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30代にして初めて推しのアイドルが出来た私の戸惑いと幸福のすべて



この記事では、初めて推しのアイドルができた30代男性のFさん(都内在住)へのインタビューに成功した内容です。

Fさん(匿名希望の30代男性)


初めてアイドルグループを推すという経験をしたFさんには様々な心境の変化、初体験に伴う驚きや戸惑い、そして喜びがあったそうです。


この記事を読むと、アイドル現場にまだ行ったことがない人はそのイメージが掴みやすくなるかもしれません。

Fさんと同じように推し活を始めたばかりの人は共感が、アイドルを推して長い人からすると忘れかけていた初心が得られるかもしれません。

アイドルの方が読んでも「ファンはどのような感情を経て私たちを推すようになるのか」など、参考になる点があるかもしれません。

アイドルグループ MAPA(マッパ)


ーーどのアイドルグループを推しているのですか?

「MAPAという4人組のグループです。MAPAはMAD PARTYの略称で、2021年にデビューしたばかりみたいですね」



ーー"みたいですね"というのは?

「最初から知っていたわけではないので。彼女たちの存在を知り、ライブを観たのもまだ今年の5月なんです。よく現場に行くようになったのもまだ7月からですからね」



ーーキッカケは何だったのでしょう?

「超歌手の大森靖子です。靖子ちゃんのことはずっと昔から知っていて、曲も聴いていたし、著書も読んだりライブも行ったりしていました。ここ3〜4年はコロナ禍や仕事による忙殺、プライベート周りのドタバタで、靖子ちゃんに限らず全てのライブや観劇から遠ざかっていました」

超歌手で自身もアイドルやプロデュースに関わる


ーーまた大森靖子さんのライブに足を運べたんですか?


「そうなんです。今年の春頃から色々落ち着いてきたので。それと、自分を変えたくて。自分を変える!変わるぞ!って、口では簡単に言えるじゃないですか。頭の中にも留めるところまでもできる。でも、いざ危機に瀕すると殊勝な決意なんて一瞬で蒸発しちゃうんですよね。どんな色の絵の具を用意しても、新しいキャンパスに筆を走らせても、目の前に大きな理不尽や絶望が現れたらアッサリと黒く塗りつぶされてしまう。黒に染められたら他の色では塗り返せない。すぐに頭の中も視界も真っ暗になるんです。誰しも経験あるでしょうけど」


ーーそこからどんな心境の変化でライブへ?

「変わるには頭の中で何かを強く念じるだけじゃダメだと思ったんですよ。それでちゃんと変われた試しなんて過去にないから。結局は生身で体験したことが一番強い。そしてその継続。場数ないし習慣化したことからしか結果は出ない。歯を磨くときに「歯を磨くぞ!」って強く意識してやってるわけじゃないじゃないですか。家を出るときに靴下を履くのも夜寝る前にYouTubeとか観るのも。もはやルーティンになってるから。
でもその無意識のルーティンが身なりを清潔に保つことやストレス解消になっていたりする。
5月に台湾に2週間近く行けことも大きかった。大好きな場所だから。3度目だったけど、これまでで一番長く滞在できたんです。やっぱり現地に行かないとダメだって。現場、現実の解像度はまるで違う。浴びられる情報量も吸収できる経験値も圧倒的に違う」


ーーライブにまた足を運ぶことも、その実践の中に含まれていたと?

