星井ふなみ

今晩はふくろうが鳴き、昨晩は狸が鳴いていました。

星井ふなみ

今晩はふくろうが鳴き、昨晩は狸が鳴いていました。

最近の記事

眠る

チビコと寝るのはおもしろい。 とにかく寝相がすごくて、寝てる私の周りをドシドシ動きまくるし、頭や顔をこすりつけてくるんだけれど、ふわっとつるっと、しっとり重く、柔らかいけどしっかり固い 、、新素材感がすごい。近未来的というか(笑) その新素材オチビを、寝ぼけながらちょこちょこレスキューするのが私の夜間仕事。ちっちゃくてまるいお腹に軽〜いブランケットをそっと乗せる。どこかで変な形に曲がっている首をおっかなびっくり真っ直ぐにする、きゅーきゅー言ってたらトイレに連れて行く、などなど

    • ポピーを咲かす

      「ママー!『チビちゃんロロフス』お願いしますっ!」 ←これはトイレに付いてきてドアの前で歌ってくださいって意味です(笑) チビコはいつもそうシャウトしながらこちらをチラッと確認し、ママがその顔なら嬉しくて元気100倍っ!って感じでトイレにダッシュしていく。私も笑っちゃって、はーい、と言いながらえっちらおっちらついていく。うちのチビさんはママがトイレのドアの前で「その日のチビさんを称える即興替歌」を歌ってくれるのが大好き…っていうか、そういうもんだと思っておるのです。私はパラ

      • なんてかわいい

        友達が私の祖母のワンピースをニコニコで着てきてくれた!!なんてなんてかわいい!お婆ちゃまーー見てるかー!?と思った(笑) 祖母は超、服好きだった。外国の分厚い本を取り寄せて布を選んでたり、プリーツの位置をこだわり抜いて決めてたり。自分でデザインして洋裁の上手な奥さまに全部作ってもらってたのです。  とっても華奢だったからサイズが合う人は少ないし、ガーリーともシックとも違うような特殊なセンスである点もマッチングが難しい。もう誰も着ないかな?って思いつつも、でもこれは芸術品だ

        • パーティー考

           「ママもうすぐ誕生日だね、誕生日プレゼントは何がほしい?な〜んでもいいよ!コアラのバッチ?ナマケモノのスカートがほしい?なんでも作ってあげる。何が食べたい?」等と、チビコが3ヶ月位毎日毎日聞いてくれた今年。 ここまでのすごい熱意で私の誕生日を祝おうとしてくれた人は始めてだなあ。「じゃあチビちゃん手作りビーズのネックレスがいいなー」と、千本ノックのようにお返事を考えるのも日課。 「ママちゃん、ネックレスだけじゃなくていいんだよ。スカートだって作ってあげるし、バックだって、チ

          移動日記

          おチビと一緒に実家にお泊まりに行く。この春髪をボブにしたら、古着がいきなり似合うようになってしまい夢いっぱい。着替えもいっぱい。バス停まで山を超えて歩くというのに、メッセンジャーバックをパンパンに2個持ちする。チビコは白と黒の合わせでオシャレしたと言いつつ虹色のくま耳付きキャップをかぶっていて猛烈に可愛い。 春の電車で、いいことがあった。重い荷物を網棚に上げてたらその網棚の下に座ってた10代のスケーターっぽいお兄さんがさっと立ってくれたのだ。何も言わずに、ただチビにニコッと

          チャンス

           祖母は晩年まで 『わたしはお姉さんといつも比べられて、なんでも下だと言われた。向こうは目が大きくて美人。さらに昨日は病院で頭がいいって褒められたんだって。私のことバカっていいたいのね。ムキーッ』 みたいなことを頻ぱんに言っていた。波動が低いったらありゃしない(笑) 客観的意見、傾聴、説得、愛。何十年も色々トライしたが駄目。お姉さんが亡くなっても止まなかったんだけど、 祖母の晩年にあるチャンスがやってきた。 私に子供ができる前の、春の午前中だった。母の家のリビングで、かな

          山山

           白馬でスキーをしてきました。チビ子5歳、初スキーです。 (私達が帰った次の日に白馬のスキーリフトが倒木事故で、10人ほどの人を乗せたまま一時間以上止まってしまったそうでした。リフトの上で一時間なんて…寒かっただろうな、みんなが今は温かいところで元気でいますように!)  スキーに行くって、行きは9時間、帰りは8時間も車でかかって大変だった。(私は乗ってただけだけど!)寒いし足は重いし、手袋ゴーグル帽子ストック部屋の鍵をいつも誰かが落とすし、万能ベストを着てスマホや現金をがっ

          わかめとようせい

          わかめを取りに海に行った。 今日は幼稚園が、年長さんだけ卒園遠足に行くということでおやすみ。チビコと一緒に庭で遊んでたら、じいじにワカメ取りに誘ってもらったのだ。 じいじと娘と私は、干潮タイムを狙って午後に岩場へ行った。曇り空から時々ダイヤみたいに鋭い白の光がさしててなかなかすごい海。 岩のりが随分取られてて超ツルツル滑る岩場は結構高い。こないだスキーから帰ってきたばかりなので、つい雪山のことを思い出す。チビと手を繋いで歩いてみたり、手を離して各々頑張ったり色々してみた

