古河なつみ

元司書です。図書館司書の仕事で面白かったこと、本についての雑記を綴っています。ちょっと…

古河なつみ

元司書です。図書館司書の仕事で面白かったこと、本についての雑記を綴っています。ちょっとコアな図書館の活用法も随時更新中。司書職に戻るために貯金がんばります!当ブログはAmazonアソシエイトプログラムに参加しています。Amazonへのリンクを経由して紹介料をいただいております。

マガジン

  • 司書のおすすめ本

    面白いと感じた本の書評リストです。

  • 司書が崩壊スターレイル考察してみた

    図書館司書が友人と一緒に崩壊スターレイルに出てくるトピックの元ネタを探っています。

  • 司書が知ってる図書館豆知識

    図書館の本を探す時に役立つ知識を紹介しています。

  • 司書が経験した面白レファレンス集

    司書時代に経験したレファレンス(調べ物の相談)で特に面白かった事例を紹介しています。

最近の記事

図書館司書が「ミッケやウォーリーみたいな本はありますか?」とお子さんから訊かれた時にどうする?

こんばんは、古河なつみです。 今回は図書館司書をしていた時にたびたびお問い合わせを受けた「ミッケやウォーリーみたいに遊べる本はありますか?」という質問に回答する時、司書がどんな本を挙げるのかをご紹介したいと思います。 ちなみに、ミッケやウォーリーってどんな絵本? 最初に補足から入りますが「ウォーリー」シリーズは赤と白の縞々服が特徴的な青年・ウォーリー氏をぎっしりと人々が描かれたイラストの中から見つけ出す探し絵本シリーズです。 また「ミッケ!」シリーズは可愛らしくてミステ

    • 図書館司書がオススメする「GWの楽しい思い出作りに役立つ本」とは?

      こんばんは、古河なつみです。 ゴールデンウィークのシーズンに入って参りましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。今回はゴールデンウィークにお家で何か楽しい事をしてみたいな~! と思った時に役立つ本をご紹介したいと思います。 絵本に登場するお菓子や料理を実際に作ってみる! 太田さちかさんの『絵本のお菓子』はその名の通り絵本や童話に登場するお菓子を再現するためのレシピと絵本の紹介がされています。見た目の可愛らしさももちろん再現するので普段のお菓子作りだとちょっと大変かも…

      • 作り方が載っているけど真似して売ってはいけない?ハンドメイド作品の書籍と著作権について元図書館司書がざっくり解説

        こんばんは、古河なつみです。 先日、たくさんの手芸本を手掛けている事で有名な文化出版局販売部さんがSNS上で発表した「編集部からのお願い」というメッセージを見ました。 内容を要約すると「文化出版局さんが出版しているハンドメイド作品本に掲載されているものを模倣して作った物をフリマサイトなどで販売しないでください」というものです。下記のポストからツリーが続いているので、全文に興味がある方はお読みいただければ幸いです。 ハンドメイドを趣味にしている知り合いから「あれって本当なの?

        • オタク司書が『崩壊:スターレイル』の模擬宇宙の祝福元ネタを考察してみた①愉悦の祝福編

          こんばんは、古河なつみです。 今回は己の持つ司書の力を悪用して有用に使って『崩壊:スターレイル』に登場する小説等々のパロディの元ネタを考察していこうと思います。 『崩壊:スターレイル』はスマートフォンやPC、PS5でプレイできるSFローグライクRPGです。このゲームの中のコンテンツに「模擬宇宙」というものがあり、ステージを進むほど異様にボスが強くなる代わりに「祝福」というバフをたくさん集めて(運が良ければ)無双ができる仕組みになっています。 そしてそれぞれの「祝福」の名前

        図書館司書が「ミッケやウォーリーみたいな本はありますか?」とお子さんから訊かれた時にどうする?

        • 図書館司書がオススメする「GWの楽しい思い出作りに役立つ本」とは?