「そうです。語学や仕事にまつわる資格の勉強、筋トレとかも組み込みながら、習慣化と実践を徹底しました。
『あちこちオードリー』で星野源さんが音楽の道を選んだキッカケのエピソードを話していた回があったんです。
初めて人前で弾き語りをやったとき、すごくお客さんが喜んでくれたと。星野源にとってそれはなんの負荷でもない、ただ好きなことをやっただけだったのに。かけたコストのわりにリターンが圧倒的で驚いたと。それでこの道だって決めた話なんですけど。つまり、自分が呼吸するようにやってること、ほぼノーストレス、あるいは負荷はあっても負担とは感じない。体力は削られてもメンタルはそこまで消耗しない。そんなことが自分にあるのなら、それを仕事や武器にしたらいいって気付きでした。
学びにしろ筋トレにしろ、継続さえしてれば何かしらの変化はちゃんと現れるんですよね。それがまた別の意識を引き寄せたり自信に繋がったり。
私の場合、大きなテーマの柱としたのが『好きや尊敬を寄せる人たちにとにかく会いにいくこと。できれば本人に直接想いを伝えること』でした。靖子ちゃんのライブもその時たまたま情報が入ってきて」



ーーなんのライブだったんですか?

「Zepp SHINJUKUの歌舞伎町祭でした。四天王バンドやMAPA、METAMUSEも揃っていたライブです。20代のときライブハウスに行きまくっていた時代には歌舞伎町にある新宿ロフトにはしょっちゅう行ってたんですよ。だからそのエリアに新しくできたZeppにも興味がありました。何より靖子ちゃんと新宿という組み合わせはファンであれば誰だって高鳴る」


ーーそこにMAPAもいたと。

「はい。正直初めて知りました。METAMUSEはZOC時代を少し知っていたけど、MAPAとはなんぞやと。コショさん(古正寺 恵巳)だけはブクガとかで認知していたんで、名前や見た目ぐらいは知っていて。事前に曲を聴いてみたらアイドルっぽくないアプローチで新鮮でした。見た目もみんな個性がバラバラで」

MAPA公式Twitterより


ーー具体的には?


「まず曲がいい!好き。どの曲も一般的に想起されるアイドルイメージを壊しながらも、アイドルとしての矜持、アイドルに対する愛が根には張っている。媚びでも王道でもない、あからさまなカウンターでもない。なのにかっこよくて世界観や物語性を感じる。靖子ちゃんが作ってるんだからクオリティもその精神性も当然といえば当然ですけど。
アイドルのイメージって、キラキラだとか清楚だとか元気いっぱいだとか、そういうイメージが強かった。見た目も衣装もグループである程度統一されていたり。
自分の中でアイドルの原体験といえば、思春期で世代直撃だったモーニング娘。や松浦亜弥。靖子ちゃんとは同世代なので、そんな彼女がプロデュースするグループだから自然と馴染んだのかもしれない」


ーー他のアイドルグループが人気を博していた時代もありました

「そのあとのアイドル像はAKB48や坂道系に代表される秋元康プロデュースのイメージが強い。あとはももクロとか。マスメディアでしかアイドルを知らない一般人の多くもそうだと思います。モーニング娘。はずっとパフォーマンスが凄いとは聞いていて。
靖子ちゃんやでか美ちゃんの影響もあると思うんですけど、ハロプロは神聖なプロフェッショナル集団のイメージが色濃くあった。メンバーが新陳代謝しても新規や古参織り交ぜて根強いファンが付いている感じがした。
先日ちょうど、でか美ちゃん主催のフェス「でか美祭」でBEYOOOOONDSを観られたんです。

ハロプロ所属のBEYOOOOONDS
でか美ちゃん


初めてハロプロアイドルの生パフォーマンスを観ました。オタクの方も周囲にいたので肌で感じたんですが、熱狂的なファンが付くのも、でか美ちゃんが紹介して呼びたくなるのも納得というか。
若いとか可愛いとか、そんなのに頼らない力強いパフォーマンスと媚びのない表現をしていた。オタクの熱気もすごくて。いちアイドルファンとしても色々学びになりましたね。

特別ゲストの矢口真里さんも1曲歌ってくれて。しかも『I WISH』!

