくさがり屋でした。

母は掃除や料理などの家事が嫌いでした。
父は一切家事をしないタイプの人でした。
だから家は常に散らかっていました。

物を捨てることをしないので、家じゅうがものであふれかえっていました。
食後に食器を洗う習慣がなかったので、キッチンは汚れた食器でいっぱいでした。

私と弟が実家にいた頃は生活できないほどではありませんでしたが、私たちが家を出てからはどんどん状況が悪化していきました。

原因2 荒れた家


そして、いつしか家は荒れ果てていきました。

たまに実家に帰ると、リビングは足の踏み場もないほど、物とごみが散乱していました。
かつて寝室だった部屋は物置部屋となり、もはやそこで寝ることはできなくなっていました。
2Fに続く階段の各段に、使わなくなった食器や電化製品が置かれていました。
キッチンやトイレ、風呂は足を踏み入れるのを躊躇するくらいの汚さでした。

原因3 不健康な生活


そんな家では健康的な生活を送るのは不可能でした。

寝室が物であふれていたので、寝るのはリビングでした。
そして、なぜか夜中でも電機とテレビをつけたままにしていました。

キッチンはとても料理をできる状態ではなくなり、食べるものはコンビニ弁当かレトルト食品だけになりました。

風呂にもめったに入らなくなりました。

このような不健康な生活は、少しずつ、しかし確実に両親の体にダメージを与えていきました。
そして、前は普通にできていたことも億劫になり、セルフ・ネグレクトが悪化していきました。

原因4 母のうつ病


母のうつ病が、セルフ・ネグレクトに拍車をかけました。

うつ病だからセルフ・ネグレクトになったのか、セルフ・ネグレクトだからうつ病になったのかはよく分かりませんが、何かしらの関連はあったように思います。

うつ病の母は外出を一切せず、荒れたリビングで一日中テレビを見て過ごしていました。
掃除や料理、買い物などの家事はまったくできなくなりました。

父は元々家事をするタイプの人間ではないので、荒れた家はどんどんその荒れ具合を増していきました。

そして、両親の生活はさらに不健康なものになっていきました。

原因5 人に頼りたくないというプライド


私もまったく何もしなかったというわけではありません。

両親に家の掃除をしようかと申し出たり、行政のサポートを得るよう勧めたこともありました。
でも、私の親は「そんなことはするな。自分たちでできるから大丈夫だ」と私の提案をまったく受け入れませんでした。

おそらくそこには「人には頼りたくない」というプライドがあったのでしょう。

「今はちょっと調子が悪いので家が汚くなって生活も乱れているけど、その気になればすぐに改善できる」

そんなふうに考えていたのかもしれません。

でも気づいたときには手遅れでした。

家は手の付けようがないほど荒れ果てていました。
両親の不健康な生活を元に戻すのは、不可能に思えました。

もはやどうにもできない状況に陥っていたのです。

おわりに


セルフ・ネグレクトは本当におそろしいです。

うちの両親は今でこそケアマネさん・ヘルパーさんの手を借りて人間的な生活を送っていますが、いつどうなるか分かりません。

でも、今日こうやって記事にまとめてみて、問題点と原因を再認識できたことは自分にとっても有意義なことでした。
今後両親の生活をサポートしていく上で気を付けるべき点を確認することができました。

これを読んでくれたあなたにも、何か役に立つことがあればうれしいです。


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