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        • オタク司書が『崩壊:スターレイル』の模擬宇宙の祝福元ネタを考察してみた①愉悦の祝福編

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          エドワード・ゴーリーの絵本が好きな司書が見つけた奇妙な熊の物語『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』

          こんばんは、古河なつみです。 今回紹介するのは怖くてちょっととぼけたキャラクター達が魅力の大人向け絵本の作者エドワード・ゴーリーさん! ……がお好きな方にオススメなシニカルでダークな世界観の小説を見つけたのでご紹介したいと思います。 エドワード・ゴーリーさんといえば、下記の表紙イラストからも分かる通り黒色の陰影が印象的なゴシック感のあるのイラストと、不条理な展開で紡がれていく物語に定評のある作家さんです。 実はこの作家さんは2000年に亡くなっています。 翻訳家の柴田元幸

          エドワード・ゴーリーの絵本が好きな司書が見つけた奇妙な熊の物語『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』

          図書館司書が本屋大賞2024年の結果を見て驚いたポイントとは?

          こんばんは、古河なつみです。 2024年度の本屋大賞がついに発表となりましたね! 宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』は2022年の『同志少女よ敵を撃て』に続いてなんと作家さんのデビュー作での本屋大賞受賞となりました。 元々メディアでも盛んに取り上げられている作品で、納得の受賞だったと思うのですが特に司書仲間と盛り上がったのが「得票数が500点越えだ……!」という事です。 本屋大賞は本屋のスタッフさんからの投票で決まる賞なので、当然得票数の多い作品が大賞を受賞します。

          図書館司書が本屋大賞2024年の結果を見て驚いたポイントとは?

          オタク司書がこっそりFGO関連のオススメ本展示コーナーを作った時の話

          こんばんは、古河なつみです。 今回は図書館司書なら一度は経験するであろう「企画展示コーナー」の担当を任された時の体験談を綴りたいと思います。 このnoteの最後には実際に展示コーナーでオススメしたFGOをさらに楽しめるようになる本をいくつかご紹介していますので、必要に応じてスクロールしてくださいね。 展示企画をする時に司書が考えなければいけない事は? タイトルにある通り、私は『Fate/Grand Order』(通称:FGO)というスマートフォンゲームのファンだった事もあ

          オタク司書がこっそりFGO関連のオススメ本展示コーナーを作った時の話

          新社会人の方におすすめの業界研究本「動向とカラクリがよ~くわかる本」シリーズとは?

          お久しぶりです、古河なつみです。 4月に入り、新入社員の方をお見掛けする季節になりました。 私も司書から他業種へ転職して1年ちょっとのひよこのはずですが、もう「先輩」と呼ばれるようになってしまい、日々「ちゃんとしなければ!」と危機感を感じております。 さて、今回ご紹介するのは新社会人の方におすすめのこちらの業界研究シリーズ本です。 最初に一例として最近発行された『AI産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』を書影として掲載しましたが、他にもたくさんの業界について同じように解

          新社会人の方におすすめの業界研究本「動向とカラクリがよ~くわかる本」シリーズとは?

          直木賞を受賞した万城目学さんにまつわる図書館の思い出

          こんばんは、古河なつみです。 芥川賞と直木賞の受賞作が発表になりましたね! 明日本屋さんのディスプレイを見に行くのが楽しみです! 今回直木賞を受賞された万城目学さんのお名前を見ると、自然と図書館司書の資格取得の授業を思い出します(とある万城目さんの小説と、森見さんが映り込んでいるXでのお写真も一緒に思い出します)。 図書館の在り方について学ぶカリキュラムの中で「図書館は無料貸本屋か?」という問題提起がされた文藝春秋の記事がプロジェクターで教室の黒板に大写しにされ「作家さん

          直木賞を受賞した万城目学さんにまつわる図書館の思い出

          懐かしのライトノベルが違う表紙に様変わり!?オタク司書が驚いた変化とは?

          こんばんは、古河なつみです。 先日、SNSで『涼宮ハルヒの憂鬱』という有名なライトノベルの表紙が今と昔では全く違う!と発見した方の投稿が話題になっていましたね。 これだけ表紙の雰囲気が違うと、本当に初版と同じようにハルヒが「ただの人間には興味ありません!」とあの伝説の自己紹介をしているのか、ついつい確かめに本屋さんへ行きたくなってしまいます……! 図書館司書として働いている時に私も「えっ!? このラノベシリーズが今はこんな表紙に!?」と驚いた記憶があったので、とある懐かし

          懐かしのライトノベルが違う表紙に様変わり!?オタク司書が驚いた変化とは?