矢口真里

当時からいい曲だとは思っていても、歌詞の深みまで気付かないじゃないですか。小学生とかだったんで。でもサビの「人生って素晴らしい」に繋がるまでの歌詞も、これまで歩んだ軌跡や愛へのまなざしも物凄く優しくて。

あらゆる経験を重ねたOGの矢口真里が歌うからこそ、小学生の頃よりずっと年齢を重ねた今の自分だからこそ胸を打たれました。
経年劣化って言葉があるけれど、"経年変化"でしかないなって。経年変化があるから人生って素晴らしいんだなって思いました。

気付いたらウルウルきてたんですけど、その日はアイドルOG歌合戦の審査員として審査員席にいた大森靖子ちゃんのほうを見たら、もっと感極まってるじゃないですか。それ見てこっちも陥落でした。靖子ちゃんにステージから感動させてもらうことは多々あっても、ステージ上で靖子ちゃん自身が感動している姿を見ることも時にはあっても、なかなか第三者的な立ち位置から、靖子ちゃんが他の誰かから生で感動をもらって涙を流している姿ってそうそう見られない。痺れました」

ーーAKB48が社会現象のように席巻した時代もありました


「ゴールデンの特番で総選挙やっていましたよね。見てましたよ。今考えるとある意味一番平和な時代だったというか。だってテレビでアイドルの人気投票を放送して、お茶の間も関心の程度はさておき、見るは見る。なんかすごいですよね。48グループや坂道系も良い曲だなーとか、この子かわいいなーとか、そう思うことは度々ありました。けれど個人的にはそこ止まりだった。バラエティ番組に出ていれば応援したくなる子も何人かいるけど、コンサートを観に行くまでには至らなかった。

私はずっと、ライブ=ライブハウス、ライブハウス=パンクやロックバンドイメージだったから余計に。ももクロはライブ楽しそう!って素直に映っていたけど、実際足は運べていない。てかもう知ったときには人気もすごくて規模も大きくなっていたし。唯一、複数回ライブを観たアイドルグループはでんぱ組inc.だけ。ライブは楽しかったけど、なぜかそのままのめり込むほどにはならなかった。WACK界隈もほとんど通らなかった。

ちょっと話が遠回りしてますけど、要するに、新規のファンを現場に足を運ばせるというのはそれほどたやすくないってことです。そうさせるアイドルは物凄いんだと言いたくて



ーーそんなFさんが歌舞伎町祭でMAPAを観た時にはまた行こうとなった

「ももクロの話からの派生にもなりますが、まだ認知度もそれほど高くなくて、大きな箱でやってるんじゃないっていうのが良かったのかもしれません。まだデビューから長くない。曲もたくさんあるわけじゃないから追いつける。事前に聴いていた曲の良さが、実際にライブで観ても裏切られなかった。むしろ表現力や魅せ方という意味ではもっと良かった。特に宇城茉世ちゃんの歌声に感動して引き込まれた。けっこう遠くから見ていたのに星が降ってくるように刺さったんです。届いてきたというか。他の3人も全然キャラクターがそれぞれ違って、衣装から髪型髪色、グループで統一して合わせるとかがなくて。その自由な雰囲気好きですね、今考えても。当時の詳しい心境は別のところで語らせてもらいました」


ーーその後、MAPAは新曲『SUMMER SHOOTER/らぶぴ』を引っ提げタワレコをまわるリリースイベントをスタートさせました。

「この曲がまた良かった。めちゃくちゃ好きです。『らぶぴ』は昭和レトロブームの今に、平成ポップなギャルフェーズを振りに置いていて、曲もMVも中毒性が高い。さらに詞は令和にブチ刺さる深みが印象的な時代横断ビートです。パラパラの振りもインパクトあって」

ーーオタクの間でもかなり踊れる人が増えているとか

「もちろん全員じゃないですけど、女性を中心に完コピに近い人も見かけます。私もできる限りは踊ってます。一度、逆にMAPAちゃん側から客席を見てみたいです。どんな光景になっているのか(笑)」


ーーもう1曲の『SUMMER SHOOTER』は?

