短歌 2024年4月前半
BlueSkyやXで書いたものをまとめました。
ウソをつく余裕ないまま春の日は大きなウソで成り立っている
あたらしい靴は固まりやすくって春を発動させる沈黙
ビル風の寒さは色が違うからぼくのことばはうたになれない
週末の夜を見送る階段がブルーノートを奏ではじめる
この街のどこかできみとすれ違うお互い顔を知らないままで
夕暮れの駅前通りの先に居る太陽もいま帰路につきます
犬派でも猫派でもないひとだから泣きたいときに泣けるのだろう
ことばだけ優しくしても無差別に春風は吹く もう戻れない
雨の夜傘を濡らしたくはなくて定時で帰れないことにした
空のない部屋に閉じ込められるためこの街に来たわけじゃないのに
ビル風がどこに行くのか気になって午後から休むことにしました
三日月が沈むあたりに住むきみがぼくを思い出しませんように
奪われることがこの時期多すぎてあの横綱も春に散るのか
週末の夜に巻き散らかしてきた足跡はみな北を向いてる
お互いの夜の長さを持ち寄ってそれでも一歩踏み出せなくて
気がつけばきみの炎は消えていてぼくの季節は燻ったまま
春が来てぼくに選択肢はなくてぬかるんだ道歩くしかない
番外編
ベイスターズ短歌
横浜DeNAベイスターズを応援する気持ちでつい書いてしまったものがいくつかあります。
上茶谷大河という名の神がいて何かお布施をしたくなる春
ツイてない夜が続いていようとも中川颯は浮かび上がるさ
希望とは横浜の空高く舞う球の行方を疑わぬこと
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