          図書館司書が「オモコロみたいな本ってあるの?」と尋ねられたら?

          こんばんは、古河なつみです。 先日、オモコロというWebメディアですごく面白い記事を見つけました。 うろ覚えに次ぐうろ覚えの書名たち……そして終盤まで謎だった全く出版情報の出てこない絵本の正体を知った時は、私も同じような絵本を探した経験があったので思わず笑ってしまいました。 今年は所属ライターの雨穴さんの『変な家』『変な絵』が驚異的なベストセラーになったこともあり、インターネット文化に詳しくなくてもオモコロさんを知っている方が増えた印象です。そのせいか友達から「オモコロみ

          図書館司書が「オモコロみたいな本ってあるの?」と尋ねられたら?

          伊集院静さんの最後のサントリー広告を読んで

          こんばんは、古河なつみです。 昨年に作家の伊集院静さんが亡くなった時、母が「来年のサントリーの広告はどうするのかしら?」とニュースを聞きながら話すのを聞いて、成人の日に作家さんから新成人へのメッセージを掲載した特別な広告が毎年新聞に掲載されていた事を知りました。 今年の広告を実際に、初めて目にして「ああ、もっと早くに知っていればなぁ……」としみじみ思って調べてみると、過去に掲載されていた広告文をまとめた『伊集院静の「贈る言葉」』という本が2012年に出版されていたようです。

          伊集院静さんの最後のサントリー広告を読んで

          昨日の防災にまつわる記事のこぼれ話ですが、避難所などにぜひ一冊置いてほしいなぁ……と思うのが『ひもとロープの結び方便利手帳』(小暮幹雄著/ナツメ社)のようなロープワークに関する本です。色々な物を運ぶ時にロープで持ち手を作れる方法などがわかるので安全な作業のためにもオススメです。

          昨日の防災にまつわる記事のこぼれ話ですが、避難所などにぜひ一冊置いてほしいなぁ……と思うのが『ひもとロープの結び方便利手帳』(小暮幹雄著/ナツメ社)のようなロープワークに関する本です。色々な物を運ぶ時にロープで持ち手を作れる方法などがわかるので安全な作業のためにもオススメです。

          図書館にある「防災」にまつわる本を探す方法は?

          こんばんは、古河なつみです。 年始の地震で被災された方へお見舞い申し上げます。 未だ予断を許さない状況が続いておりますので、安全第一に、ご自身のお身体と心を労わる事をどうか忘れずにいてくださいね。 大きな地震がある度に図書館では防災に関する本の問い合わせが増えます。 図書館へ実際に足を運べばその場にある本を見比べて選べますが、オンラインで調べようとすると「防災」の検索結果はたくさん出てきてしまいます。 そんな時に検索するキーワードを組み合わせると、検索結果が絞り込まれて、

          図書館にある「防災」にまつわる本を探す方法は?

          ご挨拶が遅くなってしまいましたが、寒中お見舞い申し上げます。各地で大変な年始となってしまいましたが、どうか安全と健康に気をつけてお過ごしくださいね。本年もどうぞよろしくお願いいたします(※年末は『BOOKMARK 翻訳者による海外文学ブックガイド』を読んで過ごしておりました)。

          ご挨拶が遅くなってしまいましたが、寒中お見舞い申し上げます。各地で大変な年始となってしまいましたが、どうか安全と健康に気をつけてお過ごしくださいね。本年もどうぞよろしくお願いいたします(※年末は『BOOKMARK 翻訳者による海外文学ブックガイド』を読んで過ごしておりました)。

          2023年に出会えたベスト本!

          こんばんは、古河なつみです。 今回は年末と言うことで2023年に私が出会えた本の中で特に印象深かった本を笑った部門、泣いた部門、ベスト猫本などと勝手に部門を作ってご紹介します(※出版年だと2023年以前の本もあるのですが、自分が出会ったタイミングを基準で選んでおります)。 【今年笑ったベスト1】  日本部門『空芯手帳』八木詠美著/筑摩書房 →太宰治賞を受賞した『空芯手帳』は職場での自分の扱いにキレた主人公が「私妊娠したんです」と嘘をついて過ごす日々が描かれた小説です。物語

          2023年に出会えたベスト本!