「らぶぴがTikTokやZ世代にもウケる曲だとするなら、サマシュは世代問わず響く名曲だと思います。私もMAPAの曲の中でも現時点では1,2を争うほど好きですね。X(旧:Twitter)でも毎日歌詞にある「絶対行こうな夏の果て」と呟いてます。


ーーサビのフレーズもラップも、MVまですべてが印象的ですよね

「ほんとにそうで、時代が時代ならミリオンヒット級のクオリティだと思う。でか美ちゃんのラジオにコショさんがゲスト出演した際に、この曲の話題になって、先にバンドと歌入れをした靖子ちゃんが「返してもらおっかな」とポツリと言っていたと。それほど産みの親からしても自信作なんだなあと。でか美ちゃんもMAPAの曲は「(どれもクオリティが高くて)ズルいとさえ思う」と話していました。


ーー曲の良さがFさんの中でも大きかったんですね


「METAMUSEもそうですが、やっぱり曲や歌詞のクオリティを大森靖子ちゃんが確実に担保してるってのは他のアイドルにはない優位性だと思います。おじさんが書いてるわけじゃない(笑)。
体現する女の子の気持ちが分かってる。ふつー、アイドルの現場って男性比率のが高いじゃないですか。でもTOKYO PINK界隈のライブは、男女比率半々ぐらい。下手すると女子のが多い。ジャニーズでもないのに多くの女性を惹きつけるって実はとんでもなくすごいことですよね。
あと振付もすごい。ライブでも世界観の構築や曲ごとに魅せる表情がどんどん変わるんです。一種の観劇体験でもあると個人的には思っていて、それほど豊かな表現が詰まった繊細さと、見ているだけで細部まで追ってしまう振りが印象的です。

それはMETAMUSEのほうのメンバーでもある舞踏家で振付師の雅雀り子(やちあ りこ)さんの貢献が大きいですよね。振付ってこんな見どころ多いんだ!新曲の振りはどんなだろう?振付師ってめちゃくちゃ大切じゃん!って、初めてそう思わされた人です。

雅雀 り子(やちあ りこ)


でも曲がいいだけじゃ人って簡単にライブに行かないですよ。見た目が可愛いだけでも。
それは簡単にサブスクやSNSで消費できちゃうから。やっぱり曲もいい、見栄え(華)も個性も立ってる。その両方があって尚且つ、ダンスなり表現力なりトークの面白さのプラスアルファもないと。
そこで初めて人はお金を払ってライブに行く。
ライブに行ってパフォーマンスが良いと2度目3度目に繋がる。アイドルは特典会での対応やグッズのセンスまで問われる。そこもひっくるめて満足感や幸福感を得て、初めて推しは推しになり、オタクはオタクになるんだと思う。

だから、これはアイドルに限らないかもしれないけれど、自分のためにお金と時間を使って笑顔になってくれる人がひとりでもいる。それを生み出せるアイドルってすごい存在だなと。漠然としていたアイドル像に、まさに靖子ちゃんのいう実像が入ったわけです」


ーー特典会というお話が出ましたが、慣れていないと最初は緊張したんじゃないですか?


「いやもう緊張する以前の問題というか。
緊張って、今から自分が何をどうする、何がどうなるか。分かり切った上でそこに責任なり結果なりを求められるから緊張するわけじゃないですか。相手に認めてもらいたい、失礼のないようにしたいとか。就活でも婚活でもきっと同じだと思うけど。チェキ撮るのもアイドルのイベントに行くのもまったく初めてではなかったんですけど、結局はアイドルによっても、現場や運営によっても違うじゃないですか。MAPAちゃんのリリイベに初参戦する前だったかなと時間軸的には認識してますが、でか美ちゃんと絵恋ちゃん(進行に南波一海さん)のトークイベントに行ったんですよ。

