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図書館司書がオススメする「GWの楽しい思い出作りに役立つ本」とは?

こんばんは、古河なつみです。
ゴールデンウィークのシーズンに入って参りましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。今回はゴールデンウィークにお家で何か楽しい事をしてみたいな~! と思った時に役立つ本をご紹介したいと思います。



絵本に登場するお菓子や料理を実際に作ってみる!

太田さちかさんの『絵本のお菓子』はその名の通り絵本や童話に登場するお菓子を再現するためのレシピと絵本の紹介がされています。見た目の可愛らしさももちろん再現するので普段のお菓子作りだとちょっと大変かも……という部分はあるのですが、大型連休のゴールデンウィークのお楽しみ行事としてはとても良い体験ができます。

オーレリア・ボーポミエさんの『魔法使いたちの料理帳』はややお料理上級者さん向けの内容です(※著者が海外の方なので日本では手に入りにくい材料が記載されている事があります。そのため、レシピの置き換えを考える必要があるかもです)。1巻は食事系レシピがメインで、2巻はお菓子系レシピがメインの構成になっています。作り方の文章がまるで魔女の教本のような面白い文体になっていて、読んでいてもくすっと笑える造りになっています。装丁も可愛らしくて、魔導書のような雰囲気があって素敵な一冊です。


ガチすぎる工作に挑戦してみる!

『お菓子の箱だけで作るすごい空箱工作』はSNSで話題となった空箱職人のはるきるさんが今までの作品の解説や、制作秘話を綴っているだけでなく、6つの空箱アートの作り方を解説してくださっている工作本です。型紙も一緒についてくる親切仕様で、難易度も優しめ~難しいまであります。私もチャレンジした事があるのですが難易度高めの「ムーンライトで作る時計塔」を完成させた時の感動はひとしおでした……!!

こちらは簡単で奥が深い紙飛行機の作り方を紹介した『世界チャンピオンの紙飛行機ブック』です。著者のジョン・M・コリンズさんは本のタイトル通り、紙飛行機の世界最高飛距離の記録を持っている方です。この本では22種類の紙飛行機の折り方と、ジョン・M・コリンズさんがどうやって世界記録を出したのかを追ったドキュメントパート、そして力学的な視点からの紙飛行機の解説を読む事が出来ます。私も飛行距離の世界記録を取れたという「スザンヌ」を実際に折って飛ばしてみましたが、本当によく飛んで驚きました! 室内を飛ばすにはもったいないので、完成したら公園で飛ばして遊んでみるとより一層楽しいと思います。


じっくり読書を楽しみたい!

私のnoteを見てくださっている方は本好きな方が多いので言わずもがなかもしれませんが、まとまった休みの時にどっぷり本の世界に入り込むのって、本当に楽しい体験ですよね。ぜひ気になっている本を手に取って、ページを開いてみる良いチャンスだと思うのでお好きな本を読んでみてください!

……と言いながら強引に最近の推し本をご紹介します。
それが津村記久子さんの『水車小屋のネネ』です。書影の帯にもある通り今年の本屋大賞で第二位を獲得した小説です。

あらすじとしては高校を卒業したてのお姉ちゃんと、小学生の妹が田舎へ引っ越して二人で共同生活を送りながら、周囲の助けを借りつつ成長していく……というストーリーです。こうしてまとめると全体的には優しくて温かなストーリーではあるのですが、変な男に引っ掛かってしまった母親との会話の緊張感や、どうしてこども二人で暮らそうとするのかと無理解な目で見られるシーンが特に序盤は続くのでエンタメ的なドキドキもありつつ、落ち着いた文体で綴られる物語が心地よい作品です。

手に取ったきっかけは、装丁が可愛いな、と思ってちょっと本屋さんで立ち読みするつもりでした。そうしたら本文が始まったばかりの所でこんなやり取りが書かれていたんです。

引っ越すから身の回りのものをかばんに詰めてね、と告げると、律は、言っとくけど私はものもちだよ、と意味深に呟いたかと思うと、本だけを理佐が作った二つの布のバッグに入れて、洋服も下着も何一つ詰めずに、終わった、と理佐に言ってきた。

『水車小屋のネネ』7ページより抜粋/理佐=お姉ちゃん、律=妹です。

ちびまる子ちゃんみのある口調の律の可愛らしい行動にくすっとしたのと、この後に理佐が妹を叱ったり、笑ったりせずに黙って自分の荷物に妹の洋服や身の回りの物を詰めて持ってあげる、という行動を取る姿が素敵で、本文が始まってたった2ページでこの姉妹の事が好きになって、そのまま『水車小屋のネネ』を買って帰りました。

物語は姉妹と水車小屋に住むヨウム(大型のインコ)のネネを主軸に40年間の月日をじっくり描いているので小説作品の中では「鈍器ほどじゃないけれど分厚い方」に入るかと思います。本に向き合う、という意味でたくさん読書時間の取れるゴールデンウィークにぴったりの一冊だと思ったのでオススメです!

ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ

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