          わかめとようせい

          あばら屋と黒塗りカーの思い出

          ユンへちゃんはヤンキーだったと思う。あの目つき。スタイルの良さ。肌の綺麗さ。はあっ?という時の眉毛の角度など。ヤンキーだ。と断言できないのは、学校が玉の輿聖母マリアみたいな感じを目指す校風だったために、ユンへちゃんといえども三つ編みで膝が隠れるセーラー服にタイツだったからだ。 ユンへちゃんには明るいギャルのミッチャンや、小学校からもちあがり組のバスケ部のエースのモスちゃん達という、核爆発してるみたいに元気で楽しそうな仲間がいた。そのまわりで落ちこぼれ気味だった暗い子達が猛烈

          あばら屋と黒塗りカーの思い出

          江ノ島へ。クロワッサン

          風が強すぎて水中ウォーキングしてるみたいだった、江ノ島にいってきました。昔のバイト仲間のmちゃんと!  おっきな白いレースのつけ襟を、白いニットに真珠のボタンでつけてヒラヒラ駅にやって来たかわいいmちゃんは、抗がん剤治療を始めたので「冷たいと手がいたいの〜」と言って黒いこなれたぽい手袋をしていた。大事を取って近所で肉まんでも食べようよって誘ったのだけど「近所なんてえ〜!ここ数年でほんとに一番元気だから大丈夫なんだよ~!」と遠方の店のURL(海が見えるイケてる店系)をバンバン

          江ノ島へ。クロワッサン

          マスカットクリームソーダと巣作り

          わたくし、一瞬だけ記憶喪失というか、幽体離脱というか、はじめての体験をしたので、そのメモです。 昨日の夜。ソファーで微睡んでいたら寝てしまって「ベットで寝たほうが良いよ。」と起こされた。その声がグワアアンと、どこかで隙間風が唸るように空間に遠く大音量に響いてるように感じた。(属柄的な感じも“住”も)近い男から真剣に注意されてるのがわかった。うるさいなあ、でも無視できない。とわかる。それで、「戻らなきゃ」と言葉にしてはっきり思った。怖くはなかった。  目を開けようと思ったら

          マスカットクリームソーダと巣作り

          ミスト浴

          「石の浄化をお願いできますか?お友達から預かったもので、ちょっとスッキリさせたいの。無理はしないでね!」と、私のことを赤ちゃんの頃から可愛がってくれている、母の友だちであり、ピアノの先生であるk先生からメールが。おおっ!と思う。 というのも、k先生は知らないけれど、ちょうど前の日から家中の石をなんとな〜く集めて机において、これまたなんとな〜く、とびっきりの太古の水で作ったブルーソーラーウォーターをスプレーに入れ、ミスト浴させてたからだ。 「ニューサービスとしてうちのミスト浴

          ハンバーガーレギュラー

          大学を出てすぐのころ、ひょんなことで銀座のブランドビルのギャラリーでバイトしていた。 その時のバイト仲間mちゃんと最近美味しいハンバーガーを食べた。海の目の前のテラス席で大騒ぎしながら。 mちゃんは小さな水仙みたいに白くスラッとしてとっても鼻が高くってキレイな人だ。中身はちびまる子ちゃん。私とmちゃんはバイトで会うといつも眠いね〜とあくびしているか、CMのマネして踊ってるか、ラップをして自分たちでウケているかだった。何やってたんだろう…。 静かな高層階のガラス張りのギャ

          ハンバーガーレギュラー

          エンジェルハート

           長引いた風邪がやっと治った。とにかく出かけたい、新しい服を着て!そうだ、山の上のコンビニでビールでも買おうと思った。 友達も来るかなと電話したら、彼女は「いいねえ最高じゃん、花粉がヤバいから車で行くよ、私は飲めないけどね。じゃあいま出るよ!」と言った。楽しい1日が始まる予感でいっぱいの電話だ。  やっほーと会った私達は、なんだかよく似たブカブカのジーパンと白いTシャツを着ていた。嬉しい気持ちでコンビニのビールやサンドイッチを選び、彼女はチップスターとマンゴー烏龍茶を抱え

          エンジェルハート

          DIARY

           よく行く大きな公園に大きなターザンロープがある。  ジップラインというんだけど、なんていうか、ほんとに高くて距離も長いのです。断崖絶壁の村の人が川を超え隣町に行くための交通手段みたいなスケールなのです。  先日、友達と2人であれを滑りに行こうと盛り上がって、滑リ終えたあかつきには通過儀礼クリア的な意味でインディアンネームを取得しようと冗談を言いゲラゲラ笑った。インディアンネームのアイディア出しは楽しく、滑りの間に虹が出たらレインボー、物を落としたらギフト、鳥が鳴いたらハミ

          クルミ

           早起きした日。幼稚園バスがくるまでの時間にチビコと自転車に乗ってたら、沢山クルミが落ちていた。  フカフカっとした黄緑色で丸いクルミの゙実が、畑と路地にかけてテニスボールをカゴいっぱいひっくり返したみたいに50個くらい転がっていたのだ。わお!と自転車を止めて、大きな風に自転車が倒されないように支えながら1個拾ったら、ゆっくりした車が来てピーっと窓が開き、おばちゃんがニコニコと「あぶないよー、これ踏むと転ぶからね〜。あ、拾っていいよ〜!」と言い去っていた。(あ、クルミのいえ