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結婚して40年、今が一番いい関係だと言える理由。

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夫婦やカップルの本音をシェアするコミュニティ「フタリノ」です。

今回は、新連載「ふうふのA面B面」第4回のゲストである
白鳥さんご夫妻のB面として、夫の公彦さんにお話を伺いました。

「ふうふのA面B面」とは?
夫婦それぞれの視点から「ふたりの転機」について取材をするインタビュー企画。夫婦の人生の重要な局面での喜びや葛藤、決断の背景にはどんな想いがあったのかを、それぞれの視点から紐解いていきます。

▼妻 ゆきこさんのA面はこちら

出産をきっかけに、夫婦で起業をし、子育てはもちろん、両親の介護や様々な病を乗り越えてきた白鳥さんご夫妻。

ある日から突然更年期により別人になってしまった妻に対し、夫公彦さんがとった行動とは?

今回は夫 公彦さんの視点で、一時は別れもよぎるほど壮絶だった更年期当時の心境と、すべてを乗り越えた今、思うことについてお話を伺いました。

もしもパートナーが苦しんでいるとき、どうしたらいい? 
正解とは? 

と悩む方のヒントになるかもしれません。還暦を迎えた今もなお、仲睦まじいご夫婦の秘訣をぜひ最後までご覧ください。

夫婦生活40年の中で、最大の危機

ーーーゆきこさんは更年期のときが夫婦関係においても一番の試練だったとおっしゃっていました。公彦さんの人生曲線でも、50代のその時期が一番下がっておりますが、当時はどういった心境だったのでしょうか?

公彦さん(以下、公彦):
ゆきこの入院や更年期の症状が激しく出た時は、相手が辛い状況にいるのにどうすることもできず、僕自身本当に苦しかったですね。

特に、男女の精神的/肉体的違いっていうのは、本や資料を読んでも実感することができず、なかなか乗り越えられない。

どうしていいのかわからず、ただ待つだけの日々を過ごしていました。その間できるだけ気を遣っていたけれども、その気の遣い方もなかなか難しいところがありましたね……。 

ーーーゆきこさんから、当時は感情のコントロールがうまくできず、叫んだり暴言を吐いてしまい、心身ともに本当に大変な時期が3年も続いたと伺いました。症状がとても重い方だったんですね。

公彦:
そうですね。彼女自身も辛そうだったし、一時は「もうゆきこは僕のことが嫌いになったんじゃないか」「このままの状況が続いたら、お互い耐えられなくなるんじゃないかな」と。

そんな風に考えた時もありました。

でもその時に、学生時代から付き合いのある共通の友人が「ゆきこはね、絶対にあなたのことを愛してるんだよ」と言ってくれたんです。 その一言に本当にね、救われたんですよ。

その一言をまず信じてみよう、と思えましたし、いったい何を僕は疑ってたんだろう、と。何もできない僕だけれども、とにかく寄り添うことはちゃんとやっていこうと思い、耐えることを覚えましたね。

一瞬でも彼女からの愛情を疑ってしまったことが、僕にとって 結婚生活の中で1番辛いことかな。でも彼女は、うつ病になりそうなくらい辛い経験をしてるわけですよね。

3年間の更年期を乗り越えられた理由

ご友人との一枚

ーーー女性は更年期以外にも、PMSや産前産後などホルモンバランスの影響で気持ちのアップダウンが激しかったり、自分でもコントロールできない状態になることが結構あるなと思っています。
その時に、男性は行き場のないものを抱えちゃうんじゃないかと思うのですが、公彦さんはいかがでしたか?

公彦:
行き場のない想いを彼女にぶつけてしまったことも一度や二度はあったと思います。でも感情をぶつけた後は、ものすごく虚しさを感じるし、人生が破滅的な方向に向かっちゃうんじゃないかと思うんですよね。

一緒に落ち込んだり、ストレス抱えたまま過ごしていたら、本当に危なかったと思いますが、そうならなかったのは共通の友人の存在が大きかったです。

ーーー夫婦にとって第三者の存在は、関係性を外に開いたり、時にはふたりにとっての助けとなるんですね。

そうですね。なんでも話せる友人の存在にとても救われました。
大人になると、友人を持つことが難しい人もいるのかもしれないけれど、とにかく話せる相手が1人はいた方がいいと思いますね。

ホルモンバランスが乱れて、
別人になってしまった妻にできること。

入院中の由紀子さん

聞く前にまずは想像する

ーーー公彦さんご自身が心がけていたことはありましたか?

公彦:
相手にどうしたいか聞く前に、まずは想像することでしょうね。なかなか想像しきれるものではないけれど、考える、感じるということを積極的に行うことが大切ではないでしょうか。
最初のうちは、ゆきこに対して「できることはないか?」とよく聞いていました。でも、本人もわからないわけですよ。だんだん聞かれること自体が苦痛になってくるんですよね。「私に質問しないで」とよく言われました。要するに、判断すること自体が苦痛なんですよね。

ひどい時は「今夜何食べる?」っていう質問をしただけで怒られてしまうわけです。本人はそれどころじゃないっていう状態なんでしょうね。

解決よりも、寄り添い

公彦:
男性脳と女性脳って、根本的に違うんです。男性脳は、解決するために行動することが、相手にとって1番いいと捉えているけれど、女性脳はそれを求めてはいない。

未だに結論とか解決策を言っちゃう方なんですが、昔「解決策は求めてない」と言われたことがあって。なので、一番いいのはやっぱりオウム返しですね。感情や痛みに反論するでもなく、付け加えるでもなく、一緒に受け止めるのが1番安全です。

とにかく外に連れ出す

ーーーゆきこさんから「更年期のときどんなに私の感情が昂っていても、毎朝仕事に連れ出してくれていた。それにとても救われた」と伺いました。当時の心境についてぜひ教えてください。

公彦:
オフィスにさえ着けば、彼女の仕事スイッチが入ることはわかっていたので、意図的に外(仕事)に連れ出そうとしていました。当時の彼女にとって、仕事をきちんとこなすことは、精神衛生上大切な時間なんだろうな、と。

家とは違う状況が、彼女の気持ちを和らげたり、私生活を良い方向へ向かわせるんじゃないかと期待を持っていました。実際に、彼女にとって必要な時間だったようでよかったですね。

人生最良の決断は、彼女と結婚をしたこと

結婚当初のおふたり

ーーー色々乗り越えてきた公彦さんにとって、ゆきこさんはどんな存在でしょうか?

