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文章は料理の話。

note に居ると思うことがあります。

それは「文章はその人ならではの味があるよなぁ」ということ。

ここは、ひと昔流行ったブログとはちょっと違っていて、「自分が書きたいことをただ書き散らす」場であってもいいけど、「自分が読みたいものだけを無尽蔵に読める」場にもなり得る。

つまり、書いても読んでもどちらでもよい場所であるように思います。

で、私もただ書くだけでは飽き足らず、フォローさせていただいている方の記事を読みまくります。

その時に思うのが「人によってこうも文章って様々な形になるんだな」ということ。

それはまるで料理みたいな。

いや、別に私はそこまで料理に詳しいというわけではないんですけど、なんか他にいい例えが見つからなかったんですよね。

食材があって、それを調理して、料理が完成する。


たったこれだけのプロセスなのに、実は無限にそのバリエーションがありますよね。

どの食材を使うかは自由ですし、スーパーで買ってきてもいいし誰かから貰ったお裾分けでもいいし、何なら自分で育てたものでもいい。

逆に、冷蔵庫にあるもので済ませるとしても、その食材をどう調理するかも選択肢は無限で。調味料があればあるだけその変身パターンはさらに増えていく。

調理の方法だけじゃなくて、一番驚きなのは、同じ食材やスパイスを使っても、手順が同じでも、人によって全然違う味の料理になってしまうこともある。

これすごく不思議ですけど、文章も同じなんじゃないかなと思うんです。

つまり、

食材があって、それを調理して、料理が完成する。

というのと同じように、

題材があって、それを表現して、文章ができる。

ということであると思うんです。

文章を書くにあたっての題材は、何処にでもあるものかもしれないし、ビックリするような珍しいエピソードかもしれない。それをどう選ぶのかはその人次第。

面白いのが、高い食材を使えば必ずしも美味しい料理ができるってわけではないと思うんです。文章も同じで、めっちゃインパクトのデカい出来事が起きたからって、それを誰かに話したり伝える際に面白くなるとは限らなくて。

もっと言うと、面白さだけではなくて、悲しさとか虚しさとか苦しさとか、そういう色んなスパイスがあるわけですけど、その好みもあると思うんです。ただ面白い文章を読んで楽しい気持ちになりたい時もあれば、感傷に浸りたい時もあるし、ハートウォーミングな気持ちになりたいこともある。

そういうのって、題材(=食材)をどう表現(=調理)するか書き手(=作り手)によって全く変わってくると思います。さらに、それを読む(=食べる)側によって解釈(=味の好み)も違います。

ですから、書く人読む人によって、もう千差万別の状況になりますよね。

しかもこの note という場所は、山ほど料理選び放題のバイキングですよ。なおかつ、自分でその料理を作って提供もできちゃう。それも無料で。すごいですよね。

まあ正直 note すごいよねってことが言いたいわけではなくて。

その誰かによって書かれた文章を読んで、私はつい自分と比べちゃうんですよね。

「自分にもこんな題材はあったはずなのに、色んな出来事があるはずなのに、どうして自分には書けないんだろう」と。

それは劣等感とか悔しさとか、そういう「負けた」みたいな感情じゃないです。

どちらかというと、この頃の自分が毎回「仕事」に絡んだ記事ばかりを書いてしまっていることの「反省」です。

目の前には、本当はたくさん色んな出来事があるのに、最近の私はそれを拾うこともせず、拾ったとしても手のひらの指の間からポロポロ落としてしまったりして。

本当は、子供部屋を作るにあたって家の物を大移動して本棚を整理したら自分の興味がよく分かった話とか、ようやく下の子の保育園が卒園になっていよいよ小学生に上がる話とか、最近休日の朝によく食べている朝ごはん(某アニメ監督が作ってたインスタント塩ラーメンを真似して作ったら美味しかった)の話とか、そういう書きたい話はたくさんあるのに。

つい仕事関係の記事(いえ、厳密には「仕事が辛いという愚痴」の記事)ばかり書いているのです。

何とも勿体無いことをしている感じがあるのです。

まるで、すごく新鮮な食材を貰ったのにそれを冷蔵庫にも入れずに腐らせてしまって、毎回同じ味のカップ麺を作っているような、そんな感じ。

だからと言って、目の前の出来事を敏感にキャッチして、毎日それを色んな料理に返信させてお届けできるほど、今の自分に余裕が無いのも事実です。

早くカップ麺に飽きたいと思ってます。私なりの食材の選び方で、調理法で、下手くそでもいいので料理を手作りしたいと思っています。それを美味しいと思うかどうかは、読み手の皆さんにお任せするとして…。おわり。

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