この度、ファッションリテールからリーガルサービスへ。

 去る12月3日、私は長年苦楽を共にしたファッション業界から降りることを決めました。6年目だった個人事業も閉業に向けて現在整理を進めているところです。

 年が明けたら1月中には弁護士事務所の渉外部勤務になります。リーガルサービスの外商みたいな仕事です。このことを近しい人たちに話すと、私がファッション業界から抜けることには驚かれても行き先には納得されるようで、不思議なくらい同じ反応をされます。

 個人事業主として開業してからというもの、周りの方々のおかげで順調にやってきましたが、2021年は巻き込まれごとがたくさんあって、お金の約束を破られ続けたり、この歳になって初めて本物の胡散臭い人との対峙があったりして、この秋は心がすっかり疲れていました。

 その少し前、夏の頃には法人化の準備をしていて、必要なものを法務局に提出するだけの状態になっていたのですが、準備が整ったときにふっと冷めてしまい一旦保留に。手続きを少し先延ばしにしているうちに色々なことが起こり、そのまま気持ちはフェードアウト。せっかく作った社判は人生の記念品としてとっておきます。(もしかしたら、また使う日が来るかも…?)

 “色々なこと”は、降って湧いたというより、今思えば少し前に布石の打ち方を間違えていたのだと思います。改めて、直感と嗅覚には従うべきだったというのが反省点です。勘を頼りに生きてきたくせに、アンテナに蓋をして自分を蔑ろにしたため憂き目を見ました。

 そんなこんなで弱気になっていると、嫌でも繰り返すのは自問自答。とりあえず3年経ったら先のことを考えようと始めた事業は振り返りのタイミングもなくここまできていて、その間に仕事は年々幅広くなっていました。マルチプレイヤーはいいけれど、本当にやりたいことは何なのか。得意なことは何かを改めて棚卸ししました。

 その答えが、やっぱり対面コミュニケーションがいいし、ディスカバリーからのクロージング力が私の仕事の本質だと思ったのです。店頭の販売員には欠かせない力ですが、店頭で販売をやってきたからこそしっかり身についた力ともいえます。ただ、ブランドの販売員に戻るかというと今はそれも少し違って、土日休みの家族との時間をちゃんと持ってみたいという思いがありました。土日休みなんて学生以来で、ペースを掴むのがまた大変そうですけれど。

 ブランド(ラグジュアリー)の販売員は、モノではなくブランドを売っています。そのお客様も大半がブランドを買いに来られています。カジュアルブランドではモノを買いに来られる方が多いですが、その中でもよく売る販売員は自分自身の接客をブランドにして売っています。結局私は既にモノではないもので売っていたので、それがリーガルサービスに変わるだけ、そんな感覚です。

 人の感情や言動はロジックがあって、それを束ねるのが法律。互いを尊重しつつ多くの人が納得する、尤もなガイドラインがもっと気軽で身近になれば、知恵あるコミュニケーションが増えるのではないかと思っています。

 渦中の頃は、お墓参りに行ってもいい報告ができなくてずっとモヤモヤしていましたが、今月はやっとすっきりした気持ちで手を合わせることができました。前向きな決断なので、応援してくれたらうれしいです。

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