渋谷のLOFT9だったんですけど、そこでトーク終わりに「でか美ちゃんのチェキ(特典会)こちらでやりまーす」って声がスタッフ(マネージャーさん)から上がったんですよ。え、なにそれ!?と思って」

ーー特典会そのものを知らなかった

「たぶん事前のトークイベントの告知にもそういう一文の記載はなかったはず。もう参加者も常連ばかりだし、アイドル現場では当然の様式だろうってことなんだと思います。でも実質初めてで不慣れな自分からしたら当然とまどいました。でもでか美ちゃんとチェキ撮れるんだと思ったらせっかくだから撮って帰ろうと」


ーー列に並んだんですね

「並びました。『特典会はじめまーす』が、『2次会行くひとー?』ぐらいのトーンだったし、他の参加者はみんなほぼ顔見知りぐらいの小慣れた感じだったので、アウェー感はありました。
列に並んでるとき、前に並んでた男性がスタッフさんに2,000円渡すのが見えたんですよ。こっちは正規の金額とかもわかんないから、それを見よう見まねで2,000円すぐ財布から準備して。前の男性が5,000円出してたらきっと5,000円出してた(笑) 名刺出して挨拶から始めてたら同じようにしてましたよ。

いやそのぐらい初めてってレギュレーションがわかんないですよ。現場を知ってる知人や友人に連れられていくのと、初めて1人で乗り込むのではワケが違う。『こういうものなんだな』って探り探り認知していくものだから。仮にスタッフさんに渡していた2,000円が『今日はなかなか良いイベントだったね』的なおひねりだったとしたら。そう説明されたとしたら、『あぁ、そういうものなのか』って思っちゃいそう。海外に行ってトイレにウォシュレットないの当たり前でも『そういうものか』って適応してやるのと一緒ですよね」


ーーいざチェキを撮ってみたらどうでした?



靖子ちゃんでもでか美ちゃんでもMAPAちゃんでも、まずみんな実物のが絶対的に可愛かった。
今はあらゆる加工や修正やフィルターあるけれど、生で至近距離から見つめる彼女たちはもっともっと可愛い。顔が小さくて華奢。
靖子ちゃんとはトーピンの夏フェスで撮ったとき顔が自然と近くに寄ったんですけどめちゃくちゃ甘くて良い香りがして。すごく目を見て話を聞いてくれるし。

ぶっちゃけこれまでは他のひとを見ていたときや、特典会とか知る前は、テレビとかでAKBとかの握手会の映像見ていても、『いやもっとうまく言葉が選べるだろ』『一方的すぎない?』『ファッションや身だしなみから終わっとる。そこから推しを敬え』とか偉そうに思ってたんですよ。

なのにいざ自分が好きな人を目の前にすると飛んじゃう。向こうと目が合って言葉を投げかけられた途端に用意していた言葉や伝えたかった内容が、綺麗に完成されてたはずのパズルがひっくり返される。慌てて落ちたピースを拾い集めて言葉の切れ端だけで伝えるんだけど、いつもすべてきちんと伝えきれない。チェキの表情だって堅い。
推しは可愛いのに自分が指名手配犯みたいな表情してたり、3年ぶりに親戚が集まってなんとなく撮った写真の表情ぐらい違和感があるというか。だから先輩オタクのみんなの、推しにしてもらいたいポーズのアイデアとか、緊張や歓喜はしつつもそれをエモーショナルにちゃんと伝えられているのは毎回感心しますよ。

緊張していたって緊張するほど私のこと大好きなんだなって。テンションが舞い上がっていても、そんなになるほど私に会いたかったんだなって伝わるじゃないですか。そのへん自分はわりと感情の起伏が出るタイプじゃないので、オタクのみんなのことも素敵だなあと思って見ちゃいますね」

でか美ちゃんとチェキを撮るふぬ…Fさん


ーー現場にもう複数回通われるようになって、少しは慣れましたか?


