skebテキストサンプル

どうも、フラボノです。

skebがテキストに対応したということで、さっそく登録しました。

気楽にリクエストしてくれ~と思うのですが、サンプルがないことには頼みづらいことこの上なしですね。テキストは特に。

ということで、今回はTwitterでリクエストを募って実際にこんな感じの納品がされるよというサンプルを書いてみました。リクエストをくれたフォロワーさんいつもありがとうございます。

リクエスト文:ねこちゃんとののんびりな朝のテキスト読みたいです

本文:
 漁師の朝は早い。
 月が天にある頃に仕事を初めて、月が太陽に変わった頃に陸の上へと帰ってくる。
 船から降り、揺れない地面の感触を長靴の裏で感じるのと同時にあいつらの姿がカットインしてきた。
 黒いやつ。白いやつ。三毛のやつ。ハチワレだかトラだか知らないが、様々な毛色の猫が足元へとまとわりついてくるのだ。どいつもこいつも餌が欲しい、魚をよこせと甘い鳴き声を上げてくる。これが本当の猫撫で声だ。
 俺は用意してあった樹脂パレットを取り出した。
 売り物にならない雑魚をまとめたものだ。商品を食われたらたまったものじゃない。
「ほらよっ」
 しゃがみこみ、パレットの中身をアスファルトにぶちまける。
 すると猫たちはもう俺の事など目もくれず、我先にと雑魚に群がっていく。
 ビチビチと跳ね回る魚へあぐあぐと噛みついている姿を眺める。食事にありつけて嬉しそうだ。
 そうしているといたずら心が湧いてくる。食べている間くらいなら少しくらい撫でても許されるだろう……そう思って手を伸ばす。
 だが、手ごたえがない。宙を掴むばかりだ。
 猫たちは魚を食べながら、器用に身体を動かして俺の手をかわしていく。
 こいつらは人に慣れてはいるが、人に飼われてはいない。
 食事中ですら気を緩めず、攻撃されたときのことを考えて逃げる体勢を整えているのだ。
 少し残念に思うが、同時にそれが当然だとも思う。触れ合えるのは、猫を飼っている人間の特権だろう。
 俺は猫を飼う苦労を知らない。寝床を猫のゲロで汚されたこともないし、毛玉を吐かれたこともない。死ぬ瞬間を見たこともない。いわば猫のいいところ、上澄みだけを享受している。
 それに対してこちらは商品にならない雑魚だけを与えているのだ。とうてい対等な条件とは思えない、サービスが悪いと不満を言うだけ野暮というものだろう。
 だから猫たちの食事風景を見られるだけでもありがたく思っておこう。
 鳴き声が消え、咀嚼音と打ち寄せる波音が響く港。
 猫たちの食事をバックに水揚げ作業をしていると、こちらまで腹が減ってくる。
 一仕事終えたら俺もメシにしよう。行きつけの食堂のいつもの生姜焼き定食だ。そこで大リーグ中継をツマミに一杯やってひと眠り。のんびりとした朝を過ごすのだ。
 にゃ~ん。
 気づいたら足元にすり寄ってくるチビ猫がいた。どうやら餌をくいっぱぐれてしまったらしい。
 俺が歩くとチビもすりすりとついてきて、んにゃんにゃとおねだりをし続ける。
「ったく……上等なもん食わせてやっから、その代わり撫でさせろよ」
 にゃー。
 どうやら今朝は刺し身定食に変更になりそうだ――

(了)

これで2208文字、約4kb。いかがでしょうか。普段1kb2000円でやってて5000円だから、本当は2kb以内に収めないといかんのですが、そもそも値段をお任せにしていると価格が変動するらしく……えっ今500円なの私、そんな需要と供給バランスなの。

まあ、これで500円なら頼んでもいいかってなるかもしれない……というか絶対得やろプロに500円で1本頼めるんやぞ。

お題を貰って書くの結構楽しいんで、採算度外視で時間が空いたら積極的に請けてもいいかもしれないなー。

あ、二次創作とかレビューでも大丈夫です。知らない作品だとまずインプットしなきゃいけないので時間かかりますが。フェイフェイ・小説もいいぞ。

ただしエロはオリジナル(うちの子とか)に限らせてくだせえ、版権モノよく扱うライター業的に……すまんな……。

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