介護事業所の内覧会を成功させるためにまず必要なこと
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新オープンを控えた事業所にとっての最初の仕事(イベント)は内覧会と呼ばれるもので、スタッフがせっせと案内状を作って関係先、取引先に告知文やお便りを出す作業があります。そして本番はそこに集まってくれた方達に対してのセールス活動です。
「ぜひ新しいウチの良い所を見に来てください」
「そして気に入ってもらえそうな方がいれば・・」
「ぜひ、ご紹介をお願いします」
という活動です。
このやり取りの部分を“セールス”として本格的に取り組むためのセールス研修はいつも好評ですが、今回はその話ではないので割愛します。
(気になる方は上のeBookが参考になりますよ)
今回の本題は▶
内覧会のイベントを実行する前に、イベントの設計段階でこの点を踏まえておいた方が良いですよ、という話です。
同じ建物で何度も内覧会をすることは少ないと思いますが、今後やられるのであればイベントの設計段階からコレを意識しておいて損はないでしょう、という話になります。
実は、僕のクライアント先でホームを新たに建設中です。
なので、その時の話をメインにしていきます。
まもなく新オープンが控えているので、反応が良くなる「内覧会告知ポスター」を制作しようと思っていました。
ただ、どうもしっくり来ない(喉に小骨が引っかかったような)違和感があったので、クライアント先の代表に時間を取ってもらって会議とは別でオンラインミーティングをしました。
まず・・気付いたのですが
内覧会をどう定義するか?
実はここが明確に定まっていない。
『業界の関係先にアプローチをする』だけなのか、もっと多くの『エンドユーザーとなる人たちにアプローチする』のか、この部分が明確に定義できていないので、広告もぼんやりしたものになります。
2つのターゲット(来て欲しい相手)がいる時に、どっちをやりたいのか?
あたり前ですが、それによってチラシや販促ツールに書く文章やテキストが変わりますよね。
なので、まずはそこからゆっくり話を聞いていました。
ちなみに、経験上この辺の話を聞くのは代表と二人だけがいいです。
社員さんや現場スタッフを巻き込むとトップが「本音を控える」傾向があるからです。
(営利企業なのに営利の話がしにくい時もあるんです)
ま、それは置いといて・・。
はい話を戻します
代表の意志としては後者をやりたい。
つまり、
『エンドユーザーとなる人たちにアプローチした内覧会』
に挑戦したい気持ちが強い。
(※ちなみにクライアントは内覧会自体が初挑戦です)
(※となると通常は関係者を対象にする方をやりがち)
(※だってそれほど難しくないです)
(※トークの仕方を覚えればなんとかなります)
でも、迷ったら難しい方にいつも挑戦する!!
ということなので
今回はあえて難しい方に進むます。
ターゲットが決まれば次にやることはゴールまで走るために必要な準備です。
(ここからのヒアリングが大事だったなぁと改めて気付いたからここに書いている)
代表に聞いたのは『エンドユーザーさんに何を内覧して欲しいですか?』
という質問。
言葉を変えて何度もこの質問をしました。
トップの回答がどうもぼんやりしているので。
違和感を払拭するために何度も聞き返したわけです。
何度も聞いているとポロッと本音が出ます。
トップ:
「老人ホームって病院の部屋のような感じがすると思われていると思うんだけど、今回そういう部屋(造り)じゃないんだよ。だからそういうところを見てもらいたいなと思う」
ん?
んん??
藤見:「“病院の部屋のような感じがする”と、誰かに言われたことがあるんですか?」
トップ:「いや、そうじゃないんだけど、勝手に病院のような感じだよなぁと僕が思ってしまっていて…」
あ!(ここで気付く)
で、もう一度質問した。
藤見:「勝手に(病院のようだと)思ってしまった“きっかけ”って何ですか?」
・・すると
トップ:「そうだな・・・たぶん自分が昔ながらの特養さんとか知っていて、そういう所には相部屋ってあるじゃない?あの雰囲気が病室の相部屋に似ているなぁって思ったことがきっかけかもしれないな」
ふむふむ・・・
なるほどですね。
こういうやり取りが繰り返されていくわけです。
(全部書くと長くなるので以下略)
こうしたやり取りをしていると、『あ!』と気付きますよね。
【相部屋】というキーワード
ふと世の中を見渡してみると【相部屋】のことをそのまま相部屋と表現することはかなり少なくて、ルームシェアとかシェア◯◯と表現されることが圧倒的に多い。
同じ部屋を何人かで使用する事自体は同じことだとしてもそのことを表す言葉を何にするのか?によって聞き手の受け取る印象って変わります。
今回新しく建てているホームは全室個室なので【ルームシェア】という表現はもちろんしませんが、最初の最初でY字路の分かれ道の前で右に進むか左に進むのか?
ここをあやふやにしたまま前に出ちゃうとその後使う言葉があやふやなままになってしまう。
プロ相手なら難しい専門用語ばかり並べてもいいけど、相手が素人さん(一般の地域の人達)なら相手に応じた言葉に変えないとダメです。
プロが使う用語は伝わんないんです。
まず誰に対しての企画なの?
誰を目的にしたイベントなの?
という投げかけは内覧会以外にも必要な視点だと思うので少し立ち止まって次に控えているイベントを考えてみるのが良いです。
結構、適当に「◯月◯日内覧開始、◯◯ホーム・・」とか多いので。
そこに使われてる言葉の定義は伝わるだろうか?商品を正しく表現している言葉になるだろうか?と考えよう。
お客さんがその言葉をこちらの熱量と同じだけ受け取れるようにしておきましょう。ってくれるかは別モノだということも気を付けておきたいところです。
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