「ほんの少しだけ。所要時間の感覚とか推しのキャラクターも少しずつ掴めてきたからかな。衣装や髪型も含めたライブの感想以外にも、SNSで見知っていた話とか、前回会ったときの話題の続きとか出来るようになる。

要するに、共通言語が出来てくるってことですよね。単純接触効果による相互の安心感もあるでしょうけど、どれぐらいの時間の中で、何を伝えるのがベストか。どんな反応をしてほしいか。みんなその判断が経験とともに速くなるんでしょうね。何より推しへの愛が溢れて勝手に言葉も要望も自然と出てきちゃう。だからみんながSNSにあげてるチェキを見ると推したちがイキイキしていたり、見たことない表情をしていたりするんですよ。それってそのオタクだからこそ引き出せた結果だなと思う。ただの認知から信頼関係に変わって、お互いがお互いのキャラや期待もわかってきたからこそ成せる技ですよね

四者四様の魅力を持つMAPA


ーー囲みチェキとかはまだ?


「いやいやいや恐れ多い!!
ってか特典会のときって待機してる他のみんなが見てるじゃないですか。結構恥ずかしいですよね。あれがアイドルを守るための衆人環視として機能してるのはわかるんですけど、いまだ慣れない。チェキ撮り終わった後にまだ並んでいる人たちの横を通り過ぎるときの表情も本当は見られたくない。あ、でも人のを見るのは好き!

だいたいみんなハニかんでますね。照れ笑いとか超笑顔ってより、はにかむ感じが多い印象。はにかむって、主体的には出来ないんですよ。「さぁ、はにかんでください!」って言われたら困りません?笑ってならまだしも。はにかんだ表情って、相手から引き出される特別な表情。
だから嬉しそうな、でも恥ずかしそうなまだ夢うつつのオタクたちのはにかみを見るのはけっこう好きです」

ーー囲みチェキも、自分が入るべきかメンバーだけにしてもらうか迷いそうですよね


「見ていると半々ぐらいのイメージか、自分も入るほうが若干多い印象ですかね。まあせっかくですしね。」

ーーFさんが囲みするとしたらどんな構図をお願いしますか?


「うーーん…(長考)。

(スマホを開き)コレですかね?」





ーー…特典会以外で戸惑ったことはありましたか?


「VIPが最初よくわかってなかったです。VIPだと何がどうなるの?みたいな。よくよく公式SNSやサイト見れば書いてあるんですけど、イメージがつかなかったですね。推しと一緒に座ってお茶でも飲みながら10分ぐらい談話ができるのかなとか思っていました」


ーー現場が押しまくりますね(笑)


「"凱旋"も最近知ったんですが、よくわかってません。ふつうに考えるとそのメンバーの地元の会場でのライブってことなんでしょうけど、なまじそうでもないらしくて。とりあえず凱旋だとそのメンバーがソロ曲歌ってくれたり、その日の主役になるみたいですね」


ーー「ほんしか」ってわかります?


「出た!!それめっちゃみんなよく写真あげながら使ってますよね。でもまじで意味がわからなくて。かといって調べるのも癪じゃないですか。調べたら負けかなって。まあどうせ『本命しか勝たん!』の略とかじゃないっすか。推しのアクスタやチェキと一緒に写してる人多いし」


ーーいませっかくなんで調べてみたらどうです?スマホも取り出したところですし

「え…じゃあ、チャットGPTに聞いてみます」




ーー歌舞伎に繋がりましたね(笑)


「とりあえず今度ライブでメンバー出てきたら『ほんしか!!』『ほんしか!!』って叫んでみますわ」




ーーお時間になりました。では最後に一言


「絶対行こうな夏の果て!!!」


ーー
Fさんは今も楽しくトーキョーピンク界隈を応援しているそうです。

サマーシューター




画像はMAPA公式Twitterさんから拝借しました。


みゅーまっぱ
全方位に強いTOKYO PINK
ツアーやってるってさ!


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サポートが溜まったらあたらしいテレビ買います