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料理って魔法みたい

「料理って魔法みたい」
私が小さい頃、母に言った言葉 
その日から私は料理が好きになった
いつも褒めてくれない母も
料理の時は優しく笑って褒めてくれた

大人になった私は
夫とその家族に料理を作った
負けず嫌いのおばあちゃんが
「味がない。美味しくない」と毎回言った
他の家族は何も言わない

時の流れと共に
夫は自分の買ってきた
スーパーの惣菜を褒めるようになった
時間をかけて作った私の料理は
まるでエサのように
テレビを見ながら口に放り込む

「こうすると、もっと美味しいよ」と
ロールキャベツにキムチを乗せる夫
凍りつく子どもが私を心配そうに見つめる
「ママの料理は美味しいね」
涙目の私にかけてくれた
子どもの優しい言葉

久しぶりに思い出した
「料理って魔法みたい」の言葉

色々な種類の材料を集めて手を加えて
新しい姿を作りあげる
合わせる材料や調味料、調理方法で
全く違う姿に変わる
同じ人が同じ料理を作っても
日によって味も変わる
作る人にしか分からない不思議な魔法
そして、食べた人が元気になったり
幸せになったりする不思議な魔法

そんな魔法に気付けた私はラッキーだ 

オーブンの前でクッキーの様子を見てる
子どもが嬉しそうに言った
「料理って魔法みたいだね」
ラッキーな人がここにもいた

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