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ジャスミン

【チェンマイ俳句毎日】2024年3月14日

助手席のジャスミン香る料金所

バンコクは人口1,800 万人の大都市で、チェンマイから行くと言葉は通じても別の国かと思うほどの格差がある。

公共の交通機関も整っているし、街中を走る昔ながらのタクシーも健在。携帯で呼べる配車アプリも充実してかなり便利だ。

完全なオノボリさんである私にとってバンコクのタクシーに乗る時は、いつでもちょっとした緊張感がある。なぜなら、運転手が良い人かどうか、外からでは見分けがつかないからだ。

一度、タイ人の友人と一緒に空港からタクシーに乗った時に、かなりクレイジーな運転手に当たってしまったことがあった。出発前の交渉の際、行き先が近いことが気に入らなかったらしく、最後には運転手が怒鳴り出し、穏和な友人は困惑して涙目になってしまった。結局、別の運転手に変わったが、なんとその人も少し病んでいるような言動が見られ、無事に到着できるよう心の中で祈り続けたという、ちょっと恐い体験が今もトラウマになっているのだ。

その後は、運良くずっと良い運転手に当たっている。

流しのタクシーはかなり車体が古いこともある。シートの合皮がひび割れて昔の歯医者の椅子のように固いこともある。(配車アプリの車はたいてい新しい)ボロいのは車だけでなく、運転手の方も、Tシャツの肩やズボンの膝が破れていることもある。しかし、そんなことは何の問題でもない。いきなり怒鳴り出したり、大きな独り言を言い続けたり、信号待ちでゲームをしたりしなければ……。

タイは仏教国。運転席前のダッシュボードに小さな仏像やお守りを置き、ちょっとした仏壇コーナーになっているタクシーも多い。そこに新鮮なジャスミンの花輪が祀られていたり、あるいはバックミラーに花輪をかけてある場合は、運転手が落ち着いた人であることが経験上多い気がするので、私はタクシーに乗ると、まずそこをチェックしてしまうのだ。

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