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心理士と、娘のインフルエンザ。

9月某日。
長女がインフルエンザにかかりました。

調べてみると、
タイは1年を通してインフルエンザにかかる可能性があり、
8-9月の雨季、11ー1月の乾季を中心に流行るらしいです。
ですが、
今年は7月くらいに
「インフルエンザで日本人学校が学級閉鎖になった」、
という話も聞いた記憶があるので、
本当にいつ流行るのかわかりません。

予防接種もいつ打てばええのやら。
と思い、
日本では毎年打っていたけれど、
タイでは保留してしまっていた予防接種。

そんなこんなのインフルエンザ。

某日の、
明け方というか夜中に近い時間に長女の発熱に気づき、
幼稚園を欠席。
インフルエンザの検査を受けるには24時間経過したほうが確実、
と以前病院で聞いていたので、
その日は受診せず家で様子見しておりました。

そして翌朝。

起きてきた長女の様子がおかしい。
何がおかしいとは明言できないけれど、
なんとなく、何かがおかしい。

私が話しかけると、
返事はするけど支離滅裂

「妹ちゃんがね」から始まる話も、
意味がまったくわからない。

視線も、
目も、
どこかおかしい。

そして、
「いひひひひ」と笑う様子も
いつもとは違う不自然さと不気味さがありました。

怖い。

熱でどうにかなってしまったんじゃないか。

元の長女にはもう会えないんじゃないか。

なぜ、
夫に「出かけても大丈夫」と言ってしまったんだろうか。
(夫は朝から不在でした。)

怖い。

今から病院に駆け込むべきなのか。

「お母さんの話聞いて!
 しっかり答えて!!」

具体的になんて声をかけたのかは覚えていないけれど、
たぶん、
こんなようなことを言ったんだと思います。

なんとかして、
元の正気の娘に戻って欲しかった。

「お母さんの名前は?」
「長女ちゃん何歳?」

それに対しても
「いひひひひひ」と不気味に笑う。

泣きそうになった。

「長女ちゃんの名前は?」

「○○○」

はっきりしない呂律ではありましたが、
かろうじて聞き取れました。

でも、
やっぱり様子はおかしい。

長女はどうにかなってしまったんだろうか。
どうにかなってしまうんだろうか。

夫に電話しようかと思ったけれど、
このよくわからない状況で無駄に心配させて、
動揺させるのは良くない。
そう考えて踏みとどまりました。

「おかあさんおはよう」
私が必死で長女とコンタクトをとろうとしていると、
次女が起きてきました。

「おはよう。
 ねぇ、お姉ちゃんがなんかおかしい。」
次女と私が話をしていると、
不思議な様子だった長女が、
徐々にいつもの様子に戻ってきました。

これが熱せん妄というものなのか、
ただ寝ぼけていただけなのか。
よくわからないけれど、
めちゃくちゃ怖かった。

タイでのインフルエンザの予防接種。
どのタイミングで打てば良いのかわからなくて保留にしていましたが、
打つことで、
熱せん妄が防げたり、
インフルエンザ脳症などの重篤化を避けることができるなら、
我が家の場合は予防接種を受けようと思います。

「このまま長女が戻ってこなかったら」

あの恐怖はきっと忘れません。

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