「幸せ」をはっきりとしたもの、確かなものにするコツ
親の介護をするようになって、「幸せとはなんだろうか」と考えることが増えました。
▶ 親は幸せなのだろうか?
▶ 自分は幸せなのだろうか?
▶ 自分の妻と子どもは幸せなのだろうか?
▶ 自分は親の幸せのため、妻と子どもの幸せのために何かできるのだろうか?
と、いろいろなことを考えるようになりました。
1. 幸せとは何か
何をもって「幸せ」とするかは人によってさまざまでしょうが、精神医学・脳医学の見地からは次のような定義ができるそうです。
「幸せとは、脳内で幸福物質が分泌されている状態のこと」
私たちが幸せを感じるとき、脳内では100種類以上の幸福物質が分泌されているそうです。
その中でも、日常的な幸福感を構成する物質として代表的なものが次の3つです。
▶ セロトニン
▶ オキシトシン
▶ ドーパミン
これらの3つは「3大幸福物質」と呼ばれています。
2. 幸福物質の特徴
3大幸福物質が分泌されている状態をそれぞれ、
① セロトニン的幸福
② オキシトシン的幸福
③ ドーパミン的幸福
と呼び、以下のような特徴があります。
① セロトニン的幸福
心と体が健康な時に感じる幸せです。
体調がいいときに感じられる気分のよさや、朝散歩をしたときの晴れやかな気持ちは、脳内でセロトニンが分泌されているからです。
② オキシトシン的幸福
他者とのつながりによって生まれる幸せです。
パートナーや家族、友人とコミュニケーションをとったり楽しい時間を過ごしたときなどに感じるものです。
コミュニティや組織に属する安心感もオキシトシン的幸福に含まれます。
③ ドーパミン的幸福
成功を達成したときに感じられる幸せです。
仕事がうまくいったときやスポーツの試合で勝利したときに味わう喜びや達成感により、ドーパミン的幸福が感じられます。
3. 幸福物質の優先順位
3大幸福物質には、優先すべき順位があります。
① セロトニン的幸福
② オキシトシン的幸福
③ ドーパミン的幸福
の順です。
たとえば、体を壊してまで仕事をがんばろうとする人は、セロトニン的幸福をないがしろにしてドーパミン的幸福を追求することになります。
そのままだとメンタル不調になったり、健康を害してしまうことになりかねません。
また、家族との時間を犠牲にして仕事に注力する人は、オキシトシン的幸福よりもドーパミン的幸福を優先しています。
どれだけ仕事で成功しても、家族から嫌われてしまっては幸せとは言えないでしょう。
さらに、人とのつながりも健康であってこそです。
セロトニン的幸福を失うと、オキシトシン的幸福も失ってしまうことになります。
このように、幸せは「①セロトニン的幸福→②オキシトシン的幸福→③ドーパミン的幸福」の3段階で積み上げられます。
まずいちばんのベースとなるのはセロトニン的幸福です。
だから私たちがまず目指すべきなのはセロトニン的幸福です。
それを達成できてからオキシトシン的幸福を目指し、ドーパミン的幸福を目指すのは最後にすべきということになります。
4. 幸せを感じるコツ
それでは、どのようにしたら私たちは幸せになれるのでしょうか?
私のおすすめは、3つの幸福を日々意識することです。
3つの幸福を常に念頭に置いておき、小さな幸せを感じるたびに「あ、今は〇〇的幸福だ」と思うことで、幸せな気持ちを味わいやすくなれます。
たとえば、きれいな景色をみたときや運動してすがすがしい気持ちになったときは「今はセロトニン的幸福を感じている」と意識する。
また、家族や友人と楽しい時間を過ごせたときは「オキシトシン的幸福が感じられて幸せだな」と考える。
さらに、仕事で達成感をえたときは「ドーパミン的幸福をえることができた」と感じる。
このように自分が今どの幸せを感じているかを意識することで、幸せをはっきりとしたもの、確かなものにすることができるのではないでしょうか。
よかったら試してみてくださいね。
参考書籍
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