公彦:
とにかく温かいし、誠実。そして何よりも愛し合うことの喜びを与えてくれる存在です。感謝してもしきれないですね。

結婚したいと思った理由は、やっぱり彼女がすごく誠実だったからです。
誠実であることが1番人生を楽に、そして気持ちよく生きられる。 

6年ほど付き合う中で、彼女の性格や趣味もわかり、「この人だったらうまくやっていけるし、いい人生を送れるんじゃないか」と思えたんです。お互いそう感じたから結婚したんでしょうね。

ーーーーご自身が一番大事にしている「誠実に生きる」という価値観が、由紀子さんと一緒だったことが決め手だったんですね。

公彦:
そうですね。僕の好きな言葉は、愚かなほど正直であれ、という意味の「愚直」なんです。

僕も意図的に人を裏切ることはないし、できる限り嘘はつかない。損得感情で判断して行動する人もいるけれど、 僕もゆきこもそうじゃないと明確にわかってたので、おなじ価値観を持っていると感じていました。

もちろん個性の差はあって、それは人生のスパイスになって面白いんですが、 根源的な価値観はやっぱり共有したいですよね。

僕の人生の最良の決断は、ゆきこと結婚したことだと今も思っています。

ーーー結婚してから40年以上経って、今もそうはっきり言えるのって、すごく素敵ですね。そこに行き着くまでに、紆余曲折色々あったと思うのですが、失敗や後悔はありましたか?

公彦:
そもそも、人生における失敗はないのかなと思っています。
たとえ諦めてしまったとしても、失敗を繰り返すことによってわかる”最良の選択”が「諦める」ことだとも思うので……。

そのためには、失敗を恐れないような生き方をすること。まずは 正直で誠実に生きること。あと、何事も実行を心がけることですね。

だから、そういう心持ちで行動を起こして失敗したとしても、自分自身納得がいくし、 次の成功へ持っていけるかもしれない。 だから知恵と血肉となるように、失敗は判断のための教訓だと僕は捉えています。

夫婦愛とは、覚悟と意志

ーーー公彦さんにとって夫婦愛とはなんでしょうか?

公彦:
僕にとって「夫婦愛」とは、最高に心地良い覚悟、もしくは意志
一緒にいてもいなくても心地よいというのは貴重だと感じています。

今、ゆきこは月の半分は、実家の母親の付き添いをしているので、お互いにそれぞれの時間を持っているのですが、それはそれで心地よいですよね。

そして僕は、気遣いは好奇心だと常々思っています。
例えば彼女が美容院から帰ってきた時に、僕が何も言わないと「私のことを全然見てくれていない」とか「どこが違うかわからないでしょう」と言って怒り出すんですよね。

そんなときに「ここが変わったんだね」とか「素敵だね」というと、ぱっと顔が明るくなるんですよ。 その一言で笑顔になることが僕は嬉しくて、気付いたことはきちんと言葉に出すようにしています。その方がお互いにとって良いですし、楽だと思いますね。

ーーーきっと相手の変化に気づけるのは、ゆきこさんに対して関心を持っていたり、何に対しても好奇心があるからですよね。その積み重ねが関係の心地よさにもきっと繋がっていると思いました。

公彦:
60歳を過ぎた今思うのは、彼女も色んなことを経験して乗り越えて、どんどん綺麗になっていくんですよ。

だから一緒に行動していても面白いし、僕の考えも及ばないことを言ってくれる。
そういった意味で、モノの見方や考え方が違う相手と一緒にいるのは楽しいですよね。

あとは、忍耐は必要です。耐えた後で素晴らしい景色が見えてくる。

一番辛かった彼女の更年期に、もし別れていたとしたら、お互いに寂しさや挫折感でずっと心の棘を引きずっていたんだろうな、と思うんです。 あの時を乗り越えられたからこそ、ふたりの仲も深まったし、今が一番深い絆があると思いますね。

清々しさや、一緒にいて感じるほのぼのとした気持ちも、すべて今までの経験のおかげだと思うので、すべてありがたいことですね。

ーーー公彦さん、ありがとうございました!


「結婚40周年の今が一番いい関係です」

長年連れ添ったパートナーに対して、こんなにはっきりと言い切れるご夫婦はどれほどいるでしょうか。

円満に見えつつも、たくさんの試練を乗り越えてきたおふたり。
その都度、諦めなかったからこそ辿り着けた境地が今なのだと感じました。

年をとっても、仲良く手を繋いで散歩する夫婦になりたい。
そんな理想とは裏腹に、熱量を継続するのはむずかしいもの。

「気遣いは好奇心」と語る公彦さんは、常に由紀子さんに対して意思を持って関心を向け続けておられるのが印象的でした。

どんどん自分らしくなってゆく由紀子さんに惹かれ続けていることで、ふたりの関係性が今もなお、更新され続けているように感じました。


まだご覧になっていない方は、妻・ゆきこさんのA面もぜひ併せてご覧ください。


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